岡山県備前市のご当地グルメ「カキオコ」。「カキ」は牡蠣のことですが、「オコ」は何のこと?

岡山県の南西部に位置する備前市。市の南部は瀬戸内海に面しており、美しい風景が広がっています。また、温暖な気候であることから、果物の栽培が盛んです。もちろん、瀬戸内海で捕れる海の幸が美味しく、なかでも日生(ひなせ)エリアは牡蠣の産地として知られています。そのため、特産物の牡蠣を使ったグルメである「カキオコ」を味わうこともできます。そこで、この記事では日生エリアの観光情報とともに、地元で人気のあるグルメ「カキオコ」について詳しく紹介します。

カキオコの本場!日生ってどんなところ?

岡山県備前市は瀬戸内海沿いに広がっている市です。日生(ひなせ)エリアは比較的兵庫県に近いロケーションに位置し、本州に加えて瀬戸内海に浮かぶ大小13の島も含んでいます。牡蠣の産地といわれる場所は全国にいくつかあり、岡山県からお隣の広島県にかけても牡蠣がよく捕れる地域として有名です。日生も岡山県内では屈指の牡蠣が水揚げされる漁師町として知られています。また、岡山県は果物の栽培にも適した土地柄で、日生にもさまざまな種類の果樹園があります。春のイチゴや初夏のメロン、夏から秋にかけては桃やブドウ、冬になるとミカンなど、四季折々の果物が多彩です。

日生町漁協で開かれている魚市場は「五味の市」と呼ばれており、地元で捕れる新鮮な旬の魚を購入することができます。また、屋台も並び、漁師町ならではの活気のある雰囲気が魅力です。五味の市のすぐ近くには「海の駅しおじ」もあり、地元や周辺エリアの特産物を販売しています。また、漁協直営店の「日生のどんぶり屋」では、新鮮な魚貝をふんだんに使った「日生丼」や「三色丼」などのどんぶりが人気です。また、購入した魚介類をその場で食べられるバーベキューコーナー、焼きアナゴコーナーもあり、漁師町ならではの雰囲気が楽しめます。

日生町漁協の近くの楯越山頂上付近にある「みなとの見える丘公園」は、日生港や瀬戸内海の風景を見渡すことができるスポットです。そして、日生エリアは本州だけではありません。瀬戸内海の大小13の島は瀬戸内海国立公園に含まれ、最も大きな鹿久居島ではミカン狩りが楽しめます。野生の鹿が生息している場所として知られているほか、縄文時代の集落を再現した「古代体験の郷・まほろば」では火起こしなどの古代体験もできます。また、夏場に海水浴客で賑わう頭島は民宿やペンションが多い島です。なお、本州から鹿久居島、鹿久居島から頭島まではそれぞれ橋がかかっており、車でも簡単にアクセスできます。

備前市で味わえるカキオコとは!?

カキオコは牡蠣の入ったお好み焼きです。日生は漁師町としてさまざまな魚介類が水揚げされますが、なかでも県内屈指の牡蠣の産地として知られていました。毎日漁に出ているなかでは、どうしても市場に出すことができない傷ついた牡蠣や標準に満たない小さいものも一緒に水揚げされますよね。そんな売り物にならない牡蠣を、漁師の奥さんたちがお好み焼きに入れたのがカキオコの始まりだといわれています。

牡蠣は「海のミルク」といわれるほど栄養価が高く、特に亜鉛やカルシウムなどのミネラル分、ビタミン類などが豊富に含まれている食材です。肝機能や免疫力の強化、造血作用などを期待することができるうえ、なんといっても旨みが凝縮されています。日生では新鮮な牡蠣のプルプルした食感そのままを、気軽にお好み焼きとして味わうことができるのです。

そんな漁師町自慢のご当地グルメをもっと知ってもらおうと2002年に「日生カキお好み焼き研究会」が活動をはじめました。その後、「日生カキオコまちづくりの会」に活動を引き継ぎ、地元の漁師たちが愛するカキオコを内外にアピールしています。活動が認められて2012年には第9回岡山武蔵倶楽部特別賞を受賞しました。また、日生カキオコまちづくりの会では2018年に夏季メニューとして「日生海のそば」の販売を始めるなど、活動はカキオコの普及だけにとどまりません。

カキオコが食べられるお店は?

