温泉が多数ある大分県で目にすることが多い、温泉から噴出する蒸気熱を利用した加熱調理装置は?

源泉数・湧出量ともに日本一を誇る温泉の町・別府市。別府八湯の中でも最も多くの源泉が集中するのが「鉄輪(かんなわ)温泉」で、至るところで湯けむりが立ち上がっています。この温泉の蒸気を利用したご当地グルメ、観光客にも人気なんですよ。

温泉のパワーを食材に詰め込む

温泉噴気の「地獄釜」で調理する「地獄蒸し」は、温泉の噴気を利用し、野菜や魚などの食材を一気に蒸し上げる、温泉地ならではの料理法です。これで蒸しあげられた食材は素材のおいしさや栄養がぎゅっと閉じ込められ、温泉成分の効果も加わります。摂氏98度にもなる、100%地熱エネルギーの温泉噴気を利用した、江戸期頃から用いられていた伝統の調理なのです。

鉄輪温泉は別府八湯でも温泉の源泉温度の高く、多くの湯治客がおり湯治宿では「地獄蒸し」でほうれん草やイモなどが調理されていましたが、やがて魚介類や肉類など多彩な素材が提供されるようになったようです。

どこでできる?「地獄蒸し」

地獄蒸しは自炊しながら湯治をする「貸間」と呼ばれる、リーズナブルな宿泊施設にて楽しむこともできますが、最近ではホテルや旅館などで豪華な「地獄蒸し会席」などもあります。また、別府市営の「地獄蒸し工房鉄輪」や「里の駅かんなわ」でも手軽に地獄蒸し料理を楽しめ、こちらは多くの観光客で賑わっています。

「地獄蒸し工房 鉄輪」で地獄蒸しを体験!

地獄蒸しが体験できる「地獄蒸し工房 鉄輪」は鉄輪温泉の中心にあります。食材のセットやザルなど調理器具一式も用意されているので、手ぶらで訪れても大丈夫。まずは自動販売機で好みの食材を選び、購入しましょう。野菜やお肉、海鮮に卵やご飯ものまで、数多くのメニューがあり迷ってしまいます。ちなみに、別途料金はかかりますが食材の持ち込みもOKです。食材が決まったら、食券をカウンターに渡し、食材が入ったステンレスのザルを受け取ります。

窯のあるエリアへ移動して、いよいよ地獄蒸し体験です。地獄釜からはもくもくと温泉の蒸気が溢れて真っ白。蒸気は100度にもなりますが、スタッフさんが付いていてくれるので安心です。釜のフタを取り、ザルをそのまま中に入れます。蒸しあがった食材は野菜や卵の黄身は色が濃くなり、香うまみが凝縮されいるので、そのまま食べてもとってもおいしい。塩分を含んでいる超高温の蒸気で一気に蒸されるので、食材本来のうまみが閉じ込められ、また素材の余分な油を落とすので、おいしい上にヘルシーなのです。なので、こちらの「地獄蒸し工房 鉄輪」は、地獄蒸し釜の回数券を購入し、自宅から素材を持ち込んで夕飯の一品を作る近所の主婦の姿も。また周辺は、情緒ある古い町並みが続いており、のんびり散策の合間のランチにぴったりですね。

8つの湯が楽しめる「ひょうたん温泉」

鉄輪温泉に訪れたなら、やはり温泉は満喫したいですよね。大正11(1922)年の大正時代から続く老舗の湯「ひょうたん温泉」は、ミシュラン観光ブックで日本で唯一、4回連続三つ星を獲得している温泉です。毎分500リットルも湧き出る豊富な湯を利用し、「砂湯」「瀧湯」「露天風呂」「蒸し湯」「歩行湯」「岩風呂」「桧風呂」と様々なお風呂があるのです。通常のお湯につかる温泉や「蒸し湯」と呼ばれるサウナだけでなく、温泉蒸気で温めた砂をかぶる「砂湯」も楽しめます。

そして、こちらも温泉蒸気を利用した地獄釜があり、食堂で購入した卵を使っての地獄蒸し体験もできます。お食事処「湯らり」ではこの地獄釜を使ったグルメを湯上り後に味わえますよ。温泉水で作ったゼリーと濃厚なバニラソフトをミックスした「湯楽ゆらソフト」は、ここだけでしか食べられないので、ぜひチェックしてみましょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 温泉が多数ある大分県で目にすることが多い、温泉から噴出する蒸気熱を利用した加熱調理装置は?

A. 地獄釜