山梨県は幻のフルーツと呼ばれる果物の栽培をしています。その幻のフルーツは「貴陽」という名前で、たくさんの特徴をもった果物なのです。いったい「貴陽」とはどんな果物なのでしょうか。
スモモの常識を超えた希少な品種
山梨県で作られる幻のフルーツ「貴陽」の最大の特徴は通常のスモモに比べ、大玉で糖度が非常に高いということです。大きさは平均200g前後、大きいもので300g前後のものもあるといいます。2012年(平成24年)7月24日には世界一重いスモモとしてギネスブックに認定されました。
また「貴陽」は1996年(平成8年)に種苗登録された新しい品種です。そのため、栽培している農家の数が少なく、さらに受粉成功率もとても低いといわれています。しかも、栽培には大変手間がかかり、雨に当たってしまうと実が破裂して商品にならないため、細心の注意を払わなくてはなりません。また、出荷の数も限られているのです。これらが幻のフルーツ「貴陽」の希少価値を高めている理由です。
スモモであるのに糖度が非常に高いということも重要な注目点です。完熟期には16度から18度にもなり「貴陽は桃より甘い」といわれています。通常のスモモよりも糖度が高いため、スモモは酸っぱいと抵抗がある方も挑戦しやすいといえます。ただ甘いだけではなく、スモモ特有の酸味もきちんとあるため、スモモ好きの方にもおすすめです。
「貴陽」は努力の末にできたスモモだった
幻のフルーツ「貴陽」はスモモの常識をくつがえした山梨県が誇る果物です。実は「貴陽」は長い歳月をかけて出来たスモモだったのです。
南アルプス市で果樹農家を営む高石鷹雄さんは「貴陽」の生みの親です。高石さんは20年もの間、試行錯誤を繰り返し、質の高い味わいのスモモを作ろうと努力されました。低い受粉成功率や大変手間がかかる育成管理という大きな壁を乗り越え、この大玉で糖度が高く質の良い「貴陽」が出来上がったのです。「貴陽」は努力のたまものといえます。地元でも「貴陽」の希少価値は高いということが広く認識されています。
そして2009年(平成21年)と2010年(平成22年)には、二年連続で三重県の伊勢神宮に奉納されました。奉納品になったスモモは全国で唯一、この「貴陽」だけです。
果肉は淡いクリーム色をしており、そのやわらかい果肉は果汁をたっぷりと含んでいます。あふれ出るジューシーな果汁は大変甘く、濃い味が特徴的です。また、種が小さいため実が離れやすく、食べられるところが通常のスモモよりたくさんあります。
「貴陽」の旬はいつごろ?山梨県の「貴陽」以外のスモモ紹介
一度は食べてみたい幻のフルーツ「貴陽」は一体いつごろ市場に出回るのでしょうか。「貴陽」の旬は7月上旬から8月下旬といわれています。しかし、旬だからといってどこでも必ず手に入るということではありません。山梨県で探すことが一番ですが、もしかすると高級フルーツパーラーでも食べることができるかもしれません。
山梨県はスモモの国内生産量一位を獲得しています。「貴陽」だけではなく、そのほかにもおいしいスモモを食べることができます。
「ソルダム」は有名なスモモの一つでスーパーなどでも見かけることができます。山梨県のスモモの主力品種であり、独特の酸味と甘みが絶妙なスモモです。見た目は緑色をしていますが、果肉は赤いのが特徴です。食べごろは7月中旬から7月下旬ですが収穫期間は長い品種です。
山梨県オリジナル品種の「サマービュート」や「サマーエンジェル」は大玉で糖度が高いスモモです。二種とも、2005年(平成17年)に品種登録された比較的新しい品種です。
山梨県が誇る幻のフルーツ「貴陽」は、様々な特徴をもったスモモだった!
山梨県で作りだされた幻のスモモ「貴陽」の特徴について、理解を深めることができましたか?ぜひ一度、幻のフルーツ「貴陽」を本場の山梨県で味わってみてください。「貴陽」は、あなたのスモモの常識を変えてしまうかもしれません。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 山梨県産で「幻のフルーツ」とも呼ばれる「貴陽」は、どんな果物の種類?
A.スモモ