九州の郷土料理で「だご汁」という馴染み深い汁物あります。ではその「だご」とは一体何のことでしょうか?
だご=団子!九州各地にだご汁あり!
九州では、福岡、佐賀、熊本、宮崎などで「だご汁」、大分では「だんご汁」と呼ぶ田舎の郷土料理があります。
「だご」=「団子」は、小麦粉をこねてそれを手で引き延ばしたりちぎったりした「平たいだんご」です。その「だご」を、味噌または醤油仕立ての汁で食べる素朴な味わいの料理で、ごぼう、にんじん、しめじ、豚肉、里芋などが入り、豚汁によく似ており、食べ応えも腹持ちも充分。
作り方も簡単なまさにおふくろの味で、寒い日に大勢で食べると尚心も体も温まることから、家庭だけでなく秋冬の屋外での催しや地域のイベントなどで振舞われることも。また、このだごも野菜も味がしみて大変おいしくなった翌日まで頂くのが、ご当地の常識。
クセになる「だご」のモチモチ感!
小麦粉で作った平たいだんごを、味噌または醤油仕立ての汁に入れて作る「だご汁」。この「だご」は小麦粉を塩水で練り耳たぶほどの固さになったものを一旦寝かせ、それから生地を程よい大きさにちぎって鍋に落としていきます。もしくは手で押し延ばして平たくすることも。そうすることで歯ごたえがよくなり、汁も絡みやすくなるそうです。地域によっては、ちぎり入れず、引き伸ばして平麺状にするところもあるのだとか。
いずれにしても、このだごの部分がモチモチで腹持ちも良いので、ご飯がなくとも食事になるボリューム。何度でもおかわりしたくなる、子供からお年寄りまでが大好きな田舎汁です!
「だご汁」と「すいとん」の違いって?
「だご汁」と同じ様な郷土料理であげられる「すいとん」。
一般的には、小麦粉のみで一度大きな「だんご」状を作り、そこからちぎっていったり、平たくしたり、麺状にしたものを「だご汁」、小麦粉と片栗粉を混ぜ、ボールなどから直接スプーンで一口分を鍋に入れていくものを「すいとん」と呼んでいますが、実質、地元の方でも大きな違いがなく、小さく平たいだごが入っている汁物は、おおまかに「だご汁」と呼んでいることが多いです。
味噌ベースでも醤油ベースでも、カボチャが入っていようとサツマイモが入っていようと、豚肉でも鶏肉でも「だご」さえ入っていれば、「だご汁」です。
ちなみに「だご」と「すいとん」は食感が少し異なります。小麦粉だけで作る「だご」は、ぼこぼことした粗雑だけれど温かみのある田舎料理の雰囲気。「すいとん」は片栗粉のツルツル感が上品さを醸し出しています。
おいしい「だご汁」の作り方
- 薄力粉と水を混ぜてこね、耳たぶくらいの固さになる様に水の量を調節していく。
- 室温で1時間以上寝かせる。
- だし汁にお好みの野菜と、豚肉または鶏肉を入れて煮る。
- ②の生地を伸ばし、食べやすい大きさにちぎって入れる。
- 火が通ったら、火を止めて味噌を溶かしいれる。
上記のように、とても簡単な「だご汁」。お味噌汁の具材にあう野菜なら、その時にある野菜をどんどんと入れられるのもいいところです。
にんじん、ごぼう、イモ類があればベスト!イモ類は、里芋でもサツマイモでもジャガイモでもよく、他の野菜は、たまねぎ、だいこん、ねぎ、かぼちゃなどをお勧めします。
しめじや干ししいたけなどのキノコも、油揚げもあると嬉しく、さやえんどうなどがあればさらに彩りもよくなります!
実は九州は国内産の小麦の産地!
だごの原材料となる小麦粉。国内で使われている小麦の9割は外国からの輸入品です。
そして、残りの国内生産の6~7割が広大な土地が広がる北海道で収穫されていて・・・と、ここまでは皆さんもよくご存じかと思いますが、実はその国内の小麦の収穫量は、1位の北海道に次いで、2位福岡県、3位佐賀県と筑紫平野を有する九州勢なのです。
福岡にはうどん店が多いのですが、それは美味しい小麦が採れるからで、近年ではうどん用、パン用に加え、ラーメンに適した小麦の栽培も行われています。ちなみに大麦を使った麦みそや麦焼酎なども九州の特産品として有名です。
小麦粉と馴染み深い九州。小麦粉からできる「だこ」。九州の郷土料理として誰もが胃袋を捕まれる理由がしっかりとありました。
ザ・ご当地検定の問題
Q.九州の汁料理「だご汁」の「だご」とは何のこと?
A.団子