全国の地鶏の中でトップクラスの出荷量を誇る、徳島県の地鶏は?

徳島県には出荷羽数・シェアともに全国1位となっている地鶏があります。全国でも有名な徳島県の夏の風物詩と同じ名前を持つその地鶏について、ご紹介しましょう。

『阿波踊り』から『阿波尾鶏』

『阿波踊り』とかけて命名された『阿波尾鶏』は、噛めば噛むほど肉の味が出ておいしいと人気の徳島県が誇る地鶏です。『阿波尾鶏』は、自然の中で鶏たちがのびのび走り回れる環境で飼育されているので、調理するとプリプリした弾力が味わえるのが特徴のひとつ。特別に配合した飼料とオリーブ粕などのエサを食べて育つため肉にはジューシーな旨みが凝縮されているのです。

『阿波尾鶏』誕生の歴史

私たちに馴染みが深いスーパーなどで見かける鶏肉の多くは、アメリカ式のブロイラー(50日前後の飼育で出荷できる肉用若鶏の総称)と呼ばれるものですが、近ごろでは地鶏にも注目が集まってきています。

もともと徳島県は古くから食鶏飼育が行われていた土地でした。明治時代には既に関西方面への食鶏を供給しており、昭和40年代になるとブロイラーが導入され、養鶏が中山間地域を中心に広がっていきました。しかし、昭和40年代後半に外国産の鶏肉が大量に輸入されるようになり、熾烈な価格競争にさらされるようになったのです。

当時の徳島県内の養鶏農家は兼業の小規模農家が多く、また生産者の高齢化も課題となっていました。この状況を打破すべく昭和50年頃から産研究課が主導となり、徳島県ならではの付加価値の高い地鶏を生み出す動きが始まりました。そして10年もの年月をかけ、徳島に昔からいた赤笹系軍鶏とブロイラー専用種の白色プリマスロックを掛け合わせ、『阿波尾鶏』が誕生したのです。

『阿波尾鶏』のおいしい食べ方

『阿波尾鶏』が持つおいしさを最大限に味わえるのは、何と言っても焼き鳥です。身が締まってちょうどよい歯ごたえがあり、脂もしつこくないので、そのうまみを存分に味わえます。また手羽先を使った、から揚げも抜群のおいしさ。皮がパリパリで一口噛めば肉汁がじゅわーっと口いっぱいに広がります。モモ肉を使った定番の唐揚げも『阿波尾鶏』の特徴であるプリプリの食感が堪能できます。

また『阿波尾鶏』は加工したものも人気があります。特に評判なのが『阿波尾鶏』のむね肉を鶏節にした『阿波尾鶏の花削り』です。これは地鶏のうま味がギュッと凝縮され、かつお節のような感覚で色々な料理に使うことができます。

今や全国のお祭り『阿波踊り』

徳島県が発祥である阿波踊りは徳島の伝統芸能であり、秋田県の『西馬音内盆踊り』、岐阜県の『郡上踊り』と並んで「日本三大盆踊り」のひとつに数えられるお祭りです。

「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損」という何とも楽し気なフレーズとともに、毎年お盆の季節に徳島で開催されます。徳島市の中心部の公園や大通りなどに会場が設けられ、騒(ぞめ)きのリズムに合わせた踊りの熱気に徳島の街全体が包まれた夜となります。

阿波踊りの起源については諸説ありますが、400年以上の歴史があると言われています。民衆とともに阿波踊りが誕生し、生活や文化とともに発展していきました。江戸時代では徳島には藍の豪商が多く存在し、阿波踊りも豪華で華やかになっていったようです。そして大正時代末期から昭和時代になると、ラジオやポスターなどで県外にも紹介されるようになり、全国に知られることとなりました。第二次世界大戦によって一時期活動が自粛されていましたが、戦後は復興の象徴として踊る人が急え、さらに全国へと阿波踊りの文化が広まることとなったのです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 全国の地鶏の中でトップクラスの出荷量を誇る、徳島県の地鶏は?

A. あわおどり