福島県の「青ばと豆腐」。この「青ばと」って何のこと?

各都道府県にある名産物には、さまざまな地方へ販売することができるものもあれば、その土地でしか生産できないため現地に行かなければ食べられないものもあります。今回は福島県の名産品、青ばと豆腐を紹介します。

福島県の奥地で作られている幻の豆腐

福島県でも奥会津地方は昔ながらの日本の風情が残る場所として人気の旅行先です。しかしながら、日本でも屈指の豪雪地帯であるため冬になると雪深くに閉ざされるような厳しい自然と共存しながら暮らさなければいけないような場所です。そんな奥会津は名水の里と呼ばれるとてもきれいな水が流れているような地域がたくさんあります。福島県金山町もそんな奥会津にある名水の里の1つです。

上越自動車道の坂下ICから車でおよそ40分、JR会津若松駅からはJR只見線を2時間乗車して到着する会津川口駅が最寄り駅という交通の便が決して良いとは言えない土地なのですが、ここにある「玉梨とうふ茶屋」というお店には連日ひっきりなしに観光客が訪れます。なぜかというとこの玉梨とうふ茶屋でしか食べることができない幻の豆腐と呼ばれている豆腐があるからなのです。その豆腐こそが今回紹介する「青ばと豆腐」です。

青ばと豆腐の作り方

豆腐が何から作られているかはほとんどの人が知っているのではないでしょうか。豆腐は豆の一種である大豆から作られます。豆腐の製造方法は原料である大豆を水に一晩浸けて水分を含ませてから粉砕し、布で越して豆乳だけを取り出します。そして豆乳を熱した後冷ましてから「にがり」を加えると豆乳が固まってくるので最後に型に流し込んでから重石を使って水分を抜けば完成です。ところが青ばと豆腐は豆腐を作るための材料から通常の豆腐とは異なっています。青ばと豆腐には「青ばと豆」とよばれている豆を使用しています。

この青ばと豆も厳密にいえば大豆は大豆なのですが、青ばと豆の青ばととは青ばと豆腐が作られている金山町がある奥会津地方の方言で「枝豆」を意味する言葉です。つまり青ばと豆腐とは、枝豆から作られた豆腐というわけです。枝豆と大豆の違いについて簡単に説明すると枝豆とは大豆になる豆が成長途中にある状態の時のことを指します。大豆と枝豆は実は成分的には全く違っていて、大豆は枝豆と比べるとたんぱく質や脂質、ビタミンB1B2が多いのに対して、枝豆はビタミンAやビタミンCが大豆の時と比べるとかなり多くなっています。通常豆腐では使われない枝豆を使用しているということもあり、青ばと豆腐の風味は通常の豆腐では味わえないような独特のものとなっています。

青ばと豆腐は玉梨とうふ茶屋でしか食べることができません

青ばと豆腐は玉梨とうふ茶屋の店内で製造されており、店内ではガラス越しにその製造工程も見学することができます。青ばと豆腐はこのお店でしか売っていないので、青ばと豆腐を味わいたいのであれば店内で直接食べるか買って持ち帰りをするしかありません。持ち帰りをする際の注意点ですが、青ばと豆腐を持ち帰る際はクーラーボックスが必須となっていてクーラーボックスを持っていないお客さんに対しては青ばと豆腐は売ってくれません。

店内ではクーラーボックスの販売をおこなっていないので、持ち帰りたい人はお店に行く前にクーラーボックスを事前に準備しておきましょう。店内では通常の青ばと豆腐のほかに水抜き加工をせずに提供される寄せ豆腐やジャンボ厚揚げも味わうことができます。また、納豆が好きな人にはこの青ばと豆を使った「幻の青ばと黒神豆」という商品もあります。一緒に食べてみるのもよいでしょう。

アクセスは不便だが行ってみる価値はあり

青ばと豆腐が食べられる奥会津は福島県の中でも奥地にあるためアクセスは決して良好とは言えませんが、昔ながらの日本の風情を感じることができます。そして青ばと豆腐はこの奥会津の豆腐店でしか食べることができない幻の豆腐なのです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 福島県の「青ばと豆腐」。この「青ばと」とは何のこと?

A.枝豆