お好み焼きの元祖となった京都祇園の名物とは?

京都府の観光スポットとして知られる祇園には、京風お好み焼きを食べられるお店があります。メニューとお店の名前が同一となっている、この京都名物について詳しくご紹介しましょう。

お好み焼きの元祖となった祇園の名物

その名物の名は「 壹銭洋食 (いっせんようしょく)」といいます。もともと壹銭洋食は、大正から昭和にかけて駄菓子屋で売られていたおやつです。生地の上にネギをのせて焼き、ソースをつけて1銭で売られていました。お好み焼きの元祖ともいえる食べ物で、ソースをつければ何でも洋食とみなされていたため、一銭で買える洋食として壹銭洋食と呼ばれていました。
京都府の名物である壹銭洋食は、時代と共に姿を消していく壹銭洋食を復活させたいと、初代社長が具材を豪華にしてリメイクしたものです。ネギだけでなく、京都名物の九条ネギ、和牛、ちくわ、味付けコンニャク、卵などを入れ、より美味しく仕上げました。

ソースは中に辛いソースを塗り、外に甘いソースをつけて食べるのが普通味で、中と外のソースの両方を辛くする辛辛味、中のソースも外のソースも甘くする甘甘味と3種類のバリエーションがあります。パリパリの皮にジューシーな具が詰まっており、食べ応えのあるボリューミーな一品です。また、祇園という土地柄、舞妓さんが食べに来ることも多く、海苔が歯につかないようにとの配慮から、青のりではなく刻み海苔が使用されています。

壹銭洋食の店舗

壹銭洋食の店舗は、非常にユニークなことでも知られています。飲み物のメニューはラムネやグリーンティー、ビールなど数種類用意されているものの、食事のメニューは壹銭洋食のみです。ユニークなのはそれだけでなく、お店の中はレトロなおもちゃ箱をひっくり返したようなノスタルジックかつカオスな空間となっています。
まず、一番に目を引くのは店先に置かれているマスコットキャラクターの壹錢喰太郎です。犬にズボンを噛まれながらも壹銭洋食を取られないように逃げている姿で、お尻が丸出しになった構図です。京都の景観を乱すと咎められそうですが、取り去られることもなくお店の看板息子として人気を集めています。

また、壹銭洋食の店内のテーブルのいくつかには、着物を着た京美人のマネキンが鎮座しています。それぞれのマネキンには名前も付いており、胸の名札を見て確認できるでしょう。マネキンの席は人気が高く、一緒に写真を撮ってSNSにあげる人も多いようです。
そして、壁にはぎっしりと絵馬が飾られ、その内容は祇園という花街を意識したウィットに富んだものとなっています。そのほかにもジオラマや足の裏をかいてあげるとご利益があるというビリケンさん、千両箱を抱えた福の神など、見ているだけで楽しくなるものがたくさん置かれています。

これらは、壹銭洋食が焼きあがるまでの間にお客さんが退屈しないようにとのお店側の心遣いで、どんどんと装飾品が増えていったとのことです。地元の人はもちろん、県外や外国からの観光客も多く訪れ、お店自体が観光スポットのようになっています。

壹銭洋食周辺の観光スポット

壹銭洋食のある祇園は、京都の中でも最も京都情緒を残す町並みが続いています。また、祇園のランドマークともいえる八坂神社もあり、壹銭洋食を食べたてから参拝するのも良いでしょう。祭神は須佐之男命ですが、美の神様として知られる宗像三女神も祀られており、社の前に湧き出している美容水を肌につけると美人になれるとされています。多くの女性がご利益を求めて訪れ、八坂神社の中でも特に人気の高い観光スポットとなっています。

美味しいだけでなく店舗も楽しい壹銭洋食

壹銭洋食は美味しいだけでなく、店舗の面白さも人気の秘密となっています。京都のデパートや滋賀県のアウトレット、通販などでも購入することができますが、京都に行くなら是非とも本店で食べてみることをおすすめします。

ザ・ご当地検定の問題

Q. お好み焼きの元祖となった京都名物「壹銭○○」。○○に入るのは?

A.洋食

Q. 「須佐之男命」が祭神の、京都の祇園にある神社は?

A.八坂神社