各地域の名前を付けたブランド蟹はいくつかありますが、京都府北部の京丹後市にある間人港で水揚げされることから「間人がに」と呼ばれているこの蟹は、特に希少価値が高い蟹として知られています。
食通にも高く評価されているこの間人がにがどのようなものか、今回はご紹介したいと思います。
間人がには、希少性がある高級がに
間人がには、京都府京丹後市にある間人港の沖合でしか獲れずオス限定です。さらに冬の日本海は時化が多く漁船も毎日操業できるわけではなく、漁船も小型で5隻しかないため1度に運べる数も限りがあります。そのため希少価値は高くなっており、滅多にお目にかかれない高級ガニです。間人がには京都府の中でも、間人港に近い京丹後市付近でしか出回っていません。間人がには日帰り操業による新鮮さが売りなので、遠方へ出荷できないのです。
間人がには高い品質を保つために、水揚げ後すぐ漁師の目によるチェックがあります。大きさや重さ、キズの有り無しや形の良し悪しなどの条件をクリアしないといけないのです。通過したものだけが市場に出すことを認められ、証として船名と間人港の文字が刻まれた緑のタグを付けられて出荷されます。様々な条件と日帰り操業による新鮮さ、漁師たちの厳しい目によってズワイガニをたいざがにというブランドに高めあげているのです。
間人という呼び方の由来と歴史
間人がにの名称は、京都府の地名からきているのですが、たいざがにの「たいざ」という、変わった読み方をする地名の由来は何でしょうか。かつてこの地に騒乱を避けて逃れてきた、聖徳太子の生母である間人(はしうど)皇后から贈られたとする説があります。「はしうど」と呼ぶのを畏れ多く思い、住民たちは皇后が退座する際に「たいざ」と読み方を変えたとされています。931~938年に作られた辞書である和名類聚抄には、間人郷の名称が記されており、1000年以上の歴史を持つ呼び方なのです。
明治時代、間人港周辺は竹野郡間人村という村で、1921年に町制施行し間人町になります。1955年に竹野郡にあった4つの村と合併して京丹後町となるまで、一つの自治体でした。2004年に京丹後町が周辺の町と合併し京丹後市になっても、地名としては残り続けています。そして間人がには京丹後市という広範囲の自治体になっても、数少ない市の特産品であり続けているのです。間人漁港関係者の懸命な広報や営業により、質の高いズワイガニとして全国的に名を広め、ブランドとして確立するに至りました。たいざの読み方には長い歴史があり、間人がにという特産品のおかげもあって、広まっているのです。
間人がにを食べる方法と料理の種類は
滅多に出回らない間人がにを食べるためには、どんな方法があるのでしょうか。地元の旅館ではたいざがにを提供している所がいくつもあります。購入方法には通信販売があり、中には生きたままの状態で出荷されるものもあります。鮮度が肝心なので、届いたらその日に食べてしまうのがおすすめです。旬の時期は他のズワイガニと同じく12月~2月にかけての期間になります。この時期によりおいしい間人がにが食べられるので、食べられるように旅行や購入の準備をしておきましょう。
間人がにを使った料理にはいろいろあり、生のままから焼いたり蒸したりと炭火焼きはカニの殻の中に入った身を、ジューシーかつ食べ応えも十分に堪能できます。カニ刺しは、白い身を噛むごとに甘みが増していく味わいの料理です。甲羅蒸しは間人カニの甲羅を使って蒸して作り、蟹味噌と蟹身をふんだんに食べられます。カニみそスープは黄金の出汁にカニ味噌を加えたスープで、カニ味噌の甘さが飲むたびに広がっていく感じです。
いすれも京丹後市にある旅館で提供されているので、ぜひ泊まって味を堪能してみたいものです。
間人がにを京都で食べてみよう
間人がにを「たいざがに」と読み、京都府でズワイガニの雄を指すことや京丹後市にある間人港で獲れるという知識だけでも周りにちょっと自慢できそうです。間人がにを口にするために、京都旅行の際は1度京丹後市へ足を運んでみませんか。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 京都では「ズワイガニ」のことを指す「間人がに」。何と読む?
A.たいざがに