岐阜県で漬物の材料にされている、とある花の菜がついた植物の塊茎とは?

漬物は日本人の食事に欠かせない食品で、地域の特色が現れます。岐阜県恵那市では、古くから県民の生活にかかせない「ある漬物」があります。伝統野菜の指定も受けているその野菜とはどんなものでしょう。今回はこの食材の歴史と魅力について紹介します。

きくいもとはどんな食べ物?優れた栄養も紹介

きくいもはキク科の多年草で、菊に似た黄色い花を咲かすことが名前の由来です。漬物にして食べられることが多く、主な漬け方は、味噌漬けや粕漬けです。シャキシャキとした歯ごたえが特徴で、県内の漬物店や道の駅、お土産屋さんで売られています。きくいもは、美味しいだけではなく栄養面でも注目されています。芋はデンプンが主成分ですが、きくいもの成分は、イヌリンという水溶性食物繊維が大部分です。イヌリンとは多糖類の一種で、キク科の植物は根や茎などに栄養を貯蔵する手段として活用しています。実は、イヌリンは「天然のインスリン」とよばれていて、医師も注目するほどの効果を持っているのです。イヌリンは水溶性食物繊維のため、食事で摂取した糖質の吸収を抑え、血糖値の上昇をなだらかにします。また、血液に重要な働きを持つ善玉菌のエサになるため、善玉菌を増やすため、老廃物の排出を促すのです。この効果から期待できるのが、糖尿病の予防や高血圧、腸内環境の改善などです。

食糧難から人々を救ったこともある!きくいもの歴史

きくいもは古くから食べられていますが、実は北アメリカ原産の野菜で、日本に入ってきたのは江戸時代です。もともとは家畜の飼料として日本に入ってきました。繁殖力が非常に強く、大量に生産できることから、当時は「豚芋」や「八升芋」などが一般的な呼ばれ方です。飼料として利用していたきくいもですが、人々にとって重宝された時代がありました。第二次世界大戦後、人々が食糧難に苦しんでいる時です。根が残っていれば、翌年も芋をつけるほど繁殖力が強いため、「作付統制野菜」に指定されました。米などの代用品として配給され、この時代の食を支えたのです。人々を飢えから救ったきくいもですが、戦後の奇跡的な復興によって豊かになる過程で忘れられてしまいました。

食べられることがなくなったきくいもは野生化し、雑草として扱われてしまいます。しかし、漬物文化が残る恵那地方では、きくいもを漬物にする技術が受け継がれていました。きくいもはアクが強く、下処理が大変です。美味しい漬物にするには時間と手間がかかりますが、完成した漬物は食べやすく、栄養価も高いため、商品として売られるようになりました。再び人の手で栽培されるようになり、岐阜県内で古くから栽培されている特色ある野菜や果樹などが指定される、「飛騨・美濃伝統野菜」に指定されました。

恵那市の観光スポットを紹介

岐阜県の南東部に位置する恵那市は、江戸時代には江戸と京都をつなぐ中山道の宿場町として栄えました。現代においても中央自動車道やJR中央本線などがあり、都心からのアクセスは良好です。市内にある日本大正村は、昭和の懐かしい雰囲気が味わえる町並みが魅力の施設です。自然を満喫したいのなら、恵那峡がおすすめです。恵那市の景勝地として知られています。木曽川をせき止めて作られた渓谷で、獅子岩や屏風岩などの奇岩が見所です。遊覧船も運行していて、水上からは、迫力ある奇岩や四季折々の景色を眺められます。

大自然の中でアウトドアを楽しめるオートキャンプ場をはじめ、付近の施設も充実しています。旅の疲れを癒してくれる温泉や、子供も楽しめるテーマパークもあり、一日中楽しめる観光スポットです。

きくいもは人々の生活を支えた食べ物

きくいもは時代によって姿を変え、江戸時代は飼料、戦後の食糧難の時は米の代用品、それ以降は漬物として食べられてきました。健康への効果も素晴らしく、腸内環境や血糖値が気になる人達からも注目されています。恵那市を訪れたら是非食べてみたいですね。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 岐阜県で漬物の材料にされている、とある花の菜がついた植物の塊茎は?

A.きくいも

Q. 岐阜県恵那市の恵那峡は、なんという川をせき止めて作られた渓谷?

A. 木曽川