岐阜県名物の「藤九郎ぎんなん」。さて、この「ぎんなん」とは、どんな木の果実?

岐阜県の名産品のひとつにぎんなんがあります。「藤九郎ぎんなん」というブランドとして有名で、飛騨・美濃伝統野菜にも認定されています。「藤九郎ぎんなん」とそれにまつわる観光について紹介します。

「藤九郎ぎんなん」とは

「藤九郎ぎんなん」とは、その名の通りぎんなんであり、つまりイチョウの木の果実のことです。イチョウの木は中国が原産であり、古くから生存している樹木で、古生代からほぼ変わることのない生きる化石ともいわれている木です。落葉高木で、雌雄の株は異なり、4月ごろに若葉が芽生え、それとほぼ同時期に花が咲き、風によって花粉が運ばれて受粉し、イチョウの果実を実らせ、やがて落ちてイチョウの実の中にあるぎんなんを食べることができるようになります。欧米にはなく、中国や台湾、日本にのみ生産されている樹木です。日本にわたってきたのは、朝鮮半島を経て仏教とともに古い時代に伝わってきました。

寺社仏閣に多く植えられ、後には公園や街路樹としても様々利用されています。紅葉の美しさとともに、ぎんなんは銀色のあんずとして古くから人々の間で親しまれてきた植物です。イチョウとは一口に言っても様々な種類があり、「藤九郎ぎんなん」もそのうちのひとつです。「藤九郎ぎんなん」は、岐阜県の名物であり、岐阜県の中でも特に瑞穂市や羽島市などで生産されています。古くから生育されており、代々伝わる県の認定を受けた飛騨美濃伝統野菜のひとつと数えられるほどの名物です。岐阜県における「藤九郎ぎんなん」の始まりは、岐阜県瑞穂市(旧本巣郡穂積町)にあった、井上藤九朗氏の邸宅にあったイチョウの木が始まりとされています。

この井上氏の自宅にあったイチョウからとれたぎんなんだからこそ「藤九郎ぎんなん」と名付けられました。井上藤九朗氏のイチョウが、「藤九郎ぎんなん」のすべての原木とされています。この原木は樹齢300年を超えていましたが、大正3年の台風の影響を受けて、倒れてしまい、次第に枯れてしまいました。この原木から接ぎ木され生産されているものが「藤九郎ぎんなん」です。「藤九郎ぎんなん」は、食用として楽しまれるだけではありません。岐阜県瑞穂市只越の西蓮寺境内にある藤九郎ぎんなんは樹齢160年生樹であり、羽島市曲利にある炭竈待冶所有の藤九郎ぎんなんは樹齢100年生樹として知られています。

このイチョウの木は、樹齢の長さからもよく知られているほか、西蓮寺境内のものは根回りは3メートルに高さは20メートルを超す巨木となり、県の天然記念物にも指定されている観光の目玉となっています。

「藤九郎ぎんなん」の魅力

「藤九郎ぎんなん」の魅力は、その味や育てやすさ、そして栄養など様々あります。「藤九郎ぎんなん」は、イチョウの木の中でも比較的育てやすい部類に入る品種です。実ができる時期はほかのイチョウよりもやや遅いですが、10月中頃から下旬にかけて実ができます。実は大きく、粒の大きさのそろいもよく、そしてぎんなんにありがちな貯蔵性の悪さが改善されているため、市場での評価も高い部類に入るぎんなんです。ぎんなんは、もともとたんぱく質や糖質、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンCが豊富に含まれています。「藤九郎ぎんなん」もその例にもれず、豊富な栄養素がそろっています。

栄養価が高く、料理にも広く使われてきた食材です。「藤九郎ぎんなん」は、ほかのぎんなんに比べ、4グラム程度の大粒な品種です。からの表面はすべすべとして、なめらかで光沢があり、薄くて割りやすいため重宝されています。食べ応えがあるとともに、ほろ苦い味わいで食味が良いという点でも人気が高いです。
「藤九郎ぎんなん」は家庭でも様々な料理として楽しまれています。最もポピュラーなものは炒りぎんなんであり、殻を割って塩水につけたものを丁寧に炒って作ります。

もっと簡単に電子レンジで作ることも可能で、酒のつまみなどとして家庭でも飲食店でも味わうことができるでしょう。

大きくて食べ応えがある藤九郎ぎんなん

「藤九郎ぎんなん」は、岐阜県の名物です。粒が大きく食べ応えがあるとともに、そのイチョウの木は巨木となっており観光の目玉ともなっています。県内各地にある並木も美しいので、岐阜県観光の折に景観を楽しむほか、味わってみてください。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 岐阜県名物の「藤九郎ぎんなん」。さて、この「ぎんなん」とは、どんな木の果実?

A.イチョウ