静岡県の名物となっている、あるエビを使った焼きそばといえば?

静岡県のご当地グルメとして知られている焼きそばと言えば、富士宮焼きそばが挙げられます。しかし、 富士宮焼きそば以外にも、あるエビを使った人気の焼きそばがあるのです。今回は、その焼きそばについて紹介しましょう。

桜えびやきそばの特徴について

桜えびやきそばは、駿河湾産の桜えびを使った静岡県清水区蒲原のご当地グルメです。静岡県には富士宮焼きそばという有名なB級グルメがありますが、蒲原の桜えびやきそばも地元では静岡名物として引けを取らないほど人気があります。桜えびやきそばと富士宮焼きそばは、蒸した後茹でずにラードで揚げる硬めの麺を使い、だし粉と呼ばれるイワシの削り粉をかける点は同じです。しかしながら、桜えびやきそばは富士宮焼きそばと異なり、肉カスと呼ばれる油カスを入れません。独特の濃厚なソースをかけることが多いですが、塩焼きそばを出す店もあります。

静岡県で富士宮焼きそばの他に静岡おでんや浜松餃子がご当地グルメとして全国に知られるようになると、蒲原でも町起こしの一環として桜えびやきそばを売り出そうという計画が立てられました。蒲原では2008年に「桜えびやきそば普及会」が結成され、大々的に桜えびやきそばの宣伝を図るようになりました。努力の甲斐あって大手のコンビニからも注目され、静岡県限定で桜えびやきそばのカップ麺が販売されるところまでこぎつけたのです。

桜えびやきそばの最大の特徴は、駿河湾の500メートルもの深海でしか獲れない貴重な桜えびをたっぷりと入れている点です。駿河湾の他に東京湾・相模灘にも桜えびは生息しているのですが、漁業許可が下りるのは静岡県だけなので、国産の桜えびは全て駿河湾産なのです。桜えび漁の許可が下りている地域は由比・蒲原・大井川地区に限られており、わずか120隻ほどの桜えび漁船が桜えびを水揚げしています。蒲原は、富士川の河川敷が桜えびのピンク色に染まるほど多量の桜えびを天日干しすることで有名です。

日本全国で市販されている小さい干しエビはシラエビと呼ばれる種類の輸入物がほとんどです。その中には桜えびと称して販売されているものもありますが、生物学上の分類ではその大半が桜えびではありません。台湾産の桜えびも輸入されているけれども、駿河湾産の桜えびとは甘みが違います。駿河湾産の桜えびは、身体の表面にある発光体が多く甘みが強いのです。調査によれば、駿河湾産の桜えびが有する発光体の個数は台湾産の1.5倍以上になっていて、その差は明らかです。このように甘みの強い桜えびを使用した桜えびやきそばは、独特の香りと風味を醸し出し一度食べたら虜になると言う地元民もいるほどです。

桜えびが獲れる季節は、3月中旬から6月初旬にかけた暖かい時期と、10月下旬から12月下旬にかけた寒い時期の年2回のみになります。この時期が桜えびやきそばを食べるにも適した時期と言えるでしょう。桜えびの栄養分は、ビタミンA・B・Cなどのビタミン類やマグネシウム・ナトリウムなどのミネラルが豊富で典型的な健康食品と称しても過言ではありません。特に骨を丈夫にして骨粗鬆症を予防するカルシウムが多く含まれています。

またカニなどの甲殻類の殻に含まれる動物性食物繊維のキチン・キトサンも豊富です。キチン・キトサンは血圧を安定させ、コレステロール値を下げ、癌の活動を抑えるなど自然治癒力を高める効果があることで知られています。桜えびは殻ごと全て食べるので、あらゆる有効成分を摂取することができて効率的な食品と言えるでしょう。桜えびやきそばには、麺と桜えびのほかに、もやし・小松菜・ニンジンなどの野菜も入れるので大変ヘルシーです。

静岡県静岡市に行ったら、桜えびやきそばの店を探してみましょう。

年に2回桜えびを水揚げするシーズンに静岡県静岡市に行ったら、旬の桜えびを入れた桜えびやきそばを食べてみることをおすすめします。新鮮な桜えびを入れたやきそばは香り高く、上品な味わいを忘れられないでしょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 静岡県の名物となっている、あるエビを使った焼きそばといえば?

A. 桜えびやきそば