有名な麦焼酎の銘柄「いいちこ」を生産している酒造メーカーがあるのは?

飲みやすさとその親しみやすい名前で、多くの人に愛される麦焼酎「いいちこ」ですが、この焼酎を手掛ける酒造メーカーがある都道府県をご存じでしょうか?

麦焼酎「いいちこ」を生んだ、大分県の酒造メーカー!

三和酒類株式会社は、1958年9月5日に設立された総合醸造企業です。本社は大分県宇佐市に位置し、「品質第一」を基本理念として掲げています。創業以来、原料や水の厳選、そして伝統的な製法を大切にしながらも、常に品質の向上を追求し酒造りに取り組んできました。

同社の歴史は日本酒造りから始まりましたが、その後、事業を多角化し、現在では麦焼酎「いいちこ」をはじめ、清酒、ワイン、ブランデー、リキュール、スピリッツなど、幅広い種類のアルコール飲料を製造しています。

また、三和酒類は時代のニーズに合わせた商品開発も行ってきました。例えば、1960年代には宇佐市安心院町(あじむまち)で本格的にぶどう栽培が始まったのを受け、1971年8月に果実酒製造免許取得を取得し、果実酒「アジムワイン」を発売、ワイン市場への参入を果たしています。

「いいちこ」の人気の秘密と、名前の由来

「いいちこ」が誕生したのは1979年。当時、焼酎は「下町の酒」として親しまれる一方で、全国的な認知度は低い状況でした。そこで同社は、焼酎のイメージを一新するため「飲みやすさ」を徹底的に追求し、従来の麦焼酎にありがちな強い香りや濁りを抑え、フルーティーな香りとまろやかな味わいで、焼酎初心者でも抵抗なく楽しめる、新しい麦焼酎の開発に成功しました。

原料には厳選された大麦と大麦麹を使用。仕込み水には地元を流れる天然水を採用し、原料へのこだわりと、丁寧な製法が、「いいちこ」の人気を支えています。

品質管理にも徹底的にこだわり、一貫した品質の維持に努めています。また、環境への配慮も忘れず、製造過程で出る廃棄物の削減やリサイクルにも注力しています。

この新商品の名称を決めるにあたり、三和酒類は一般公募を実施した結果、選ばれたのが「いいちこ」という名前でした。「いいちこ」は大分県の方言で「いいですよ」という意味で、この名前には、地元に愛される焼酎になってほしいという願いが込められています。

その後、1980年代前半に起こった第二次焼酎ブームをけん引する存在となり、全国的に知名度を獲得していきました。

「いいちこ」のラインナップ

「いいちこ」ブランドには、スタンダードな商品から高級品まで、幅広いラインナップがあります。

  • いいちこ25度:「下町のナポレオン」の愛称で親しまれる定番商品です。フルーティーな香りとまろやかな味わいが特徴で、水割りやお湯割り、炭酸割りなど様々な飲み方で楽しめます。
  • いいちこシルエット:アルコール度数20度のまろやかな口当たりが特徴の商品です。
  • いいちこスペシャル:プレミアムラインの商品で、より洗練された味わいを楽しめます。
  • いいちこ日田全麹:日田市の天然水と大分県産の二条大麦を使用した、こだわりの商品です。

これらの商品は、それぞれ異なる特徴を持ち、消費者の好みや飲用シーンに合わせて選べるようになっています。

      「いいちこ」の故郷と役割

      「いいちこ」の故郷である大分県は、温泉地としても有名ですが、「関アジ」「関サバ」といった新鮮な海の幸でも知られ、これらの郷土料理と「いいちこ」を合わせて楽しむことで、大分の食文化をより深く味わうことができます。

      「いいちこ」を通じて大分県に興味を持ち、実際に訪れる人も少なくありません。「いいちこ」は単なる焼酎ブランドを超えて、大分県の魅力を全国に発信する役割も果たしているのです。

      三和酒類の技術と大分県の自然が生み出した、「いいちこ」。その飲みやすさと品質の高さで、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

      ザ・ご当地検定の問題

      Q.有名な麦焼酎の銘柄「いいちこ」を生産している酒造メーカーがあるのは?

      A.大分