熊本県の芦北・水俣地方には、昔から伝わる大根で作られた漬物があります。ごはんの友にぴったりなこのお漬物をご紹介します。
古くから伝わる伝統の味
寒漬(かんづけ)は熊本県の水俣・芦北地方に昔から伝わる、大根の漬物のことをいいます。寒漬を作るにはまず冷え込んだ冬の寒い時季に、収穫した生の大根を2週間ほど風にさらします。水分が抜けてシワシワになった大根を塩漬けにして、木づちで叩いて平たく伸ばし、再び寒風にさらして今度は1~2カ月ほどで完全に乾燥させます。
大根を寒風にさらす際はこの地域に豊富に生えている竹を使って竹串を作り、大根の首に1本ずつ紐を通して、竿などに吊るします。竹による殺菌作用や防腐効果を活用した、昔ながらの生活の知恵が活かされているのです。こうして干し上がった大根を細かくきざんで、しょうゆやみりんなどを合わせて作った漬け汁に漬け込みます。大根に味が十分にしみ込んだら、寒漬の出来上がりです。12月から1月の厳冬の頃に漬けられることから「寒漬」と名付けられたといわれています。
家でも作られる家庭の味
寒漬は家でも作られており、漬け汁のしょうゆやみりんなど家庭ごとに配合が違うため、それぞれの家庭の味があります。ショウガや昆布、酒、柚子こしょう、唐辛子などで独自の味付けをするなど、色々な味で楽しまれ食卓に添えられてきました。ホカホカご飯にも合うのはもちろん、お茶うけにしてもおいしくいただけます。
海の温泉地・湯の児温泉でのんびり
湯の児(ゆのこ)温泉は水俣市の北部に位置し、「九州の地中海」と呼ばれる不知火海(しらぬいかい)が目の前に広がる、のんびりとした開放的な温泉地です。晴れた日には海を挟んで天草諸島、さらに向こうに雲仙岳の雄姿を望むこともできます。特にオススメなのが3月下旬~4月上旬の桜のシーズン。「湯の児チェリーライン」は「日本のさくら名所百選」に指定されている水俣市のチェリーラインの一角にある湯の児海岸道路の桜並木です。温泉街近くの不知火海の海岸沿い約5kmに一斉に開花した桜のトンネルができ、桜色と紺碧の海の色とが織り成すコントラストはまさしく絶景です。また、海を見渡す眺望のよい露天風呂がある宿泊施設が多く、中には「日本夕日百選」に選ばれた宿もあって、夕日を眺めながら温泉に浸かるという、何ともぜいたくな時間が過ごせます。
1日楽しめるエコパーク水俣
水俣市は環境に対する意識の高さ、そして取り組みが全国的にも知られている市です。58ヘクタールという広大な埋立地に広がる「エコパーク水俣」は道の駅やバラ園、野球場、陸上競技場のほか、こどもの広場、レストランなど整備されているので、遊具で遊んだり、スポーツを楽しんだり、散策したりとファミリーで1日遊ぶことができます。
エコパーク水俣の入口に位置するバラ園はつるバラのトンネル、300mも続くバラの壁やレイズドベッドなど、バラの美しさはもちろんその芳醇な香りも心ゆくまで楽しめます。バラの道、バラの回廊、イングリッシュローズエリア、バラのプールなどフォトスポットもたくさん。350品種のオールドローズコレクションをはじめとした、800種5,000株のバラが咲き誇る姿は圧巻です。高齢者や障がい者の方々にやさしいユニバーサルデザインを取り入れた公園で、どなたでも安心して利用でき、各種イベントも開催しています。
スポーツや観光が一息ついたら、食事やお土産さがしには「道の駅みなまた」でどうぞ。バラを使ったお菓子やバラのソフトクリームが人気です。また水俣の物産販売の拠点となっており、水俣の特産品などが揃っています。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 熊本県の芦北・水俣地方の特産品として古くから知られる、大根の漬物は?
A. 寒漬