石川県の「能登牛丼」で、アクセントとしてかけられるソースとは？

日本の各地には、その土地の特産品を生かしたご当地グルメというものがあります。石川県の能登地方では、能登牛丼が有名です。ボリュームたっぷりでがつがつ食べることができる能登牛丼とはどのようなもので、どのような魅力があるかを紹介します。

能登半島の恵みたっぷりの「能登丼」

石川県の能登地区は、観光地としても非常に有名な土地であり、豊かな食材を生かしたご当地グルメでも人気があります。様々なご当地グルメがありますが、「能登丼」はとくに有名な一品です。輪島市をはじめとして珠洲市、穴水町、能登町の行政と民間事業者、地域づくり団体などが共同で設立した「奥能登ウェルカムプロジェクト推進協議会」が始めた「奥能登食彩紀行プロジェクト」の中で生み出されたご当地グルメであり、能登地方の活性化に大いに活用されています。能登で作られているというだけではない、様々な定義があります。

「能登丼」の条件のひとつは、まず食材が奥能登で作られた・採られたものを使用するということです。丼に欠かすことができないごはんは、奥能登で作られたコシヒカリを奥能登の水で炊き上げなければなりません。そしてどんぶりの決め手であるネタの食材は、地場でとることができる旬の魚介類や能登で育てられた野菜類に肉類、地元の伝統食材を使用することがきめられています。また、これらの食材を用いて、健康・長寿・ヘルシーな調理法にこだわって作られていることが必要です。いくら能登の食材を使用していたとしても、脂分が過多で塩分が多いといったものは認められません。

オリジナリティにあふれながらも、塩分は控えめで動物性油は使っても少量です。これらの条件に加えて、食器に対してもこだわりがあります。「能登丼」を提供する際には、能登で作られた器と箸を使わなければなりません。飲食店などで提供された場合には、箸を客にプレゼントすることになっています。これらの条件を満たして、奥能登地域でふるまわれているものが、「能登丼」です。中でもどんぶりのタネに牛肉を使用したものを「能登牛丼」といいます。

「能登牛丼」は、能登で育まれた質のいい牛肉を使い、特製のソースを使用した、ボリュームたっぷりで食べ応えもおいしさも満点の能登丼です。

「能登牛丼」とその魅力

「能登牛丼」は、単に能登で育てられた牛を使用した牛丼ではありません。幻の牛肉ともいわれている能登牛を厚切りのサーロインステーキにして、特製いしるを隠し味にした山椒ソースと肉汁をたっぷりとかけます。仕上げには七尾産の能登野菜である中島菜を塩漬けしたものを刻んで散らして食感のアクセントとしたものが「能登牛丼」といわれます。「能登牛丼」は、味も見た目も非常に魅力的なご当地グルメです。塩漬けされた中島菜が散らしてあるため、見た目にも色鮮やかで、牛肉の上で映えて食欲をそそります。

「能登丼」すべてで使用される奥能登産のコシヒカリは、ひとつひとつの粒が大きくさっぱりしているため、どんぶりのタネの味を損なうことなく、すっきりとしつつ食べ応えがあります。能登の名産品のひとつである能登牛は、流通量が少なく石川県でしか食べることができません。黒毛和牛のブランド牛で、丁寧に育てられた中でも最上級のものだけを使用します。霜降り部分が少ないですが、肉本来のうまみを楽しむことができ、柔らかい肉質をしており、あふれ出る肉汁がたまりません。特製の山椒ソースは、山椒のスパイスのバランスが絶妙で、肉汁と合わさってごはんにしみ込み贅沢な逸品となっています。

一口口に入れれば、ジューシーでやわらか、漬物のカリカリとした食感と塩味、山椒ソースがアクセントとなり、非常においしいです。