石川県のB級グルメ「ハントンライス」ってどんな料理?

「ハントンライス」という食べ物を聞いたことはあるでしょうか。石川県で食べられているB級グルメで、見た目はオムライスにも似ています。しかし、ハントンライスとオムライスは、別の食べ物なのです。ハントンライスは、テレビや雑誌などのメディアで何度も取り上げられたことから、知名度も急上昇してきています。この記事では、注目度大のハントンライスについて紹介します。

ハントンライスとは何か

ハントンライスは、石川県で愛されているB級グルメのひとつです。ハントンライスを初めて見た人は、もしかしたら「これはオムライスなのでは?」と思うかもしれません。バターライスをケチャップで味付けしたケチャップライスの上に、薄く焼いた卵が乗っているからです。しかし、オムライスと異なるのは、そこに白身魚のフライが乗っていることと、タルタルソースがかかっていることでしょう。カレイの仲間であるオヒョウという白身魚を使ったフライが乗っているのが、ハントンライスの定番です。

しかし、1970年の終わりごろ、白身魚の代わりにエビフライを乗せて販売するお店が出てきました。それをきっかけにして、いろいろなバリエーションがあるのが実情です。たとえば、中身のケチャップライスの代わりに、チキンライスやベーキライスを使っているところもあります。ベーキライスは、ピラフやチャーハンのようなものを想像してもらえばいいでしょう。ハントンライスのために使われることがほとんどですが、東京の一部の店舗では、このベーキライスを販売しているところもあります。また、トッピングについても、エビフライ、チキンの唐揚げやトンカツといった魚介や肉を使うところも多いのです。これらを組み合わせると、バリエーションはとても豊富だと言えるでしょう。

このハントンライスは、オムライスと同様に洋食のひとつという位置付けになっています。また、人によっては「ハントン風ライス」と呼ぶこともあるようです。石川県のB級グルメとして知名度が上がってきていますが、地元では金沢市の郷土料理として広く知られています。メディアに取り上げられたことから全国的にも知られるようになり、ハントンライスを販売する飲食店は、金沢だけにとどまらなくなりました。穴水町や七尾市、さらには富山県の一部の飲食店でも、このハントンライスを販売しています。

なぜ「ハントンライス」なのか

オムライスにも似ているこの食べ物ですが、なぜ「ハントンライス」と呼ばれているのでしょうか。一般的には、ハンガリーの「ハン」と、フランス語でマグロという意味の「トン」をあわせた造語だと言われています。

なぜここでハンガリーが出てくるかというと、ハントンライスの原型とされる料理が、ハンガリーの家庭料理だったといわれているからです。参考にした料理は、スクランブルエッグに魚のフライを乗せてケチャップをかけたものとされています。関係者たちのあいだでは、この説が有力となっているのです。しかし実際には、ハンガリーにそのような料理は存在しません。といっても、ハンガリーが全く無関係というわけではないようです。

ハンガリーには、マグロのフライを使った家庭料理が存在します。その名も「ラントット・トンハル」と言い、トンはハンガリーでマグロという意味になるのです。そして、ハンガリーではこのマグロのフライにタルタルソースをかけ、パプリカや塩をかけたご飯と一緒に食べます。そのため、金沢に住むハンガリー人たちは、この料理がハントンライスの由来なのではないかと考えているのです。

ハントンライスが誕生したきっかけ

ハントンライスが誕生したのは、1960年代の終わり頃のことでした。その頃、金沢で有名だった「ジャーマンベーカリー」というパン屋の社長が、レストランを出店しようと考えます。そのときに洋食を担当するシェフたちと考えて生まれたのが、ハントンライスだったといわれているのです。ハントンライスにつながる直接的なアイディアは、料理長から出されたものでした。料理長が修行中に作っていたまかない料理が、パプリカとバターで味付けしたご飯に、残りもののマグロのフライを乗せたものだったのです。

このまかない料理をベースとして、万人に受け入れられるよう、ご飯の味付けをケチャップに変えました。そして、ケチャップライスに薄く焼いた卵を乗せ、トッピングに白身魚のフライをかざり、ケチャップとタルタルソースをかけたのです。これが、ハントンライスのもともとの形だったとされています。

こうして誕生した、全く新しい洋食である「ハントンライス」は、若者たちから絶大な人気を得るようになるのです。ジャーマンベーカリーがオープンしたレストランの看板メニューとなったハントンライスは、独立したシェフたちによってさらに広められていきます。自分のお店を持ったシェフたちは、そこでもハントンライスを提供し、そうして金沢中のレストランで食べられるようになったのです。オムライスやフライといった若者が好みそうな組み合わせも、その人気を後押ししたと言っていいでしょう。

もともとのレストランはなくなってしまいましたが、ハントンライスは「金沢の料理」として、たくさんの人から親しまれています。ボリュームが多く、値段もリーズナブルであることも、ハントンライスが好まれる理由と言えるでしょう。たくさんの店で提供されており、さまざまなバリエーションが存在するのもハントンライスが愛されている証拠です。金沢グルメとして人気のあるハントンライスは、金沢にしっかりと根付いていると言えるでしょう。

金沢市ってどんなところ?

石川県金沢市は、石川県のほぼ真ん中に位置する市であり、石川県の県庁所在地にもなっています。金沢市へは、東京から新幹線を利用して2時間半ほどで行けるので、アクセスもいいと言えるでしょう。金沢駅を中心として、徒歩で行くことができる半径2km以内に、有名な観光地がほとんど集中しています。そのため、金沢駅を基点にして動けば、とても効率よく観光することができるのです。

金沢市といえば古都の呼び声も高く、風情ある歴史的な街並みを、のんびり散策することができるでしょう。カフェやギャラリーなどもあるので、たっぷりと時間をとってゆっくり見て回るのがポイントです。また、日本三名園のひとつである兼六園や、日本百名城にもなっている金沢城も金沢駅からほど近い場所にあります。これらは金沢でも特に有名な場所になるので、しっかり押さえておくといいでしょう。

また、タクシーやバスを使えば、個性的な外観で注目度が上がっている金沢21世紀美術館にも行けます。各国を代表するようなアーティストたちの作品は面白いものや不思議なものが多く、見ていてとても楽しめるでしょう。また、この美術館には無料で見られるゾーンがあるのも特徴です。有料ゾーンもありますが、まずは無料ゾーンを見てから決めるということができるのも、この美術館ならではと言えます。

石川県のB級グルメであるケチャップライス「ハントンライス」を食べに行こう

ハントンライスは石川県でとても愛されているB級グルメだと言えます。見た目はオムライスに似ており、ケチャップライスや卵を使うといった点も共通しています。しかし、一度ハントンライスを食べた人にとっては、この2つは全く別の料理となるのです。ボリュームがあり、値段もリーズナブル、そしてバリエーション豊富なハントンライスは、金沢市を代表する食べ物と言えるでしょう。注目度もますます上がっているハントンライスを食べに、ぜひ石川県を訪れてみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 金沢のB級グルメ「ハントンライス」。ライスはどんなものを使う?

A.ケチャップライス

Q. 金沢のB級グルメ「ハントンライス」で、上からかけるソースは?

A.タルタルソース

Q. 金沢のB級グルメ「ハントンライス」。この「ハン」とは何の略?

A.ハンガリー

Q. 金沢のB級グルメ「ハントンライス」。この「トン」とはどんな魚のこと?

A.マグロ

Q. 『グリルオーツカ』などのお店で食べられる、金沢市のB級グルメといえば?

A.ハントンライス

Q. 金沢のB級グルメ「ハントンライス」で、普通トッピングされているものは?

A.白身フライ