赤穂浪士で有名な兵庫県の赤穂市。どんな調味料の産地として有名?

赤穂と言えば「忠臣蔵」の四十七人の赤穂浪士がよく知られていますが、食卓に欠かせないある調味料の産地でもあるのです。この地域だけではなく、全国のスーパーにも置いてあることが多いので、一度は目にしたことがあるかもしれません。

弥生時代から作られていた塩

赤穂市で赤穂浪士に並んで有名なのは塩づくり。なんと約1800年前の弥生時代から塩づくりが始まっていたそうです。岩塩などの天然の資源に恵まれていない日本では、昔から海水を利用した製塩技術を行っており、一年を通して晴れの日が多い瀬戸内海は、「入浜塩田」の製塩法に最適の地でした。大規模な堤防や水路を造り、自然の海の干満差を利用して塩田に大量の海水を引き込む「入浜塩田」は、画期的な製塩法で飛躍的に生産量が増加しました。

江戸時代になると赤穂藩の歴代藩主がこの「入浜塩田」を開発しましたが、1645年、浅野家初代赤穂藩主の浅野長直が塩田技術者を赤穂へ呼び、大規模な塩田開発事業を行います。この開発の結果、赤穂に日本最大級の「入浜塩田」ができ、大量の塩が生産され、以後300年にわたって、この製法は日本における主要な製塩法となりました。

明治時代になると、政府によって塩の専売制が導入され、1905年に赤穂でも塩務局が設置されることになりました。この当時の塩務局の建物がほぼ完全な形で今も残っているのは赤穂だけです。塩の生産方法は時代が経つにつれて、変化・改新が続けられていますが、今でもなお赤穂は国内の塩の生産量の約20%を占める塩の一大産地であり「塩の国」と言えるでしょう。

料理に欠かせない塩ですが、赤穂の塩はやさしくまろやかな味わいで、人々を魅了しています。

見どころがいっぱいの赤穂

歴史と伝統文化が織りなす街・赤穂に来たなら、やはり訪れたいのは赤穂浪士ゆかりの地。赤穂城跡は平成18年に『日本100名城』に選ばれ、浅野長直の指示によって慶安元(1648)年から13年の歳月をかけて築かれた、珍しい変形輪郭式の海岸平城です。大手門や庭園などが復元され、本丸庭園と二之丸庭園が国の名勝に指定されています。

大石神社は赤穂義士を祀る神社で、討ち入りの采配など義士の品が展示されています。四十七義士が1年10ヶ月かけて、苦労して主君の仇を討ったことから「大願成就」や「心願成就」の神様として、全国から参拝者が後を絶ちません。

赤穂城近くにある大石良雄宅跡長屋門は、忠臣蔵の中心人物だった大石内蔵助のお屋敷の長屋門です。江戸城における浅野内匠頭の刃傷事件の際、その知らせを持って、早かごにて駆けつけた早水藤左衛門、萱野三平がこの門を叩いたと言われています。

塩について学びたいなら『赤穂市海洋科学館・塩の国』がおすすめです。「瀬戸内海と塩」をメインテーマとした海洋科学館は、海洋・塩・そして赤穂について、わかりやすく楽しく学ぶことができます。かつての製塩の有り様を復元した施設『塩の国』では、実際に塩づくりを体験するコーナーもあります。

兵庫県立赤穂海浜公園は広大な敷地にテニスコートやアスレチック、赤穂わくわくランドなどがあり、大人も子供も楽しめる公園です。『赤穂市海洋科学館・塩の国』もこの敷地内にあります。

赤穂のおいしいグルメ

瀬戸内海を臨む赤穂は海の幸も豊富。坂越湾は魚介類の宝庫で、栄養豊かな牡蠣が名産品です。生がきや焼きがきだけでなく、フライや天ぷら、お好み焼きなど、獲れたての牡蠣が食べられます。そして、その牡蠣を入れて、白みそと牛乳で合わせ和風のクラムチャウダーのような『おっぱい鍋』は赤穂のご当地グルメ。赤穂みかんは、大ぶりな果実が特長の甘さ・すっぱさも味の濃いみかんで、秋にはみかん狩りも楽しめます。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 赤穂浪士で有名な兵庫県の赤穂市。どんな調味料の産地として有名?

A. 塩