大阪府といえば、昔から商業や海運が盛んな町として繫盛してきました。多くの商人が行きかうことでも有名。今回はそんな大阪を代表する伝統野菜をご紹介します。詳しく見てみましょう。
なにわが生んだ伝統野菜!
大阪といえば、昔から海運や商業が盛んな町として繫盛してきました。その歴史については、多くの人がご存知ではないでしょうか。そんな商業が盛んな大阪には、全国各地からさまざまなモノやサービスが次々と持ち込まれてきました。実は大阪が、ここまで繁栄することになった背景には、肥沃で恵まれている土壌環境があることも事実です。いわゆる伝統野菜が多く栽培されていたのも、この恵まれた土壌環境によるところが大きいといえるのかもしれません。大阪府を代表する河内平野は、5世紀から6世紀頃までは淡水と海水が混じった湖として、淀川や大和川に豊富な水資源を供給していたのです。自然の賜物といっても言い過ぎではないでしょう。
そんな「なにわ伝統野菜」の一つとして大きな人気を誇っているのがダイコンです。ダイコンといえば、もはや食卓には欠かすことができない存在として広く知られています。とりわけ、田辺ダイコンや守口ダイコンの人気と知名度の高さについては、他の多くの食材を凌ぐほどです。スーパーやコンビニ、八百屋などでは目玉商品として売り出されることも少なくありません。
レパートリーも豊富
田辺ダイコンは、大阪市東住吉区田辺地域の地名にちなんで名付けられました。田辺ダイコンの特徴といえば、そのずんぐりむっくりとした形状です。何とも愛らしいとして話題を集めています。肝心の味の方では、ダイコンの甘みと独特な辛みを持つことが知られており、鍋物や味噌汁などにはピッタリとして人気です。癖になるという美味しさもさることながら、栄養価も高いという点も注目されています。一方、守口ダイコンも田辺ダイコンに負けずの存在といっても良いのではないでしょうか。大阪府守口市地域発祥のダイコンとして愛され続けてきました。守口ダイコンといえばその長さには定評があり、1メートルを超えるものもざらにあるとされており、主に粕漬けなどに使用されています。
田辺ダイコンや守口ダイコンがここまでたくさんの人に親しまれているのは、食材としてなくてはならない野菜として定着していることが理由といえるでしょう。季節によっても出回る量や価格は異なりますが、年間を通してリーズナブルな価格で購入できることも家庭にとっては嬉しいポイントです。加えて、おでんや鍋物はもとより、サラダや大根おろし、煮物などとバラエティーに富んだレパートリーも特徴。調理方法や保存方法も簡単で誰にでもできるため、至れり尽くせりの野菜といえます。
名産品としても期待
田辺ダイコンや守口ダイコンは、もはや大阪府の名産品としての役割も果たしています。特に田辺ダイコンや守口ダイコンの発祥の地とされる、大阪市東住吉区と守口市の自治体ではホームページや関連サイトに掲載するなどして、地元を盛り上げようと活動中です。大阪府といえば、東京や名古屋とともに、日本を代表するエリアとして発展してきました。しかしながら、エリアによっては人口減少に伴い、過疎化が進んでいるところも少なくありません。地域活性化や地方創生の観点からも、田辺ダイコンや守口ダイコンのような名産品の登場に期待が寄せられることになるでしょう。少しずつではありますが、田辺ダイコンや守口ダイコンを求めて大阪を訪れる人が増加傾向にあるという状況も見られます。
地方創生や地方活性化の切り札に
田辺ダイコンや守口ダイコンが、ここまで多くの人気を集めているのは、ただ単に美味しくて使い勝手が良い野菜ということだけが理由ではありません。地方創生や地方活性化を視野に入れた地元自治体の巧みな広告宣伝効果も出ています。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 大阪の地名が付いた、「田辺」や「守口」といえば、どんな野菜の種類?
A.ダイコン
Q. 天王寺かぶら、田辺ダイコン、守口ダイコンなど、大阪で昔から栽培されている野菜の総称は?
A.なにわ伝統野菜