かんぴょうは目立たない食材ですが、かんぴょう巻きなどでメイン食材になることもあります。汁をたっぷり含むと美味しいですよね。このかんぴょうの全国生産量のうち、ある県の生産量がほとんどを占めています。今回は栽培の歴史や食べ方などを紹介します。
なぜかんぴょうを栽培し始めたの?
国内生産量の9割以上を、栃木県産かんぴょうが占めています。このうち、県全体の5割弱を下野市産が占め、小山市と壬生町が次ぎます。300年ほど昔、この一帯は下野の国でした。滋賀と領地を替えた壬生藩主の鳥居忠英という人物がかんぴょうの種を取り寄せ、植えさせたと言われています。この一帯の土壌は、黒い火山灰土の関東ローム層です。排水に優れ、夏季には日光那須連山の影響で発生する雷雨が水分を与えて地面を程よく冷やすため、かんぴょうの栽培に最適でした。
かんぴょうはインドや北アフリカといった熱帯地方が原産地で、つる性1年草、花は夕顔と呼ばれます。朝顔と違って夕方に咲き、朝に萎む特徴が由来です。花が終わった後にできる実がかんぴょうになるわけですが、大玉すいか並みの大きさになったものが収穫され、その重さはなんと6~8kgにもなります。収穫した日が1日遅くなると一回り大きくなってしまうくらい成長が早いです。収穫したかんぴょうは、早朝から剥き始めて1~2日干します。天日干しが一番美味しくなりますが、悪天が続くと品質が落ちてしまうため、ビニールハウス内に干すのが一般的です。日本ではかんぴょうは食用となっていますが、世界で見るとポピュラーではありません。他国では身をくり抜き乾燥させて、ひょうたんのように容器や観賞用として使っています。
煮ておくことで様々な料理に加えられる!
かんぴょうの料理と言えば、太巻きや細巻きが挙げられます。他にはロールキャベツや揚げの袋とじに使うことも多いでしょうか。あまり主役になることのないかんぴょうですが、太くカットしたものを入手したときにおすすめなのが、かんぴょうの甘辛煮です。沢山煮て冷凍しておくことで、ちらし寿司や混ぜご飯、どんぶり料理などにさっと使えますよ。
かんぴょうには漂白したものと無漂白のものがあり、後者は戻し汁に旨味が出ているので、煮汁に使ってください。いずれもかんぴょうはさっと水で洗って、約3分水に漬けて戻します。無漂白かんぴょうは絞って軽く揉み、漂白かんぴょうは戻し水を捨てて、小さじ1/2の塩を加えて約1分弾力が出るまで揉みます。塩で揉むことで火の通りが良くなるのです。その後塩を洗い流し、お湯で約10分茹でます。柔らかくなったら、水大さじ6に砂糖としょうゆ、みりんをそれぞれ大さじ3ずつと、酒大さじ1、塩ひとつまみを入れて煮立てた煮汁にかんぴょうを加えて煮ます。たまに混ぜながら、汁気がなくなるまで煮て完成です。
杉並木を通って準備を整えてから参拝しよう!
栃木県の観光スポットは、世界遺産になった日光の社寺が有名です。国宝である「陽明門」の大改修が終わった2017年には、250万人以上の参拝者がありました。日光東照宮の参道並木となる日光杉並木街道は、世界一長い並木道として、ギネスブックにも載っています。また、特別史跡と特別天然記念物の二重指定というのは日本唯一です。この並木は、徳川家の忠臣だった松平正綱とその息子の正信が20年以上かけて杉を植え、家康の33回忌となる年に寄進されたものです。約12,225本の杉がずらりと並ぶ様子は圧巻ですが、当時は5万本以上が植えられていたと伝えられています。
昔、主に街道で杉並木が造られていたのは、旅行者に優しい旅路を用意するためだったのではないかと考えられます。高くそびえる杉が日光を遮り、風や雨、雪などからの影響も少なくしてくれるからです。また、真っ直ぐ上に伸びる杉の特性は、東照宮を始めとする社寺に誘導するための造園手法としても優れています。外界の音を遮る杉並木を歩くと心が安らぎ、神領の区域に入る準備が整います。東照宮へ出かける際は、ぜひこの杉並木を通って参拝してみてください。
ご当地グルメも沢山!
栃木県では例年、かんぴょう祭りが行われているので、イベントに合わせて出かけるのもおすすめです。かんぴょう以外に生産量の多いニラを使ったニラそばを提供するそば屋もありますし、宇都宮餃子や佐野ラーメンなど、有名なご当地グルメも沢山あります。
ザ・ご当地検定の問題
Q. かんぴょうの生産量で全国の9割以上を占めている都道府県は?(平成22年)
A.栃木県
Q. ギネスブックにも載っている世界一長い並木道は、日本のどの都道府県にある?
A.栃木県