大阪難波の洋食屋『自由軒』の名物カレーには何が乗っている?

日本全国には様々な飲食店があります。郷土料理を扱っているような飲食店もあれば、大衆食堂のようなものもあり、それらの中で人気を博し、その地域を代表する飲食店となるものも多いです。今回は大阪府を代表する料理である自由軒のカレーについて紹介します。

自由軒のカレーの魅力

大阪府の難波に店舗を構えている自由軒は、大阪府を代表する老舗洋食店です。大阪府の人々に広く愛されており、開店前から多くの人々が列をなし、県外からも多くの人々が訪れています。自由軒では、様々なメニューを提供していますが、その中でも特に名の知られた人気料理ということができるものが、名物カレーです。作家の織田作之助の作品「夫婦善哉」の中で主人公に「自由軒のライスカレーはうまい」と描写されたことからも、広く人気を集めました。創業当時よりずっと人気を集めてきた名物カレーは、他の飲食店で提供されるカレーとは異なり、見た目も味もクセのある逸品です。

通常の飲食店や家庭でふるまわれるカレーライスというと、ニンジンやジャガイモなどの具がゴロゴロと入り、ごはんとルーとを分けて盛り付けられ、福神漬けなどの漬物を添えたスタイルで提供されることが一般的です。しかし、自由軒の名物カレーは異なります。自由軒の名物カレーは、混ぜカレースタイルです。玉ねぎと牛肉のみで作られたルーをごはんと混ぜて出されます。そして、一番の目玉は、混ぜカレーの上にのせられた生卵です。カレーの中心部分にパカリと乗せられた新鮮な生卵が、つやつやと光り、おいしさを引き立てます。自由軒の名物カレーの魅力は、もちろん見た目のインパクトばかりではありません。

名物カレーには、すべて自然の素材が使われており、合成保存料は一切使われていないうえに、熟練の料理人が毎日その日提供する分を作りあげるというこだわりがあります。味わい深さを出すためにたっぷりのトマトピューレと牛スジのブイヨンを2日間ほどかけてじっくりと煮込んで作り上げるカレーソースが第一のこだわりです。具材は玉ねぎと牛肉というシンプルなものであり、このシンプルさこそがカレーの味や風味を損なうことなく引き出すことに成功しています。この二つをしっかりとフライパンで炒め、風味を出したうえで味の決め手ともなる出汁を加えます。

この出汁は自由軒のオリジナルで「うすくち」と呼ばれており、独特の味を生み出すものです。そして最後の生卵が、熱くて辛いカレーにマイルドさを加え、かつ栄養価を高めています。カレーそのものはスパイシーさがありますが、ごはんと卵の甘さ、後からトッピングするウスターソースの酸味が絶妙に混ざり合い、バランスよくおいしい仕上がりになっています。

定番を生み出す自由軒

大阪府の難波にある自由軒は、文明開化の風情が残る、庶民的な雰囲気の強いレトロな老舗大衆洋食店です。どこか懐かしい雰囲気の漂う自由軒は、長い歴史の中で名物カレーをはじめとしたさまざまなメニューを打ち出すほか、多くの家庭で広く親しまれるようになっている食事の定番を生み出したことでも知られています。大阪府では食の文化の作り手といった存在でもあります。自由軒が誕生したのは明治43年のことであり、当時は西洋文化を取り入れ始めたころで、庶民の食生活も大きな変化を見せていた時代です。そのような中、大阪で最初に開いた洋食店として、まだ気軽に楽しむことができなかった洋食をリーズナブルな価格と確かな味で提供しました。

名物カレーは、創業当時に作られたメニューであり、カレーを庶民的な料理とすることに役立ったほか、生卵のトッピングやソースなどといった食の定番の文化も生み出すことにもなっています。当時まだ敬遠されがちだったカレーも混ぜることでテーブルマナーを気にしない庶民的なメニューという印象を抱かせました。また、カレーに生卵のトッピングやソースの使用をし始めたのは、自由軒が最初だそうです。

大阪府の名物カレーを食べよう

大阪府の難波にある自由軒の名物カレーは、大阪府の人々をはじめ多くの人々に人気があります。混ぜカレーの上にのせられた生卵のトッピングとソースが印象的な名物カレーは、こだわり深く味も絶品なので、大阪観光の際にはぜひ味わってください。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 大阪の難波にある洋食屋『自由軒』の名物カレー。上に乗っているのは?

A. 生卵