竹串に刺したまんじゅうにタレをつけて焼いた「焼きまんじゅう」はどこの都道府県の名物?

焼きまんじゅうは、まんじゅうに、濃厚な味噌タレを塗りながら、香ばしく焼き上げるのが特徴で、江戸時代から庶民のおやつとして愛されてきました。その焼きまんじゅうについてくわしく紹介していきます。

県民のソウルフード

焼きまんじゅうは、蒸したまんじゅうを竹串に刺し、炭火の上で味噌タレを塗りながらこんがりと焼き上げます。まんじゅうの生地は、ふんわりしているものの少々噛みごたえもあり、中華まんじゅうとパンが合わさったような食感です。長い竹串に4個のまんじゅうを刺し、焼き鳥や蒲焼のように、タレを塗りながら焦げ目が着くまでじっくりと焼いていきます。味噌タレは濃厚で甘味が強く、完成品は黄金がかった茶色に仕上がります。特徴ある姿かたちは、ひと目でそれと分かる群馬県の名物であり、群馬県民のソウルフードです。時間が経つとまんじゅうの生地が噛みきれないほど固くなるので、出来たての熱々を頬張るのがいちばん美味しい食べ方です。冷めて固くなったら、アルミホイルに包むなどしてタレが焦げないよう再加熱します。お土産にするなら、後から調理するテイクアウト専用のものがおすすめです。

焼きまんじゅうは江戸時代末期からおやつとして食べられてきました。小麦の生産が盛んで、うどんなどの粉もの製品が多い土地柄が関係しているようです。前橋市、伊勢崎市、太田市、館林市、桐生市がある東毛地域や、高崎市などを中心に発達し、群馬県全域に広まりました。屋台の出店から専門店まで、焼きまんじゅうを売る店は数十店以上はあるとされ、老舗と呼ばれる名店ともなると、地元民のみならず、連日多くの観光客が足を運んでいます。焼きまんじゅうはとてもボリュームがあるのに値段は1串150~200円と大変リーズナブルです。今も昔も庶民に愛されるおやつなのです。

餡子が入った焼きまんじゅうはアリ?

長年受け継がれてきた伝統の味・焼きまんじゅうですが、近年になって餡子入りの焼きまんじゅうが登場しました。新しい味を好意的に受け入れる人と、餡子入りは邪道であるから認めないという人に別れ、群馬県民の間ではしばし議論が起こるということです。ちなみに元プロレスラーでタレントの北斗晶さんは、2017年にロケで群馬を訪れた際、昼食に焼きまんじゅうを食べたと自身のブログで報告しました。焼きまんじゅうが好きで何度か食べたことがある北斗晶さんですが、この日初めて餡子入りの焼きまんじゅうに遭遇しました。「しょっぱさの中に甘いのが入ってて最高」とおいしくいただいたようです。餡子入りはアリかナシか、食べ比べてみるのもいいですね。

焼きまんじゅう愛にあふれた「上州焼き饅祭」

伊勢崎市には、毎年1月11日の初市の日に伊勢崎神社の境内で開催される「上州焼き饅祭」というユニークなお祭りがあります。社殿で巨大な大串まんじゅうを焼く神事で、正月の風物詩となっています。まずは年男年女から選ばれた男女各2名・計4名が、直径55cmのまんじゅうに各自願いを込めた漢字1文字を食紅で書きます。ひとつのまんじゅうは通常の300個分の量なのだそうです。漢字を書いたまんじゅう4個を串に通し、巨大な刷毛で味噌タレを塗りながら、大勢が力を合わせて巨大な焼きまんじゅうを焼き上げます。完成した焼きまんじゅうは、細かく切り分け「福分け」として参詣者にふるまわれます。この日は市内でも焼きまんじゅうにちなんだイベントが開催されます。普通サイズのまんじゅうを長さ20メートルの台で焼く「長串まんじゅう」というというもので、こちらは一般でも参加できます。

いつまでも変わらない故郷の味

焼きまんじゅうは長い間、群馬県の郷土食として受け継がれてきました。ご当地グルメブームで広くその存在を知られるようになりましたが、おじいちゃんおばあちゃんが「子供の頃から食べてきた」懐かしい味です。これからも変わらず愛されていくことでしょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 竹串に刺したまんじゅうにタレをつけて焼いた「焼きまんじゅう」はどこの都道府県の名物?

A.群馬県

Q. 群馬県の郷土料理「焼きまんじゅう」の特徴は?

A.串にさしてある

Q. 毎年1月11日の初市の日に伊勢崎神社の境内で開催される、群馬県伊勢崎市のお祭りは?

A. 上州焼き饅祭