徳島市の中心部から少し歩いた先、眉山のふもとにひっそりと佇む老舗和菓子店があります。400年以上にわたり地元の人に愛され続けてきた銘菓「滝の焼餅」には、徳島城の歴史と深く結び付いた誕生秘話がありました。今回はその成り立ちと、押し型に込められた意味を紹介します。
菊紋が語る「滝の焼餅」誕生の歴史
滝の焼餅の歴史は、1585年(天正13年)に、阿波の国主となった蜂須賀家政公が徳島城を築いたことに始まります。築城祝いとして献上されたのが、滝の焼餅でした。名前の由来は、店の近くにある白糸の滝と伝わっています。店のある大滝山のふもとという立地も、滝の焼餅の歴史と深く結び付いています。献上をきっかけに藩の御用菓子として認められ、格式ある品として扱われるようになりました。400年以上の月日を経た今も、誕生の由来は大切に伝えられています。
藩主が愛飲していたという名水、錦竜水の使用が特別に許されたことも、滝の焼餅にとって大きな意味を持ちます。眉山の中腹から湧き出る名水を生地に使うことで、藩の御用菓子としての格式が一段と高まりました。仕上げに押し型で焼き付けられるのが、菊の紋様です。格式の高さを表すだけでなく、一目で滝の焼餅とわかる目印として、今も親しまれています。
地元で愛され続ける「滝の焼餅」人気の理由
生地に使われるのは、もち米とうるち米の粉を合わせた特別な配合です。薄く伸ばした皮で餡を包む作業には、長年の経験を積んだ職人の手仕事が欠かせません。皮の厚みが均一でないと焼きムラの原因になるため、繊細な力加減が必要です。丁寧な仕上げによって、香ばしい焼き上がりともちもちとした食感が生まれます。
味わいは、白、抹茶、胡麻の3種類です。定番の白は、餡本来の上品な甘さを味わえます。抹茶は香りが立ち、大人の味わいとして人気があります。胡麻は香ばしさが加わり、食べ比べる楽しさも格別です。3つの味を少しずつ楽しめるのも、選ぶ楽しみの一つです。
店頭に置かれた鉄板の前で、一つずつ丁寧に焼き上げる様子を眺めることができます。香ばしい匂いが漂うなか、目の前で仕上がっていく光景に、心を惹かれる人も少なくありません。焼きたての皮はパリッと軽く、餅の部分はもちもちとした食感が広がります。その場ならではのおいしさを味わえるのも、大きな魅力です。
眉山のふもとで味わう特別なひととき
本店の店内からは白糸の滝を望むことができ、庭を泳ぐ錦鯉の姿も見られます。名水・錦竜水で淹れたお茶とともに、焼きたての滝の焼餅を味わうひとときは格別です。歴史ある寺町の一角にあり、四季折々に変わる景色を眺めながら過ごせます。
夏には、名物のかき氷が登場します。すだち、やまもも、抹茶など、さっぱりとした味わいが特徴です。冬には、北海道十勝産の小豆と和三盆糖でじっくり炊き上げたぜんざいが並びます。優しい甘さに仕上げられていて、体も温まります。季節ごとに違う味わいを楽しめるのも、和田の屋ならではです。
大滝山を含む眉山公園は、徳島市内でも有数の桜の名所です。山頂から山麓にかけて、約1500本もの桜が咲き誇ります。寺町から春日神社を抜ける花見コースは、滝の焼餅を頬張りながら歩くのにぴったりです。夜にはライトアップも行われ、昼とは違う幻想的な雰囲気を楽しめます。
店舗情報とお取り寄せ方法まとめ
和田の屋には、徳島県内に複数の店舗があります。代表的なのが、本店、徳島クレメントプラザ店、イオンモール徳島店の3店舗です。本店は眉山のふもと、大滝山にあり、10時から17時まで営業し、木曜定休となっています。クレメントプラザ店は徳島駅に直結しており、10時から20時まで営業しています。イオンモール徳島店は、イオンモール徳島の1階にあり、21時まで営業しているため、仕事帰りにも立ち寄りやすい店舗です。
価格は、店舗や商品によって幅があります。公式サイトの直販では、12個入りが白のみで1,060円、抹茶や胡麻を組み合わせたセットは1,120円です。イオンモール徳島店のカフェでは、3個入りに煎茶や晩茶が付いたセットが650円から用意されています。持ち帰りの場合、賞味期限は商品や購入時期によって異なるため、購入時にお店で確認すると安心です。風味を保つためにも、購入後はできるだけ早めに食べきることをおすすめします。
遠方に住んでいて店舗まで足を運べない場合は、公式のオンラインストアからの購入が便利です。全国発送に対応しており、自宅にいながら本場の滝の焼餅を取り寄せられます。日持ちは製造後5日が目安とされており、到着後は商品に記載された賞味期限を確認したうえで、早めに味わってください。
菊紋に込められた400年以上の歴史や、職人の丁寧な手づくりの工程、3つの味の違い、眉山で過ごす季節ごとのひととき、現地や自宅での楽しみ方まで、滝の焼餅について紹介しました。徳島を訪れる際は、本場の滝の焼餅を味わってみてください。
ザ・ご当地検定の問題
Q.徳島県の老舗和菓子店、和田の屋が販売する阿波名物「滝の焼餅」は、何紋の押し型?
A.菊









