大分や福岡が発祥とされる調味料「ゆずこしょう」。原料に使われているのは、ゆずと何?

全国で使われるようになってきた調味料の「ゆずこしょう」。大分や福岡が発祥とされていますが、実は黒胡椒や白胡椒は入っていません。原料に使われているのは、ゆずと一体何でしょうか?

ゆずとトウガラシで「ゆずこしょう」?!

昨今では鶏料理や鍋料理の薬味として一般的になってきた「ゆずこしょう」。スナック菓子・缶詰・カップ焼きそば等の味付けにも使用されるほど人気があり、柚子のさわやかな香りとぴりっとした辛さが癖になる深緑色の調味料です。飲食店だけではなく、全国各地のスーパーなどでも取り扱いが増えてきて、身近な味のひとつになりました。
そんな「ゆずこしょう」、「こしょう」と名が付くのに胡椒の辛さではないことにお気づきですか?実は「ゆずこしょう」には香辛料のいわゆる胡椒は使われていません。
「ゆずこしょう」に使用されている材料はシンプルに3つ。「青柚子」と「青唐辛子」そして「塩」のみで、この3つというのがベーシックな「ゆずこしょう」です。
大分や福岡から広まったとされており、そのご当地・九州では昔から「トウガラシ」のことも「こしょう」と呼んでいたことから胡椒が入っていなくても「ゆずこしょう」という名前になったようです。

柚子の産地、豊前・豊後が発祥?!

「ゆずこしょう」の発祥は、柚子の栽培が盛んな大分県日田市とする説が有力で、古くから家庭でゆずこしょうが作られていたと言われています。
また福岡県田川郡に位置する英彦山周辺でも柚子栽培がされており、こちらが発祥とする説もありますが、豊前・豊後の境あたりでは昔から馴染みの調味料であったということがよく分かります。
また九州の他にも、柚子の産地である徳島や高知でゆずこしょうの製造がされていますが、唐辛子をこしょうと呼ぶことからも、この豊前・豊後が発祥といわれる所以のようです。

おうちで作れる「ゆずこしょう」!

柚子の実には2種類あり、夏から初秋に出回るのが若い実で果汁の少ない「青柚子」、秋以降に旬を迎えるのが果汁が多く香りが強い「黄柚子」です。
「ゆずこしょう」を作る時には基本的には青柚子を使いますが、黄柚子を使用しても香り高く色鮮やかな「ゆずこしょう」ができます。
また唐辛子も青唐辛子を用いるのが一般的ですが、赤唐辛子を使うと黄色寄りのゆずこしょうが、さらに赤唐辛子と黄柚子で作ると朱色のゆずこしょうができます。それぞれに風味が変わってくるので好みを見つけるのも楽しいでしょう。
さて、ゆずこしょうを作る際に用意するのは、
・柚子
・唐辛子
・塩(全体の20%〜30%の量にする)
の3つだけでとてもシンプルです。
○ミキサーで作る場合
ヘタを切った唐辛子(種ごとでも可)を塩(半分)と一緒にミキサーにかけ、混ざったところに厚めに剥いた柚子の皮と残りの塩を入れてミキサーにかければ出来上がり。
○すり鉢で作る場合
青唐辛子の種とヘタを取って粗く刻み、柚子の皮を薄く剥くか、細かく刻むか、金おろしなどで擦っておく。塩と一緒に全てを混ぜ、少し食感が残るくらいまで擦りつぶして出来上がり。

出来立てはツンとした辛味と爽やかさがフレッシュで、時間を置いたものは塩が馴染みまろやかでやみつきになる美味しさで、様々な料理の引き立て役として重宝すること間違いなしです。
意外と簡単に自宅で作れるゆずこしょうですが、気をつけたいことが幾つかあります。青唐辛子を刻んだり種を取る際に辛い汁が飛び散ります。酸味のある柚子をカットすることからも、ゆずこしょう作りには、ゴム手袋が必須です。また、作業スペースにビニールを引いたり、汁が目に飛ばないようにメガネやゴーグルを使用されることをお奨めします。
もし、途中でゆずこしょうが乾いてきたら、柚子の果汁を少量足してみてください。
8月9月は青柚子、青唐辛子の最盛期です。ぜひご家庭の味に「ゆずこしょう」を加えてみてはいかがでしょうか?

ザ・ご当地検定の問題

Q.大分や福岡が発祥とされる調味料「ゆずこしょう」。原料に使われているのは、ゆずと何?

A.トウガラシ