牛スジ肉とこんにゃくを甘辛くじっくり煮込んだ神戸下町の家庭料理は?

下町の活気に溢れる神戸市長田区。この地を発祥とする、戦後の食料不足の時代に廃棄していた牛スジ肉をおいしく食べる方法として考えだされた料理があります。庶民の味方であるこの料理は何でしょうか?

神戸のソウルフード

神戸のソウルフード「ぼっかけ」は牛スジとこんにゃくを、しょうゆやみりんなどで甘辛く煮込んだ料理です。そのまま食べてもおいしいですが、神戸では焼きそばやうどん、ラーメンなどの麺類、またカレーに合わせたりしてよく食べられています。

「ぼっかけ」の由来は「ぶっかける」から。「なんにでもぶっかけてしまえ」ということらしいですが、何とも阪神の下町らしいエピソードですね。

ぼっかけの作り方

ぼっかけは簡単に作ることできます。ただ少々時間がかかってしまうので、余裕があるお休みの日などに作るのがおすすめ。

材料は、牛すじ肉、こんにゃく、青ネギ、しょうが、だし汁、酒、濃口しょうゆ、みりん、砂糖(ざらめ)。

まずは大きめのお鍋にお湯をたっぷり沸かして、お酒を入れます。そこに水で軽く洗った牛すじ肉を、アクをこまめに取り除きながら20分程度茹でます。下処理は臭みを残さないためなので、ちょっと面倒だけどしっかりとやりましょう。そのあとザルにあげ、ていねいに水洗いをします。こんにゃくは1~2cm角くらいの一口サイズに切り、下茹でをしておきます。しょうがは千切りにします。

次はお鍋に、水・醤油・みりん・ざらめを入れて煮立たせます。そこに下処理を済ませた牛すじ肉、こんにゃく、千切りしたしょうがをを入れて、蓋をして20分程煮込みます。この時点で食べても良いですが、蓋を取り、コトコトとじっくり弱火で2~3時間煮込みます。煮汁が殆どなくなったら火を止め、冷まして味をしみこませます。

こうして出来上がったぼっかけをお皿に盛り付けて、小口切りした青ネギをのせたら完成です。お好みで七味や山椒をふりかけても。

何に使ってもおいしいぼっかけ

とろとろの牛すじによく味がしみたこんにゃくのぼっかけは、ごはんのおかずやお酒のアテにぴったり!ビールはもちろん、ワインにだって良く合います。

そして、そのまま食べる以外にもおいしい食べ方がたくさんあります。ほかほかごはんの上にたっぷりぼっかけをのせて、生卵やとろりとした半熟卵を落とせば食べ応えのある「ぼっかけ丼」の出来上がり。焼きそばやお好み焼きの具にすれば、いつもの一味違う味が楽しめます。またうどんにぼっかけをトッピングすれば、ぼっかけうどんに。温かくても冷たくてもおいしいうどんになります。

そばめしには欠かせない具材

神戸が誇るB級グルメと言えば「そばめし」。コンテストにも多数出場し、今や全国で知られるご当地グルメとなりました。ぼっかけはそばめしに欠かせない具材で、一緒に炒めたり、上からかけたりとお店によって様々な食べ方で、食べられています。

鉄人28号に見守られている!?神戸・新長田

R新長田駅から徒歩3分のところにある若松公園に、どーんとそびえ立つ巨大な物体。神戸出身の漫画家、故・横山光輝さんの原作で、後にロボットアニメの金字塔となった「鉄人28号」モニュメントです。

地元商店街などが中心となって立ち上げられたNPO法人「神戸鉄人プロジェクト」によって、2009年に震災復興と地域活性化のシンボルとして作られました。直立時の設定が18m(高さ15メートル30センチ)にもなり、そばで見ると迫力そのもので今にも動き出しそう。アニメや漫画ファンならずとも見る価値があります。また鉄人28号の建設に伴って、新長田の町には「鉄人アーケード」や「鉄人街灯」などができ、それらを探して町を散策するのも楽しそうですね。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 牛スジ肉とこんにゃくを甘辛くじっくり煮込んだ神戸下町の家庭料理は?

A. ぼっかけ