滋賀県東近江市の「泥亀汁」で、亀に見立てられている食材とは?

滋賀県の東近江市には、泥亀汁と呼ばれる郷土料理があります。名前だけ聞くと亀の入った味噌汁のようなイメージですが、亀は入っていません。では、泥亀汁とはいったいどのような食べ物なのでしょう。今回は、泥亀汁について詳しくご説明しましょう。

泥亀汁とは

泥亀汁は、もともと近江商人が夏バテ予防のために食していた料理です。材料はナス、ゴマ、味噌とシンプルで、汁物なので食欲がなくてもスルスルかき込めることから夏バテに最適なメニューです。ナスには体の熱を逃がすカリウムが多く含まれているうえ、ゴマには良質のたんぱく質や健康を促進するゴマリグナンが含まれており、栄養面からみても優れています。江戸時代に作られるようになった郷土料理ですが、栄養素に関する科学的な知識がなくても、昔の人は夏バテに良いものをちゃんとわかっていたのでしょう。

気になる泥亀汁という名前ですが、材料であるナスを亀、汁を泥に見立ててつけられました。泥亀汁に入っているナスは味がしみ込むように格子型に切れ目が入っていますが、それが亀の甲羅のように見えたからです。そして、ゴマをすって味噌と一緒に溶かした味噌汁は、泥のように見えます。泥の中から亀の甲羅が姿を現しているような見た目から、泥亀汁と呼ばれるようになりました。

泥亀汁のレシピ

泥亀汁は東近江市の郷土料理のお店で食べることもできますが、シンプルな材料なので自宅でも簡単に作ることができます。材料はナス中2本、すりごま大さじ3、味噌適量です。まずナス2本は縦半分に切り、皮に格子状の切れ目を入れ、水にさらしてアクを抜きます。次に、水500シーシーにごまと味噌を入れて溶かし、水にさらしておいたナスを入れて煮込んだら完成です。
ナスは生のまま入れるだけでなく、油で炒めたり素揚げにしたりと、家庭によってレシピは異なります。また、温かいままはもちろん、冷やして食べることもあります。すりごまの入った味噌汁なので見た目はドロッとしていますが、味はあっさりしているので食べやすいのが特徴です。

泥亀汁は世代から世代へ受け継がれている味ですが、近年は家庭料理として作ることは少なくなってきています。近江商人の町として知られる五個荘では、イベントの一環として泥亀汁が提供されることもあるようです。

滋賀県東近江市の観光スポット

泥亀汁の発祥の地である滋賀県東近江市には、五個荘や太郎坊宮、百済寺などの観光スポットがあります。
五個荘は近江商人が活躍した江戸から昭和にかけての街並みが楽しめるエリアで、ドラマのロケ地としても使用されています。泥亀汁が食されていた地域でもあり、近江商人の邸宅などを見て彼らが活躍した時代を偲ぶことができるでしょう。タイムスリップしたような、ノスタルジックな気分に浸れるスポットです。

太郎坊宮はかつて修験者の修業が行われていた場所で、太郎坊とは天狗の名前から付けられています。昔から天狗が住む山と言われており、本殿に行くには740段の階段を上らねばなりません。休憩しながらだと1時間以上、早い人でも30分はかかるとされています。巨岩や奇岩、遺跡など見どころもたくさんあり、東近江市指定の天然記念物である夫婦岩は、パワースポットとしても注目されています。
百済寺は美しい庭園を擁し、かつて「地上の天国」とも呼ばれる場所でした。その姿は現在でも偲ぶことができ、特に紅葉の季節は素晴らしい景色に目を見張ります。聖徳太子の時代に創建され、長い歴史を持つ由緒正しいお寺です。歴史好きの人におすすめの観光スポットです。

泥亀汁で夏バテを解消

泥亀汁は、体力勝負であった近江商人が夏バテ予防のために食べていた栄養価の高い味噌汁です。夏になると40度を超えるなど猛暑が続くこともありますが、食欲がない時は泥亀汁を飲んで乗り切りましょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 滋賀県東近江市で食べられる味噌汁「泥亀汁」で、亀に見立てられている食材は?

A.ナス

Q. 滋賀県東近江市のパワースポット「太郎坊宮」。「太郎坊」は何の名前?

A.天狗