愛知県の喫茶店でよく提供される「小倉トースト」とは、トーストの上に何を乗せたもの?

愛知県の喫茶店はモーニングサービスなど他の地域にはないサービスやメニューがたくさんあることで知られています。この中でも珍しいのは小倉トーストと呼ばれる食べ物。いったいどのような食べ物なのか紹介したいと思います。

そもそも小倉トーストとは

小倉トーストとはトーストにバターを塗ってその上にあんこを乗せたものです。ただそれだけかと思われるかもしれませんが、愛知県民にとっては作り方の簡単さと意外とコーヒーにも合うことから自宅とお店関わらず、朝食やおやつまで幅広い時間帯で食べられるなじみの深い名古屋めしの一つです。むしろあまりに名古屋市民から親しまれている食べ物であるために、名古屋市外に転居した名古屋市民がその地域で小倉トーストを食べる文化がないことに驚くほどです。

基本的な作り方は上に書いた通りですが、喫茶店の文化が根付いており競争が激しい愛知県では様々な小倉トーストが提供されています。例えばサンドイッチの要領であんこをパンで挟んだり、あらかじめあんこをパンで挟んで揚げパンにするなど様々な小倉トーストの亜種が存在しています。そしてついには地元企業が小倉トーストをヒントにしてロングセラーとなるお菓子を開発するなどその影響力は名古屋めしの領域を超えて広がっています。

喫茶店とともに発展した小倉トースト

名古屋めしの多くは喫茶店のメニューから始まったものがいくつかありますが、小倉トーストもその中の一つに入っています。小倉トーストが誕生したのは大正10年ごろ、名古屋市の繁華街で中心地の栄地区にあった「満つ葉」という喫茶店でした。この当時ハイカラブームと呼ばれる西洋風の文化が流行していたことから、「満つ葉」の店主がバタートーストをお店で提供したところ、喫茶店の客で会った学生たちがバタートーストをぜんざいにつけて食べる光景が多く発生していました。それを見た店主は「だったら最初からトーストの上にあんこを乗せればおいしいのではないか」とひらめき、小倉トーストを考案し、販売しました。その小倉トーストが人気を呼び、やがて愛知県各地の喫茶店にメニューとして出されるようになったのです。

さらに、小倉トーストの名前を全国区にしたのはテレビ番組の影響も大きく存在しています。ただし、そのテレビ番組は北海道のテレビ局で放送されていた人気番組「水曜どうでしょう」でした。なぜ、愛知県にはないテレビ番組で小倉トーストが取り上げられていたのかというと、番組のディレクターの両親が名古屋市で喫茶店を開いていたためです。そこで小倉トーストが紹介されたことがきっかけで小倉トーストが全国的に知られるようになりました。

小倉トーストが食べられる場所

小倉トーストは愛知県民にとってなくてはならない必須の場所であり、食べられる場所も非常に多岐にわたっています。例えば愛知県内の喫茶店に入れば必ずと言っていいほどメニューに小倉トーストの名前は載っていますし、自宅でトーストを焼いて缶詰のあんこを乗せれば誰でも簡単に小倉トーストを作ることができます。

そのため、実は別に名古屋に行かなくても材料さえそろっていれば小倉トーストはどんな場所でも食べることはできます。しかし喫茶店で提供されている小倉トーストはどのお店も様々な工夫がされており、わざわざ喫茶店で小倉トーストを食べる愛知県民も多くいます。また、愛知県に観光に来ている人には朝食からおやつまで時間を選ばず食することができ、提供されるまで比較的待たされない小倉トーストは非常に人気があります。

観光の途中で小倉トーストを食べてみよう

小倉トーストは愛知県内のほとんどの喫茶店で提供されている愛知県民食といえる食べ物です。観光途中の休憩時のおやつとして、旅行中の手軽な朝食として、ぜひ愛知県で小倉トーストを食べてみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 愛知県の喫茶店でよく提供される「小倉トースト」とは、トーストの上に何を乗せたもの?

A.あんこ