福岡県北九州市発祥の麺料理。和風だしにちゃんぽんの麺を使った料理とは?

福岡県北九州市発祥の、全国的にも有名なご当地グルメをご紹介します。一度は北九州市を訪れて味わってみたいと思っていても、なかなか行く機会がない人も多いでしょう。北九州市は九州の最北端にあって、関門海峡のイメージも強い場所です。大陸に近く、古い歴史がありレトロな雰囲気といったことでも興味をそそられます。ここでは、福岡県北九州市のご当地グルメの歴史やおすすめのお店、レシピ、北九州市の概要や観光スポットなどについて紹介します。

清美食堂が発祥の地!

「ちゃんらー」は、福岡県北九州市門司区にあった「清美食堂」発祥の麺料理です。清美食堂は、喜劇役者の芋洗坂係長の母親・小浦清美さんの経営で、1961年に北九州市門司区清見で開店しました。清美食堂は、カウンター席が10席ほどの小さな店だったということです。ちゃんらーは、小浦さんと常連客の女子中学生によって創られました。この中学生は長崎から引っ越してきて清美食堂の常連になりましたが「ちゃんぽんを食べたいがお小遣いが足りない」と小浦さんに相談したそうです。それを聞き小浦さんは、イリコをベースにした和風出汁にちゃんぽん麺と、野菜炒めに使うモヤシとキャベツを入れた麺料理を作りました。これが、ちゃんらーの始まりだったのです。

清美食堂は、1998年に客足の減少や小浦さんが高齢になったこともあり閉店しました。その後、芋洗坂係長と姉の安部範子さんは「母の味と食堂の名前を残したい」と考え、2014年に門司区の門司港レトロ地区に「二代目清美食堂」をオープンします。二代目清美食堂の看板メニューはちゃんらーで「母ちゃんのカレーライス」などのメニューもあります。二代目清美食堂のちゃんらーは、先代のレシピをそのまま引き継ぎ、具材として新たに豚肉を追加しました。「なるべくお客さんに安く提供したい」という小浦さんの思いを引き継ぎ、ちゃんらー450円、カレーライス550円というリーズナブルな価格です。2019年現在も、ちゃんらーは「焼きカレー」などとともに、門司港レトロ地区のグルメになっています。

ちゃんらーを食べることができるお店!

「二代目清美食堂」は、出光美術館駅から徒歩で約5分のところにあります。ちゃんらーの出汁は、あっさりした優しい味が特徴です。ちゃんぽん麺は国産小麦100%で、ツルツルとしたのど越しになっています。メニューも豊富で、ちゃんらー大盛650円、ちゃんカレー(ちゃんらー+カレー)750円、焼きちゃんらー550円、冷やしちゃんらー550円です。「たまやうどん」は、出光美術館駅から徒歩で約6分のところにあります。肉うどんの老舗店ですが、ちゃんらーも食べることができます。牛肉を使った出汁で色は濃い目、甘みがあり、ちゃんぽん麺は太めで柔らかいのが特徴です。具材は、野菜、かまぼこ、ちくわ、豚の小間切れで400円と低価格になっています。

「ちゃんらー亭」は、門司港レトロハウスの中にある席数5席のお店です。ちゃんらーの出汁は、魚介類と鶏ガラから取っています。具材は、わかめ、ねぎ、モヤシ、かまぼこ、ごまで、価格は400円です。「居酒屋楓や」は、出光美術館駅から徒歩で約6分のところにあります。カウンター6席ほどのお店で、地元の常連客が多いのが特徴です。ちゃんらーの出汁は、昆布とかつおから取っています。具材は、モヤシ、白ねぎ、万能ねぎ、豚肉、白ごまです。「梅月」は、九州鉄道記念駅から徒歩で約5分のところにあります。焼きそばの老舗店ですが、ちゃんらーの一種である「すーちゃん」もメニューのひとつです。すーちゃんの出汁は、昆布、イリコ、かつおから取っています。具材は、キャベツ、モヤシ、ねぎ、かまぼこ、天かすで、価格は380円です。

家庭で作れるちゃんらーのレシピ!

ちゃんらーの材料は、モヤシ、ちゃんぽん麺、牛脂、ごま油、万能ねぎ、ごま、水、めんつゆです。まず、鍋に水とめんつゆを入れて、お好みの味にして温めます。次に、フライパンに牛脂とごま油を入れ、牛脂が溶けてからモヤシとちゃんぽん麺を入れて炒めましょう。全体に油を馴染ませたら、水とめんつゆで作った汁を入れて沸騰させます。丼に沸騰させたものを移し、万能ねぎとごまをトッピングして完成です。このレシピは、あくまでちゃんらーの作り方のひとつです。ちゃんらーは、お店によっても出汁の取り方や具材が違います。家庭でいろいろ試してみるのも楽しいでしょう。

福岡県北九州市ってどんな街?

