「赤くて大粒」「甘くてすっきり」と最高評価を受けているのが、石川県のオリジナルブランド「ルビーロマン」です。ある果物の品種なのですが、いったいどんな果物なのでしょうか。
苦労が結実した最高品種
ニュースターが生まれたきっかけは「赤くて大粒のブドウが欲しい」という農家の要望でした。1995年、石川県農業総合研究センター砂丘地農業研究センターが「藤稔」という黒色品種から採取した種を試験圃場に蒔きました。しかし、400粒の種から赤い実をつけるまでにいたった木は1%に過ぎませんでした。このたった4本の木から採られた果実が徹底的に解析され、厳選された1本こそが「ルビーロマン」として認められたのです。足かけ14年という歳月を経て完成された石川県の至宝です。農家自慢の味はというと、あの大御所ブランド巨峰と肩を並べるほどスィートであり、巨峰よりも酸味が強いことから甘ったるいという印象を受けません。後味がすっきりとした上品さを感じます。さすがにジュエリーのクイーンを名前に刻んでいるだけの存在感があります。
ルビーロマンは8月上旬から9月中旬が旬になりますが、瑞々しい特産ブランドを全国に広めるためには、万全の品質管理が必要です。そのため、各農家が責任を果たして出荷しているという真の証として、ルビーロマンの出荷箱には産地名と生産者名が記された生産者シールが貼られます。そのほかに認証シールもあります。これは、ルビーロマン倶楽部のJA検査員が1房1房を厳格に検査し、合格したものだけに貼られます。房の裏には検査員のネーム入りのタグもつけられるという徹底ぶりです。そのなかでも最高品質の作品には、誉れ高き「PREMIUM」の表記がなされます。
品質と風味を1日でも長くキープしたい
絶品のルビーロマンを保存する方法も覚えておきたいところです。基本は新聞紙やラップで包んで日光が当たらない涼しい場所に保管することです。その場合は、房ごと冷暗所や野菜室で保存してオーケーです。もっと鮮度や味にこだわるなら、1粒ずつジップロックなどに入れるのがおすすめです。その際は、軸を残すように粒を切り落とすことがコツです。あとは冷蔵すればかなりの瑞々しさをキープできます。ルビーロマンは、ピンポン玉ほどの大きさがあり、肉厚のため、食べ応えも充分です。しかも、種アリ、種ナシの2種類がありますので、半分に切ると食べやすくなります。
高級感抜群の貴婦人・ルビーロマンは、石川県内のフルーツショップや流通センターで買い求めることができるほか、東京都内の百貨店やフルーツパーラーなどでも購入できます。通販を利用することも可能です。
歴史と神秘も味わえます
石川県を探訪するにあたって、外すことができないのは歴史的な文化財です。金沢市民の誇りはなんといっても加賀百万石の城下町であるという点です。四季折々の美しさを放つ名勝の数々は国内外から訪れる観光客の目を奪います。日本3大名園に数えられる兼六園はもちろん、金沢城、妙立寺(通称、忍者寺)、長町武家屋敷跡、ひがし茶屋街、にし茶屋街などが、歳月と風月を重ねた味わい深い佇まいで観る者を楽しませてくれます。小松市まで足を運べば那谷寺もあります。悠久の時間に浸るなら最適なエリアです。
別世界を味わいたいというのであれば「聖域の岬」と親しまれている珠洲岬がおすすめです。「出雲の国引き」で有名な能登半島の先端にあります。海と大地の気が寄せ集まる天然のパワースポットとして人気があります。なかでも青の洞窟は神秘的で、ほかにはない魅力で足を運ぶ者たちを刺激しています。海繋がり、という視点から「少々、変わったデートスポット」をあげるとすれば「サンセットヒルイン増穂」です。ベンチなのですが、その長さには圧倒されます。全長が460.9メートルもあるのです。増穂浦海岸からの眺めを独占できる絶景が待っています。830人ものボランティアが参加してつくられ、ギネス記録にも認定されました
石川県が生んだ新品種ルビーロマンは、生来の上品さで魅了します
各農家の手で責任を持って育てられ、徹底した品質管理のもとで出荷されるルビーロマンは、いまや石川県産品の顔とも呼べる存在に成長しています。果肉が詰まった、甘く、すっきりとした1粒を頬張れば、たちまちファンになってしまいます。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 石川県の特産である「ルビーロマン」とは、何の品種?
A.ブドウ
Q. 石川県金沢市にある、通称「忍者寺」と呼ばれるお寺は?
A. 妙立寺