国内栽培は希少!岩手県の陸前高田市で栽培されているキノコとは?

今回はあるキノコについてご紹介します。日本国内に流通しているこのキノコのほとんどは輸入品と言われています。そんな中、実は国内に栽培を行なっている地域があるのです。その1つが岩手県陸前高田市です。

陸前高田産がおいしい理由

「キクラゲ」と聞いて、まず思い浮かべるのは中華料理によく使われている光景でしょう。コリコリとした食感で、それ自体にあまり味はないのですが、他の食材と一緒に調理することによっておいしさが引き立ちます。
料理の中ではなかなか主役になる機会の少ないキクラゲですが、実はとても栄養価の高い食品です。鉄分はレバーのおよそ2.5倍、カルシウムは牛乳と同じくらい入っているので子供たちにもおすすめです。中華だけではなく、パスタやリゾットなどイタリアンやフレンチなどの料理にもよく合うので、家庭で作る料理にはぜひ使って欲しい食材の1つです。

ところで日本で売られているキクラゲのほとんどは、おもに台湾や中国からの輸入品です。国内で栽培されているキクラゲにお目にかかれる機会はほとんどありません。しかし岩手県の沿岸部に位置する港町「陸前高田市」では、キクラゲの栽培が行なわれています。国内でキクラゲの栽培を行なっているのは本当に珍しいことで、しかも輸入品のキクラゲより遥かに肉厚でおいしく、プリプリの歯応えが格別だとかなり評判です。その証拠に数々の有名レストランのシェフに愛され、日本有数の中小企業が集まる展示会「東京ビジネスサミット2008」では「食・アグリビジネス部門賞」を受賞し、6部門の中で大賞にも輝きました。

そのくらい味も見た目も最高品質を誇る陸前高田産のキクラゲは、なぜ他の国産のキクラゲよりも大きく肉厚に育つのでしょうか。生産者の話では、種は市販のものを使用しており、生産過程で特にこれといった工夫もないそうです。しかし沿岸部ならではの海が近い土地柄のため、日頃から豊富なミネラル分を含んだ粘り気のある海風にさらされ、それをうまく取り込める陸前高田の地形がキクラゲの生育に大きく影響しているのではないかということでした。
岩手県沿岸特有の気候と風土がキクラゲの栽培にうまく適していて、このように美味しいキクラゲが育つのではないかと考えられます。

陸前高田市の震災復興のシンボル「奇跡の一本松」

岩手県陸前高田市といえば、東日本大震災の被災地として全国的に有名になった町です。マグニチュード9.0の大地震による大津波に襲われ、たくさんの人々が犠牲となりました。津波に襲われた街は跡形もなく消滅し、その光景は連日のようにニュース番組などで報道されていたので記憶に残っている人も多いでしょう。震災を生き延びた地元の人々にとっても、それは何年経っても忘れることのできない光景です。
そんな中、巨大津波に襲われながらも奇跡的に生き残った高田松原海岸の「奇跡の一本松」は、震災で多くの悲しみや辛さを経験した陸前高田市の人々にとって大きな希望でした。

しかし震災後、奇跡の一本松は大量の海水を浴びたせいで根が腐ってしまい、残念ながら枯死と判断されてしまいました。それでも奇跡の一本松を残したいという多くの人々の願いから、幹に防腐処理を施して補強し、複製の枝を取り付けて再生させ、また元の場所に戻すことができました。
震災後、奇跡の一本松は町の観光資源の一つとしても活躍しており、ここには連日途絶えることなく大勢の観光客が訪れています。奇跡の一本松はこの先もずっと復興のシンボルとして陸前高田の町を見守り続けていくことでしょう。

陸前高田市の特産品「キクラゲ」は絶品!

陸前高田市は東日本大震災で大変な被害を受けました。しかし震災後もキクラゲの栽培を続けており、その品質も以前のものと変わりありません。有名レストランのシェフの舌も唸らせるキクラゲの味を、ぜひ堪能してみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. ほとんどが輸入品だが、岩手県の陸前高田市では栽培されているキノコは?

A.キクラゲ