「小松菜」の語源となった小松川という地名がある都道府県は?

安くておいしくて、栄養も豊富な小松菜。その語源は、どこにあるのでしょうか。名もなき菜っ葉が「小松菜」となったかげには、あの有名な将軍様がかかわっているという伝説もあるのです。

小松菜の原種は地中海からやってきた

冬に野菜が不作になって高騰したときでも、小松菜はたいてい安くて助かります。小松菜はクセがなく、和食、中華料理、洋食何にでも合って便利だし、炒めものやおひたしの他、煮崩れしにくいので煮物やシチューに入れてもおいしいです。
小松菜は日本特有の野菜だと思っている人も多いのではないでしょうか?小松菜は、日本で品種改良によって生まれた菜っ葉なので、そういう意味では日本特有と言っても間違いではないでしょう。でも、その原種となる野菜は、実は遠く南欧の地中海沿岸から伝わってきたと言われています。といっても、直接は中国から伝わりました。おそらくはシルクロードを通って中国に伝わっていたものが、海を渡って日本に来たのでしょう。鎌倉時代にはもう栽培されていたようです。

江戸時代、その菜っ葉は葛西周辺で多く栽培されていたため「葛西菜」と呼ばれていたようです。それを椀屋九兵衛という人物が品種改良し、現在の小松菜になったといいます。といっても、その時点では「小松菜」という名称はついていませんでした。

江戸川区でも鶴がとれた?そのおかげで小松菜が誕生

時は享保、徳川幕府第八代将軍徳川吉宗は、質素倹約と武家の鍛錬を奨励した将軍様です。自身も鷹狩を好んだといいます。「暴れん坊」なのはフィクションだとしても、アクティブな将軍様だったことは間違いありません。ある日、江戸川付近に鷹狩に出た将軍様は、小松川村にある香取神社を休憩場所としました。小松川村は、現在の東京都江戸川区小松川町です。今では大都会東京の一部となっている江戸川区でも、吉宗在世の当時はツルの狩場だったというので驚きです。

休憩をとる将軍様に、神社の神主が菜っ葉が入ったすまし汁を献上しました。その菜っ葉のおいしさを気に入った将軍様、これはなんという菜っ葉だと聞きました。神主が、名もない菜っ葉ですと答えると、では小松菜と名付けよとのおおせ。それから小松川村で育てられるその菜っ葉は小松菜と呼ばれるようになり、そして将軍様お気に入りの野菜として小松川村以外の地域にも広がるようになった。これが小松菜の語源にまつわる伝説です。これが本当のことかどうかはちょっとわからないですね。
ちなみに、小松菜の生産量は平成14年までは江戸川区が日本一だったものの、平成15年以降は横浜市が日本一になっています。

新小岩香取神社には「小松菜産土神」の碑が

八代将軍吉宗様が休憩場所として、小松菜命名の地となった香取神社。実は現在でも健在です。現在では、新小岩厄除香取神社という名称になっています。新小岩香取神社の創建は、江戸時代の1617 年。千葉県の香取神宮から経津主神=香取大明神の分霊を受けて建てられました。香取大明神は武道の神様として、特に武道家から信仰されている神様です。

この新小岩香取神社には「小松菜産土神」と「小松菜ゆかりの里」と彫られた石碑が立っています。産土神というのは、簡単に言えば自分が生まれた土地の守り神です。小松菜という名前を付けてもらったということは、その地で誕生したという解釈もできるわけで、その場所で、小松菜さんは守り神にまでなってしまったのですね。
新小岩厄除香取神社へや、JR総武線新小岩駅の南口から伸びる都道308号線(船堀街道)を東南方面に下り、江戸川中央四郵便局を左に曲がった位置にあります。

小松菜好きの人は新小岩へ

小松菜には、暴れん坊将軍の鶴の一声で命名されたという伝説がありました。とってもおいしい小松菜が好きだという人は、新小岩の香取神社を訪れて、小松菜の産土神様に日頃のおいしさの感謝を伝えてみるのもいいかもしれないですね。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 「小松菜」の語源となった小松川という地名がある都道府県は?

A.東京