奈良県の郷土料理「もみうり」といえば、キュウリのどんな料理?

奈良県では夏の暑い時に食べる『もみうり』という料理があります。キュウリがすっきりと食べられるので、食欲のない時にはぴったりのこちらの郷土料理をご紹介しましょう。

『もみうり』とは?

『もみうり』は、キュウリをわらかくなるまで塩でよくもんだ酢の物のことを言います。その名前の通り、よく揉むことから『もみうり』と呼ばれるようになりました。口あたりがさっぱりとした『もみうり』には、ストレスを和らげる要素が詰まっているとされています。夏野菜であるキュウリで作られるので夏の食卓によく出される一品であり、昔から添え肴として作られてきました。さっと焼いて、パリパリにしたうすあげを入れると違った食感も楽しめます。田植えの終わりに田の神さまを送るための行事の『さなぶり』の時には、田の苗がよくつくように吸い付くタコにあやかってタコを入れたりもします。

関西有数の渓谷美を誇る「みたらい渓谷」へ

『もみうり』が食べられる暑い夏に出かけてみたいのは、奈良県吉野郡天川村に広がる「みたらい渓谷」です。みたらい渓谷は新緑のまぶしい春、清流の水しぶきが美しい夏、山全体が美しく染まる紅葉の秋、山水画のように静寂な冬と四季折々の季節の変化を楽しめますが、夏もぜひ行ってみたいところ。ゴロゴロした巨岩の合間を縫って流れる清流沿いを歩く遊歩道があり、暑い時期はひときわ涼しさが感じられ、ハイキングにはぴったりです。

近鉄吉野線下市口駅からバスで1時間ほど乗ると、山の風景が広がるバス停へ到着します。バスを降りて、みたらい渓谷への標識に従って民家が並ぶ車道を歩いていきましょう。この標識はたくさんあるので迷う心配もありません。すると、みたらい渓谷の名物、ちょっとレトロな吊り橋が現れます。吊り橋は人員制限があるので注意してください。なかなかの高度感があるので高い所が苦手な方は少々怖いかもしれませんが、橋の上からはさっそく素晴らしい渓谷美が眺めることができます。吊り橋を渡り道なりに進んでいくと、15分ほど歩いたところで「みたらい遊歩道」の入口に到着します。

ここから遊歩道に進み、木々の間から入る木漏れ日の中を歩いていきます。遊歩道の左側は天ノ川が流れていおり、夏には川で水遊びをする人で賑わうのだとか。遊歩道の入口から20分程度歩いたところに、また吊り橋があるのでこちらを渡ると休憩所に着きます。ここにはトイレもあるので安心です。

休憩所を過ぎたら、いよいよ「みたらい渓谷」に到着です。吊り橋と滝、巨岩が織りなす風景はまさしく絶景。霊峰・大峯山を源流とする清流はエメラルドグリーンに輝き、川底まで透けて見えることができます。現在ではひらがなで表記されることが多いみたらい渓谷ですが、南北朝時代の後醍醐天皇の皇子・御良親王(もりよししんのう)が戦の勝利祈願のために、ここで手を清められたことから名付けられたそうです。ここから先に進むと階段や上りがあって少々きつめな道ですが、頑張った先には「光の滝」という美しい滝が現れます。落差15mの直瀑で横から滝を見ることができ、日が射すとその名の通り光がキラキラと反射してとてもきれい。光の滝の後に先に進むと木々に囲まれた自然道が続き、しばらくすると観音峯登山口に着きます。時間と体力があるなら観音峯まで登ってみましょう。標高1,285mの山頂展望台は稲村ヶ岳や山上ヶ岳などの大峰山系が一望でき、素晴らしい眺望が望めます。

そのまま遊歩道を歩くと車道に出て、しばらくすると洞川温泉センターに着きます。温泉がゴールなんて嬉しい限り。夏だけでなく春~秋にも最適なハイキングコースなので、一度訪れてみてはどうでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 奈良県の郷土料理「もみうり」といえば、キュウリのどんな料理?

A. 酢の物