富山県で食べられる「あんばやし」とは、どんなもののこと?

あんばやしといえば、富山県が誇る郷土料理です。あるものを茹でて、みそだれをかけるだけというシンプルなものですが、名前の由来など興味深いポイントはたくさんあります。現在にも伝わるあんばやしについて見てみましょう。

富山県が誇る郷土料理

あんばやしについてご存知の方はどれだけいるでしょうか。富山県に住む人であれば、知らない人はいないといっても過言ではないかもしれませんが、他の地域にお住まいの人の多くは知らなくても無理はないでしょう。簡単にいえば、こんにゃくを茹でて、みそだれをつけて食べるというシンプルなレシピですが、富山県が誇る郷土料理として話題を呼んでいます。地元住民はもとより、日本全国各地から物珍しさもあり、あんばやしを求めて訪れる人が増加中です。

「味噌田楽とどこが違うの?」と疑問を持つ人もいるはずです。確かに見た目については似ているかもしれません。こんにゃくを薄く切って、竹串を刺して茹でるというところまでは一緒ですが、かけるみそだれに大きな違いがあります。いわゆる一般的な味噌田楽のタレよりも、水分の多めのタレをかけて食べるのが「あんばやし」なのです。味の決め手になるタレには、隠し味として生姜が重要な役目を果たします。作り手によっても味は微妙に異なりますが、この甘辛いみそだれが旨さのカギを握っているのです。

老若男女問わずの人気

富山県の郷土料理としてすっかり定着しているあんばやしですが、そのユニークな名前の由来についても気になるところです。諸説ありますが、最も有力視されているのが、みそだれのあんかけの「あん」と串を刺したこんにゃくが並ぶ様子を「はやし(林)」に見立てたのではないかという説です。また、一方では「こんにゃくとうふのあんばいよし」という掛け声の最後の部分の「あんばいよし」が転じて「あんばやし」となったという説もあります。真相は誰にもわかりませんが、なんとも興味深いところではないでしょうか。

知れば知るほど興味関心が増す「あんばやし」については、富山県内における文化祭や学園祭はもとより、町おこしの各種イベントなどの際には屋台などで販売されるケースも少なくありません。食べやすく親しみやすさもある「あんばやし」は、小さな子どもから中高年、シニアに至るまでの幅広い世代に受け入れられています。片手で簡単に食べられるというのも、祭りやイベントなどにはピッタリといえるでしょう。あんばやしが屋台の定番になっているのは、提供する側にとっても作りやすいということも理由として挙げられます。「こんにゃくを茹でてみそだれをかける」手軽さと美味しさが魅力です。

代々伝わる遊びにも注目!ルーレットが登場

富山県で開催される縁日では、あんばやしをモチーフにしたユニークな遊びがあります。ルーレットを回して、出た数字の本数分のあんばやしを皿に盛るというものです。実は、このような取り組みについては、安土桃山時代に行われていた当時の遊びをヒントにしているものといわれます。当時の子どもたちが、知恵比べをして勝つと出た数字の分だけ、串刺しにしたこんにゃくをご褒美として食べられるというものです。なんとも、面白いエピソードですが、その様子は笑話の集大成の安楽庵策伝として知られる「醒睡笑」に書き記されています。その名残りもあり、現在も富山県の飲食店であんばやしを注文した際には、ルーレットが出てくる店舗もあります。風光明媚な景色や歴史的建造物も豊富な富山県ですが、郷土料理でも大きな人気を勝ち得ています。

あんばやしを観光のお供に

こんにゃくを使った美味しいあんばやし。地元で長く愛されてきた郷土料理です。富山県を訪れた際にみかけたらぜひ食べてみたいですね。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 富山県で食べられる「あんばやし」とは、どんなもののこと?

A.こんにゃく