寒くなると食べたくなるのがカニ。カニと温泉は冬の一大イベントといっても過言ではありません。毎年どこに行こうかな?と楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。しかし美味しく食べているそのカニ。みなさんは食べる前にカニの種類を意識した事はありますか?
松葉ガニとズワイガニは同じカニ?
「松葉ガニ」や「越前ガニ」。これらよく耳にするカニはそれぞれどの種類になるのかご存じでしたか?なんと、これらはすべて同じ種類の「ズワイガニ」なのです。
カニ漁は日本海側の各地で行われますが、水揚げされる地域によってズワイガニの呼び名が変わるのです。つまり、これらはご当地ズワイガニの名称というわけです。鳥取・島根など山陰地方で水揚げされるズワイガニは長い足を松葉のように見立て、「松葉ガニ」と呼ばれ、福井県で獲れるズワイガニは「越前ガニ」。
全部同じ「ズワイガニ」だなんて、驚きですよね。
学術的にズワイガニはカニ類の中の「ケセンガニ科」「ズワイガニ属」に属します。「ズワイガニ属」の仲間は、5種が知られていますが、一般的に流通しているものは3種類になります。「ズワイガニ」「オオズワイガニ」そして「ベニズワイガニ」の3種です。
流通するズワイガニには国産と輸入物とがあり、国産のズワイガニの中に、松葉ガニや越前ガニなどが含まれます。また、松葉ガニの中に、鳥取の松葉ガニや香住の松葉ガニ、間人ガニなどが含まれています。
松葉ガニと呼べるカニは生息地や水揚げ産地が限定されています。
松葉ガニは、日本海の丹後半島から島根県沖の日本海に生息しているズワイガニで、水揚げされる漁港も京都府から島根県の漁港に限定されています。古くから、日本海の中でもこのエリアは美味しいカニが育つ環境に恵まれているとされており、海底の地質やプランクトンの種類などカニの生育に向いた場所と言われています。
一般的にズワイガニは、北太平洋、オホーツク海から日本海全般に生息しています。松葉ガニは、その中でもごく限られたエリアで生息しているまさにご当地なズワイガニと言う事になりますね。
鳥取のブランドカニ
松葉ガニは漁港でタグを付けられている事があります。
赤や青の付いたカニを見たこともあるのではないでしょうか。
実はこのタグにはカニを見分ける重要な役割があるのです。
地元で獲れたカニとそうでないカニを区別するために、地元で獲れたカニにはその証として各漁港のプラスチックタグが付けられています。
このブランドタグを付けているカニこそがブランドカニであり、タグ付きのカニはまさに信頼の証なのです。
鳥取県内の沖合底引き網漁船が水揚げした甲羅の大きさが11cm以上の松葉ガニには、安心と信頼の証であるブランドタグが取り付けられ、鳥取産松葉ガニとして市場に出荷されます。
松葉ガニにタグが付けられているのには、こういう理由があります。鳥取県は松葉ガニのブランド化を図り、鳥取県で獲れた松葉ガニの中でも一定の基準をクリアしたものを特選とっとり松葉ガニとし、トップブランドとして販売する最高級松葉ガニの名称を「五輝星(いつきぼし)」としました。
何故「松葉ガニ」?
山陰で獲れるズワイガニが何故「松葉ガニ」と呼ばれているのか?
それには様々な諸説があります。
いずれも定かではありませんが「細長くしなやかに伸びた脚の形が松葉を想像するから」「漁師が調理の際に松の葉を燃料に使ったから」また、「刺身を冷水につけると身が松葉のよう広がるから」とも言われています。
因みにズワイガニの名前の由来は足が細くまっすぐなことから木の枝を意味する楚(すわえ)に由来した「楚蟹(すわえがに)」が転じたものと言われています。水揚げされる地方によってその呼称が違うズワイガニですが、やはり特徴である長い脚に因んだものが多いようです。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 鳥取県の名産として知られる「松葉ガニ」は、次のうちどれにあたる?
A. ズワイガニ