茨城県城里町の特産品である「レッドポアロー」はどんな野菜?

茨城県城里町の特産品レッドポアローは、那珂川流域の沖積土で育った独特の風味と甘みを持つ野菜です。城里町のブランド推奨品で茨城が誇る名産野菜の秘密を覗いてみましょう。

レッドポアローのプロフィール

茨城県城里町のレッドポアローのオリジンは地域の在来品種です。自家用に作られ始めたのは明治時代初期のことでした。中でも圷(あくつ)地域でできるものが良質と評判だったことからかつて地元では圷ねぎと呼ばれていました。レッドポアローの一番の特徴は見た目に明らかなその色でしょう。通常の長ネギの白い部分の殆どが鮮やかな赤紫色をしているのです。そして通常の長ネギよりも辛さが控えめで、身がよく引き締まり、葉までとても柔らかいです。

栄養面では葉の部分にβ-カロテンを多く含んでおり、硫化アリルという成分も含まれています。硫化アリルには体温上昇や血行促進の作用があるとされています。赤い身の部分にはアントシニアンが含まれています。アントシアニンは抗酸化作用があるとされているポリフェノールの一種です。

茨城県城里町では9月から10月にレッドポアローの種蒔きを行います。収穫は翌年10月頃から始まり半年ほど続きます。栽培中は土の下に隠れているネギの赤身の部分(つまり通常のネギの白い部分)を伸ばす為、成長に合わせて数回根元まで土を寄せてかける「土寄せ」という作業を行います。また品質を維持する為収穫からの作業は手作業で行っています。こうして丹精込めて作られた特産品レッドポアローは、NPO法人スローフードジャパンのプロジェクト「味の箱舟」に県内で初認定されています。味の箱舟は世界160カ国にネットワークを持つ食の世界遺産といえるプロジェクトで、レッドポアローのような特定地域の在来種や消えつつある郷土料理、質のよい食品などを守り味の教育を通して後世に伝えていこうという目的を持っています。

レッドポアローを食す

レッドポアローをおいしくいただくレシピを見てみましょう。まず生で食べる場合、赤い部分を5~6センチの長さで千切りにしたレッドポアローは揚げ出し豆腐の上にのせて出汁に醤油を加えた汁をかけていただいたり、千切りを少しに浸してからぬめりを取った緑の部分を小口切りにしたものと、同じく千切りにして水に浸した大根を合わせて混ぜけずり節と二杯酢でいただくといった食べ方ができます。

熱を加えて食べるなら魚介類と合わせたぬたがお勧めです。縦に切り目を入れて手早く茹で、水にとってよく冷ましたら3~5cmの長さに切り、魚介類と合わせて好みのぬたに仕上げます。また大振りに切って卵スープや鍋の具にしたり、焼き鳥のねぎま風に調理してもレッドポアローの風味が楽しめます。上質のレッドポアローを買ったら良い状態で保存したいものです。可能なら畑で生えているように、立てた状態で置いておくのがベストです。葉先を出して新聞紙に包み冷暗所で立てて保存しましょう。一旦切ったものは乾燥させないようにポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存するといいでしょう。

茨城県城里町には道の駅「かつら」があります。車の場合常磐自動車道水戸インターチェンジか那珂インターチェンジ、又は水戸北スマートインターチェンジからアクセスできます。水戸駅からバスでも行けます。この道の駅「かつら」にはレッドポアローを始めかぼちゃやタケノコ等々の地元産の農産物や、同じく特産品の和菓子を売る「かつら御膳」等が販売されています。さらに那珂川の河原を利用し自然を満喫しながら手ぶらでバーべーキューができるシステムや常陸秋そばが食べられる食堂といった施設もあります。

レッドポアローで広がるねぎ料理のレパートリー

茨城が誇る名産野菜、茨城県城里町のレッドポアロー。様々な食材と合わせられるのでおかずのレパートリーが広がります。機会があれば城里町を訪れ、獲れたてならではの味や食べ方を楽しんでレッドポアローの魅力を再発見してみるのもいいでしょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 茨城県城里町の特産品である「レッドポアロー」はどんな野菜?

A.ネギ