島根県松江市には、江戸時代から続くお茶の文化を今に伝える老舗の菓子店があります。この店の代表的な銘菓は、大名茶人としても名高い、松江藩の殿様にゆかりのある品です。今回は、その銘菓が生まれた歴史や背景、そして今も多くの人に選ばれ続けている理由を紹介します。
彩雲堂の若草とは?不昧公ゆかりの歴史
松江藩には、江戸後期に藩主を務めた松平治郷という人物がいます。号を不昧といい、自ら茶道不昧流を打ち立てた大名茶人として、今も広く名を知られる存在です。不昧公は自ら茶事の作法をまとめた書物を残しており、春の茶席にふさわしい菓子として挙げたのが若草です。名前は、不昧公が詠んだ和歌の一節から採られています。栂尾の山に萌える春の若草を歌った一首で、歌に詠まれた情景がお菓子の名前に用いられています。
不昧公が亡くなった後、若草の作り方は長い間わからなくなっていました。時代が移り、江戸から明治へと変わる中で、多くの茶道具や茶菓子の伝統が一度途絶えてしまいました。立ち上がったのは、彩雲堂の初代・山口善右衛門です。1874年に彩雲堂を開いた善右衛門は、明治の中頃、古老や茶人から話を聞き、古い文献を読み解きながら製法の復元に取り組みました。試行錯誤を重ねた末に、現在の彩雲堂を代表する若草が誕生しました。
松江で愛され続ける若草の魅力とは
若草の生地には、求肥と呼ばれる、餅に砂糖を加えて練り上げたものを使っています。彩雲堂では奥出雲産のもち米を用い、自社の石臼でひいた粉から求肥を仕立てているため、もちもちとした食感が生まれます。甘さは控えめで、後味はすっきりとした味わいです。
求肥の表面には、鮮やかな緑色の寒梅粉がまぶされています。寒梅粉はもち米を煎って粉にしたものを、緑色に染めて使っています。萌黄色は、芽吹いたばかりの春の草木を思わせる色合いです。ガラスケースに並ぶ姿は、ひときわ目を引きます。見た目の華やかさから、茶席の主菓子として親しまれてきました。
若草は、冠婚葬祭や季節の挨拶など、様々な場面の手土産として選ばれています。甘さが控えめで上品な味わいのため、年配の方から子どもまで幅広く喜ばれます。松江土産の定番としても知られ、出雲大社への観光の際に持ち帰る人が多いです。日持ちしやすい点も、贈り物として重宝される理由の一つです。
若草をもっと楽しむ食べ比べと味わい方
不昧公三大銘菓には、若草のほかに山川と菜種の里があります。山川は紅白一対の落雁で、赤い部分は紅葉した山を、白い部分は川の流れを表す菓子です。菜種の里は菜の花のような黄色い落雁で、春の菜の花畑を蝶が舞う様子を描いています。若草は求肥を使った生菓子のため、他の2つとは異なる食感が特徴です。
生菓子である若草は、賞味期限が短いため、早めに食べきることをおすすめします。常温で、直射日光や高温多湿を避けた涼しい場所に保存すると、風味が長持ちする和菓子です。緑茶や抹茶と合わせると、上品な甘さが引き立ちます。冷やしすぎると求肥が硬くなるため、常温でいただくと、もちもち感を楽しめます。
若草を実際に食べた人の口コミで目立つのは、上品な甘さと求肥のもちもちした食感を評価する声です。緑色の美しい見た目についても、目で楽しめると好評です。求肥に落雁のような粉をまとわせた食感は、好みが分かれるとの意見もあります。全体として、贈り物に選んで満足したという声が多いです。
若草が買える店舗・通販ガイド
彩雲堂の本店は、松江市天神町の商店街に店を構えています。松江駅から歩いて10分ほどの場所にあり、歴史を感じさせる趣のある佇まいです。1874年の創業から、松江の地で和菓子作りを続けてきました。松江市内には本店のほかに、直営店が13店舗あります。
若草は、彩雲堂の公式オンラインショップからも購入可能です。全国どこからでも注文でき、自宅にいながら松江の味を楽しめます。個数や詰め合わせの種類も選べるため、贈り物としても利用しやすいラインナップです。遠方に住む方や、なかなか松江を訪れる機会がない方にとって、便利な選択肢です。
松江駅構内にあるシャミネ松江の店舗でも購入できます。電車の乗り継ぎなど、限られた時間の中でも立ち寄りやすい場所です。出雲縁結び空港の売店でも取り扱われることがあり、旅の帰りに買い求める人もいます。また、百貨店の催事で見かけることもあります。
若草は、不昧公にゆかりのある歴史を持ち、美しい萌黄色の和菓子です。手土産や贈り物としても人気が高く、彩雲堂本店やオンラインショップから購入できます。松江を訪れた際は、ぜひ若草を味わってみてください。
ザ・ご当地検定の問題
Q.島根県の老舗菓子店「彩雲堂」が販売する不昧公三大銘菓の名前はなに?
A.若草









