年に数頭しか出回らないため「幻の牛」と呼ばれる、山口県の日本在来牛は?

ブランド牛といえば、皆さんどんな品種を思い浮かべるでしょうか?日本には「三大和牛」と呼ばれる肉牛のブランドがあります。それは滋賀県の「近江牛」兵庫県の「神戸牛」三重県の「松阪牛」。

松阪牛が約100年、神戸牛が約130年、そして近江牛にいたってはなんと400年以上の歴史を持っているのだとか。大変有名ですので、耳にしたことがある方も多いと思います。

それではみなさん、山口県の「幻の牛」はご存知でしょうか?

年に2~3頭しか出回らない牛

見島牛-日本の肉用牛の祖先-肉用牛豆知識-一般社団法人 全国肉用牛振興基金協会ウェブサイト

見島牛は、山口県萩市見島で飼育されてきた、日本在来牛です。西洋種の影響を受けていない日本の在来牛はこの見島牛と口之島牛の2種類しか残っておらず昭和初めには国の天然記念物に指定されている大変希少な牛です。天然記念物なのに食べていいの?という疑問もあるかと思います。見島牛の天然記念物の定義は産地の指定となっていて、島外に出されたものはこの指定から外れるのだとか。ただし出荷される数も制限されています。

体高は雄牛で130センチメートル前後。雌牛では110センチちょっと小さな体格ですが、肉質は最高で大変きめ細やかな霜降り肉ということです。

見島はどこにある?

アクセス | 見島観光協会

三島は山口県萩市にあります。陸地からおよそ45km離れた日本海に浮かぶ島で、周囲は約18kmと小さな島です。約1,000年の歴史を持ち、現在もおよそ1,000人の人が暮らしています。1日2-3往復ある定期船で本島から片道約70分で上陸することができます。

日本では牛は稲作や農耕で田畑を耕したり荷物の運搬などの目的で使われていました。牛を大型化するため、外来種と交配し品種改良が進められて行く中、この陸から離れた立地のため、牛は手付かずのまま維持されることとなり、今日まで純血の在来種として見島牛の血統が続くことになったのです。

観光も楽しめる見島

見島観光協会 | 山口県最北端の離島・みしま

島内には宿泊施設もあり、観光に訪れることもできます。見島を囲む海域は大変潤った漁場で、昔から漁業も盛んに行われてきました。新鮮な食材を豊富につかった料理も楽しむことができるでしょう。

また、島内では食べることができないとされる見島牛ですが、オランダ牛と交配した「見蘭牛」を食べることはできます。新鮮な海の幸に希少な牛肉をいただけるとは大変贅沢ですね。

見島の観光スポット

見島ジーコンボ古墳群

見島南東部、また本村の東側に広がる横浦海岸一帯に約200基もの古墳が並ぶ積石塚古墳群がある。7世紀から10世紀ごろのものと思われるこれらの古墳は高度な文化をもった指揮官クラスの墓ではないかと考えられている。ある見解では防人の墓とも言われている。この名称ジーコンボの由来については有力な説が二通りあり、台湾語で共同墓地をいみする「地公墓」から来ているという見方と、じいさんを意味するジーコーという古い地元言葉の名残ではないかという見方のいずれかであろうと言われている。昭和59年7月25日に国の史跡に指定された。

見島 – Wikipedia

露兵漂着地記念碑

1905年(明治38年)見島沖で日本海海戦が行なわれた際に撃沈したロシアのバルチック艦隊の乗組員55名がボートに乗って宇津海岸に漂着した。その中には重症者も10名含まれており、島民は「同じ海に生きる者として」治療と救護に尽くした。この人道的行為を誇り、賞賛する証しとして宇津海岸近くに記念碑が建てられている。

見島 – Wikipedia

昭和天皇御製 ゆりや貝を詠う記念碑

「秋ふかき 海をへたて々ゆりやかひの すめる見島をはるか見さぐる」と詠われた記念碑が古牧台公園に建てられている。

見島 – Wikipedia

見島のカメ生息地

見島はかつて本州の一部だったらしく、その根拠として見島のカメが引き合いに出される。見島小学校の北側にある「片くの池」に生息するイシガメ・クサガメがそれであり、国の天然記念物となっている。

見島 – Wikipedia

希少な牛肉と聞いては一度は食べてみたいものですね。同時に、その歴史やルーツを調べてみるのも楽しいもの。幻の牛を実際に見に、見島を訪れてみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 年に数頭しか出回らないため「幻の牛」と呼ばれる、山口県の日本在来牛は?

A. 見島牛

Q. 「幻の牛」といわれる「見島牛」で有名な、山口県の見島は何市にある?

A.萩市

Q. 西洋種の影響を受けていない日本の在来牛は2種。鹿児島県の口之島牛と、山口県の何牛?

A.見島牛