日本には47都道府県があり、各エリアによって土地にちなんだ特産品があります。今回紹介する、京都の特産品でもある千枚漬けを知っている人も多いでしょう。千枚漬けは癖がほとんどなく食べやすいことから、老若男女を問わず好きという人が多いです。そのため、京都を旅行した際に、お土産として買って帰るというケースもよくあるのです。千枚漬けを知らない人はもちろん、知っている人も知識が深まるように京都の情報を交えながら詳しくお伝えします。
京都ってどんなところなの?
京都府は近畿地方にある府で、府庁所在地は京都市です。府内にはおよそ260万人の人たちが生活しており、そのうちの半数以上が京都市に集中しています。北西から南東にかけて細長い形をしており、周りには大阪府や滋賀県、奈良県などがあります。北部は日本海側気候、南部は瀬戸内海式気候、舞鶴や丹後は海洋性気候、そのほかの地域は内陸性気候と、各エリアで気候はさまざまです。そのうち、北部は冬になると雪がよく降り、特に木子や上世屋では、府内でも積雪量が多いことでも知られています。
京都に関しては、794年に日本の政治や文化の中心地となっていた、平安京が形を変えたものです。それ以前は、長岡京に政治・文化の軸が置かれていたものの、桓武天皇により遷都されました。京都に都が移った理由のひとつとして、藤原種継が暗殺されたことがあります。ほかにも、小畑川や桂川が氾濫したことで、長岡京で水害が続いたことも関係しているといわれています。なお、政府が江戸(東京)に首都を移転した1869年まで、平安京は日本の首都として機能していました。
鉄道やバスなど、交通機関が充実しているのも京都の特徴です。鉄道に関しては、京都駅に新幹線が通っているので、新大阪まで行くにはおよそ13分、名古屋までであれば約35分で向かうことができます。ほかにも、近鉄京都線が京都駅に通っており、特急を使えば近鉄奈良まで35分程度でアクセスできるようになっています。さらに、京都市左京区にある出町柳駅からは、比叡電車を利用することができ、鞍馬までの乗車時間は約30分です。バスは市バスや京都バスがあり、京都駅より大原や嵐山をはじめ、さまざまな方面へ出ているので観光には便利です。
京都で人気のある観光スポットを2つ紹介!
観光スポットが数ある京都ですが、ツーリストから人気を集めるスポットとして鈴虫寺があります。この寺の正式名称は「華厳寺」と言いますが、鈴虫が数多く飼育されており、一年中鈴虫の鳴き声を聞けることから「鈴虫寺」とも呼ばれています。鈴虫寺にはどんな願い事でも叶えるというお地蔵さんがいるため、夢や目標を持った人たちが、全国各地からわざわざ足を運ぶほどです。なお、この寺では住職のお説法を聞くことができるのですが、若者でも飽きずに楽しめることでも有名です。お説法が終わってから、願い事が叶うお守りを買うことができ、このお守りを持って敷地内のお地蔵さんにお願いすることになります。
また、宝泉院も、京都では人気のある観光スポットです。宝泉院は大原勝林院町にある天台宗の寺院で、三千院の参道を奥に進んだところにあります。この寺院は、季節ごとの表情を楽しめる額縁庭園があるので、多くのツーリストが訪れています。夏は木々の緑を、秋には赤やオレンジに色づいた紅葉を、冬になると雪化粧をした自然の景色を堪能できるのです。時期によってはライトアップのイベントも行われており、夜間拝観を楽しむことも可能です。なお、拝観料には抹茶とオリジナルのお菓子が含まれているというのも、宝泉院の魅力となっています。
千枚漬けについて詳しく知る
京都の特産品として知られる千枚漬けは「しば漬け」や「すぐき」と併せて京都の三大漬物となっています。材料には聖護院カブを使用し、漬物にする際、1000枚スライスするように薄くカットされることから千枚漬けと名付けられたのです。聖護院カブは、京の伝統野菜やブランド京野菜にも指定されており、以前までは左京区にある聖護院で主に栽培されていました。しかし、亀岡盆地の気候のほうが栽培しやすいことから、亀岡市篠地区を中心に作られるようになったのです。なお、千枚漬けは聖護院カブの収穫期にあたる、秋から3月頃まで漬け込みが行われるので、京都では冬の味覚となっています。
聖護院カブにはどんな成分が含まれているのか?
千枚漬けに使われる聖護院カブには、さまざまな成分が含まれています。消化酵素のアミラーゼは、聖護院カブの根の部分に多く含まれており、人体に取り入れると胃酸の分泌を調整してくれます。イソチオシアネートは、口に入れた際に辛みを感じる成分で、殺菌作用や消化機能を高める効果を備えています。カリウムに関しては利尿作用があり、ナイアシンは血流をよくする働きがあるため、むくみが生じにくくなるでしょう。
聖護院カブの葉と根のどちらにも含まれているのがビタミンCです。ビタミンCは美容に良いとされていますが、ほかにも抗酸化作用を備えているので、動脈硬化やがんが発生しにくくなります。また、聖護院カブの葉にたくさん含まれているのがβ-カロテンで、ビタミンCと同様、抗酸化作用があります。さらに、β-カロテンはビタミンAが少なければ変換されるようになっており、皮膚や粘膜の健康をサポートするといったビタミンAの働きも備えているのです。
千枚漬けの作り方をチェック!
京都へ行った際、お土産として千枚漬けを買って帰り、自宅で味わうのも良い方法ですが、自身で作って楽しむという手もあります。千枚漬けを作るなら、はじめに材料として聖護院カブをおよそ500g、5cmほどのダシ昆布を2枚、鷹の爪を少量、酢を20cc、三温糖を80g用意しましょう。必要なものを揃えたら、聖護院カブを半分カットします。その際、皮から5mmほどのところに薄い線が入っているので、この線を目安に皮をむき、薄くスライスしましょう。
次に、ボールに水と塩を加えますが、塩は全体量に対して3%の量を使用すると、スライスしたカブにバランスよく馴染むようになります。たとえば、全体量が500ccの場合、0.03(3%)をかけた15gが塩の量で、あとは500から15を引いた485ccの水を準備しましょう。塩を混ぜた水に、スライスずみの聖護院カブを入れて一晩漬けます。漬け終わったあとは、水分を取り除いてから聖護院カブを容器に入れていきます。その際、1段並べたら鷹の爪と昆布を適量加え、それ以降の段も同じように進めていきましょう。
並び終えたら酢に三温糖を混ぜ、三温糖がきれいに溶けたことが確認できたらカブの入った容器に加えていきます。ふたをして、冷蔵庫で2、3日冷やせば千枚漬けの出来上がりです。
お土産だけで満足?千枚漬けを自分で作ってみるのも1つの手!
京都には特産品が数あるなか、ツーリストから人気を集めている千枚漬け。この千枚漬けには聖護院カブが使われており、体に良いとされる成分がたくさん含まれているので、京都土産にするのは良い選択です。なお、千枚漬けは作り方さえ覚えてしまえば、京都へ行かなくてもいつでも自宅で味わうことができます。千枚漬けのレシピはそこまで難しくはないので、料理好きなら作り方をマスターすれば、さらに料理の楽しみが広がるでしょう。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 京都の漬物「千枚漬け」。一般的に用いられる野菜は?
A.カブ
Q. 京都市にある「華厳寺」は、一年中虫の鳴き声を聞けることからなんと呼ばれている?
A.鈴虫寺