日生エリアでカキオコが食べられるお店は10軒以上あります。たとえば、1962年に創業した「ほりお好み焼」は、カキオコ発祥のお店です。日生焼という広島のお好み焼きとも関西のお好み焼きとも違うカキオコを味わえます。タイメイソースという地元岡山のソースを使っているところや、生地を作る際に先代から引き継いだダシを使用するなど、こだわりの味が楽しめるお店です。

日生カキオコまちづくりの会はB-1グランプリや備前まつりなど、カキオコをさまざまなイベントに出店しています。その味を食べられるのが日生町漁協の近くで2013年にオープンした「カキオコ屋暖里(ゆるり)」です。お好み焼きに使用するソースを地元の醤油蔵で作ってもらっているほか、レシピの細部にもこだわったカキオコを食べることができます。

お昼の定食からパーティ、仕出し料理まで展開する「レストラン夕立」もカキオコが食べられるお店のひとつです。JR日生駅からすぐ近くにある「うま×うま」は実家が漁師というオーナーのお店であるため、水揚げされてすぐの新鮮な牡蠣がお店に直送されています。生地にキャベツを混ぜた日生焼で提供することや、オリジナルソースなど、さまざまなこだわりを持ってカキオコを提供してくれるお店です。

頭島の頭島漁港がすぐ目の前というロケーションにある「お好み焼ふみ」では、牡蠣はもちろん日生で捕れたエビが入ったお好み焼きを食べられます。和風だしの生地が特徴の「オレンジハウス」では、カキオコが味わえるのはもちろん、ほかにはない変わったメニューを展開しているところが魅力です。

ケンミン熱愛グルメとしてテレビでも紹介!

もともとは漁師町の奥さんたちが売り物にならない牡蠣をお好み焼きに入れて焼いたところから始まったカキオコですが、徐々に他地域にも知られるようになってきました。そして、2019年2月に放送された日本テレビの人気番組「秘密のケンミンSHOW」で、岡山ケンミンの熱愛グルメとして紹介されたのです。日生町がカキオコの本場で、牡蠣の収穫量は岡山県が全国で3位、そのなかでも備前市が県内の40%を占めていることも紹介されています。放送当日は備前市出身ではありませんが、岡山県民としてブルゾンちえみさんが登場しました。

家でも作れる!カキオコレシピ

カキオコの材料(1人分)

【生地】
・小麦粉100g
・卵1個
・水またはだし汁1/2カップ
お好みでベーキングパウダー小さじ1/2や山芋小さじ1程度

【具にいれるもの】
・キャベツ100g
・牡蠣5~6個
・天かす適量
・削り節やネギ適量

生地の材料は合わせて混ぜておきます。生地のかたさの好みによって、小麦粉や水の分量を調整してもらってかまいません。また、あれば山芋やベーキングパウダーを混ぜてもいいでしょう。生地に入れるたっぷりのキャベツは千切り、牡蠣は水洗いしておきます。鉄板やフライパン、ホットプレートを温めて生地を焼いていきますが、その際は全部生地を焼いてしまいません。まずは半分を流し入れ、そのうえに千切りキャベツ、天かす、牡蠣を乗せます。さらに上から残りの生地をかけ、焼けてきたら裏返してさらに焼きます。

日生町ではカキオコに地元で製造されているタイメイソースを使っているお店や、タイメイソースをベースにオリジナルのソースを作っているお店が多いです。なかなか他地域では手に入りにくいため、本場と同じ味を完全に再現するのは難しいかもしれません。ただ、備前市にある醤油蔵「鷹取醤油」ではカキオコ用に「日生カキオコソース」が販売されており、簡単に地元の味を楽しめます。もちろん、カキオコ専用のソースでなくても、普通のソースや醤油でも美味しく食べられます。焼き上がったら、お好みで削り節やネギなどをトッピングしても美味しいです。

漁師町ならではのグルメ!カキオコを食べに岡山県備前市へ

瀬戸内海に面した岡山県は海の幸に恵まれています。なかでも、日生エリアは牡蠣の産地として全国的にも有名です。その牡蠣を親しみやすい「カキオコ」というお好み焼きとして食べられる楽しみがあります。カキオコを食べられるお店も各地に点在しており、瀬戸内海の美しい風景を眺めながらの旅行で気軽に立ち寄って食べられるでしょう。岡山県備前市へ出かける予定があるならば、地元の人に愛されてきたカキオコもぜひ味わってみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 岡山県備前市のご当地グルメ「カキオコ」。「カキ」は牡蠣のことですが、「オコ」は何のこと?

A.お好み焼き

Q. 岡山県の日生町漁協で開かれている魚市場の名前は?

A. 五味の市

Q. 牡蠣のお好み焼き「カキオコ」の本場、岡山県備前市日生町。「日生」はなんと読む?

A.ひなせ