愛知県瀬戸市「瀬戸焼きそば」の、4つの必須条件を知ってる?

瀬戸焼きそば
瀬戸焼きそば

瀬戸物で知られる愛知県瀬戸市には、「瀬戸焼きそば」というご当地焼きそばがあります。一見普通のソース焼きそばと変わりませんが、一口食べるとその味の違いにびっくり。一体どんな焼きそばなのか詳しくご紹介しましょう。

見た目はソース焼きそばに似ているのに食べてみると醤油味!?

愛知県瀬戸市で町おこしに一役買っているご当地グルメ「瀬戸焼きそば」は、醤油味がベースのとても個性的な焼きそばです。
焼きそばに醤油、というと意外に思われるかもしれませんが、実はただの醤油ダレではありません。醤油ベースのタレに焼きそばの具に使用する豚肉のゆで汁を加えた甘辛いタレなのです。豚肉の風味も溶け込んでいるため、さっぱりしていながらコクもあって、クセになるおいしさです。

「瀬戸焼きそば」には定められた4つの必須条件があります。
・麺は蒸し麺
・具はキャベツと豚肉
・味付けは醤油ベース
・瀬戸物の器で提供(テイクアウトを除く)

瀬戸焼きそばに使用する蒸し麺は、黄色っぽい普通の焼きそば麺に比べて茶色いのが特徴です。これは麺に含まれる「かん水」が焦げるまでしっかりと蒸しているため。この色がぱっと見ではソース焼きそばにはとても似ているのですが、味は全く違います。蒸すことで水分の吸収が良くなり、タレの味がしっかりとなじみます。

瀬戸物職人を癒した素朴な味はやがて市民のソウルフードに

瀬戸焼きそばの発祥は昭和30年代にさかのぼります。瀬戸市名産の瀬戸焼は古くから茶器や日常の食器などとして全国に流通していましたが、それだけに瀬戸焼に携わる職人さんたちはとても忙しく、休みもめったに取れない状況でした。特に高度成長期に差し掛かる昭和30年代は陶磁器産業の隆盛が最高潮に達し、忙しさのピークだったのです。

そんな時代に職人さんたちの間で人気となったのが、深川神社の参道で売られていた甘辛い醤油ダレの焼きそばです。手軽でさっぱりして食べやすく、仕事で疲れた体に塩分補給もできるとして盛んに食されるようになりました。
やがて市民の間にもこのおいしさが広がり、以来現在まで長く食べ続けられています。そして観光客の間でも徐々にご当地グルメとして知られるようになったころ、本格的に町おこしに役立てようという動きが起こりました。

2011年には地元有志により瀬戸焼きそばを全国に広めることを目的とした団体が発足、瀬戸焼とのコラボも含めた瀬戸焼きそばの定義を策定し、ブランド化を強力に推し進めています。数々のB級グルメイベントにも出品されており、今や最も勢いのあるご当地B級グルメのひとつといえるでしょう。

名古屋からのアクセスも抜群・駅前商店街で手軽に味わえるのが魅力

瀬戸焼きそばは出来立ての熱々はもちろんのこと、冷めてもおいしいのが特徴です。そのためイートインでもテイクアウトでもおいしく食べられます。
現在は瀬戸市内はもちろん名古屋駅周辺でも瀬戸焼きそばを提供するお店が出現していますが、やはり一度は本場で食べてみたいもの。名古屋から最短45分ほどで行けるので、気軽に訪れることができます。

瀬戸焼きそばを提供するお店が多く集まっているのは、尾張瀬戸駅の周辺です。お店によって目玉焼きを乗せたり洋食風に隠し味を加えたり、中にはご飯やみそ汁とセットにして定食にしたりと変化をつけているところもあるので、好みのお店を探してみると良いでしょう。
テイクアウトで気軽に楽しむのも良いですが、やはりここは瀬戸物の器と合わせて楽しみたいところ。近くの商店街には瀬戸物を購入できるお店もありますから、食後にゆっくり見て歩くのも良さそうです。高級品ばかりでなく日常的に気軽に使えるものも手に入るので、お土産にぴったりです。

瀬戸焼きそばを味わい瀬戸物の器を堪能・瀬戸市でのんびり過ごす休日もまた格別

長く市民のソウルフードとして親しまれてきた瀬戸焼きそば。その魅力は庶民的で素朴な味わいにあります。瀬戸物の職人たちも愛した焼きそばを食べ、瀬戸物をじっくり見て歩く、そんな休日を過ごしに瀬戸市を訪れてみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 愛知県瀬戸市の「瀬戸焼きそば」の必須条件といえば?

A. 瀬戸物の器を使用