福岡県北九州市は九州の最北端に位置し、関門海峡を隔てた対岸は本州の山口県下関市で、九州の玄関口ともいわれています。九州では国道や鉄道の起点となっており、物流の面でも重要拠点です。面積は約488平方キロメートルで、東西34キロメートル、南北33キロメートルになっています。市の東部は企救山系で、中央部からは南には福智山系が走っており、北部と南部は海に面した平地です。

2019年4月1日現在の北九州市の推計人口は93万9276人で、世帯数は42万9444世帯になっています。門司区、小倉北区、小倉南区、若松区、八幡東区、八幡西区、戸畑区の7つの区があります。東部は瀬戸内海の周防灘、北部は日本海の響灘に面しているため、瀬戸内海気候と日本海気候が混在したような気候です。年間の平均気温は16.2℃程度、降水量は1730mm程度です。夏場は九州地方の中では猛暑日が比較的少なく、過ごしやすいと言えるでしょう。冬場は日本海からの季節風の影響で曇りの日が多く、日照時間が短くなります。

北九州市は1963年に、門司市、小倉市、若松市、八幡市、戸畑市の5つの市が対等合併して発足しました。1973年11月には、関門橋が開通しています。2006年3月には、新北九州空港が開港しました。2015年7月には「明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が世界文化遺産に登録されています。2016年4月には、北九州市と宮崎市を結ぶ東九州自動車道が全線開通しました。2016年12月には「戸畑祇園大山笠行事」がユネスコ無形文化遺産に登録されています。2017年2月には、ミクニワールドスタジアム北九州(北九州スタジアム)がオープンしました。2018年4月には、OECDが「SDGs推進に向けた世界モデル都市」に北九州市を選定しています。

北九州市は、幅広い世代が住みやすい街としても有名です。子育て支援、シニアライフ支援、医療支援、物価の安さなどの面が充実しており、さまざまなランキングでも高い評価を得ています。「第13回次世代育成環境ランキング(NPO法人エガリテ大手前が実施)」では、7年連続で政令指定都市第1位になりました。「2018年版住みたい田舎ベストランキング(人口10万人以上の大きなまち)」では、総合部門、シニア世代部門で第1位です。総務省の2017年平均消費者物価地域差指数によると、全国の都市別では第5位、政令指定都市では第1位と物価の安い都市になっています。

北九州市には、多くの観光スポットがあります。そのなかでも、おすすめのスポットは「皿倉山」「門司港レトロ」「北九州市立響灘緑地グリーンパーク」「北九州市立いのちのたび博物館」「小倉城」「旦過市場」「九州鉄道記念館」「平尾台」「北九州市立美術館」「関門海峡(早鞆ノ瀬戸)」などです。

北九州市のアクセスはJRの新幹線・特急を利用した場合、博多駅まで約15分、東京駅まで約4時間30分、名古屋駅まで約3時間10分、新大阪駅まで約2時間10分、広島駅まで約50分になっています。北九州空港を利用した場合、羽田空港まで約90分、小牧空港まで約75分です。フェリーを利用する場合は、新門司港から東京港まで約34時間、神戸六甲アイランドまで約12時間30分、大阪南港まで約12時間40分になっています。

北九州市出身の有名人は俳優・女優では、板谷由夏、伊原剛志、草刈正雄、つるの剛士、中尾ミエなどがいます。ミュージシャンでは175R、山本リンダ、スポーツ選手では体操の内村航平が有名です。

ちゃんらーは手軽に家庭でも味わえる!

福岡県北九州市門司区のちゃんらーは、とてもリーズナブルな価格で提供されています。北九州市を訪れる機会があったら、観光も兼ねながらぜひ門司港レトロ地区のちゃんらーを味わってみることをおすすめします。お店によって出汁の取り方や具材が違うので、食べ比べてみるのも楽しいでしょう。ちゃんらーのレシピはとてもシンプルなので、家庭でも手軽に作ることができます。出汁や具材を工夫すれば、さまざまな味を堪能することもできるでしょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 福岡県北九州市発祥の麺料理。和風だしにちゃんぽんの麺を使ったその料理の名前は?

A.ちゃんらー

Q. 次のうち、北九州市の観光地ではないのは?

A. 太宰府天満宮

Q. 北九州市のご当地グルメ「ちゃんらー」発祥の店は?

A. 清美食堂