平成25年、リンゴの生産量が全国１位の都道府県とは？

今回はリンゴの生産量が全国1位の都道府県を紹介します。その知名度と人気は、いまや日本国内にとどまらず、海外にも広まっています。味よし、香りよし、体によし、と三拍子そろったリンゴは、アジア各国を中心に輸出量が伸び、観光客の方々も様々な売り場で購入しています。

りんご「完熟おいらせ」3kg_A19

産地以外ではめったにお目にかかれない上質な完熟りんごです。

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じょっぱり精神を生かしてつくられるリンゴ

青森県は、本州最北端に位置し、風光明媚な観光資源に恵まれています。降雪量と降雪深度は全国1位、降雪日数は北海道につぐ2位という豪雪県でもあります。中央部に位置する津軽地方では、津軽富士と呼ばれる岩木山と八甲田山系から流れる雪解け水の恩恵を受け、高品質で味の良い農作物が収穫されています。雪と生活をともにしてきた津軽人気質は、じょっぱり、と形容されます。春を待つ民の本質を突いた言葉で、一本気と言えば聞こえはいいですが、強情で融通が利かないという面もあります。いまでは少なくなりましたが、冬期間、農家の人たちが都心へ出稼ぎに行くことがありました。言葉数が少なく、しかし、黙々と生真面目に仕事をすると重宝されました。それも、じょっぱり精神のなせる業だったのです。そんな農家のつくるリンゴですから、品質も美味しさも保証されるというわけです。

短い夏だからこそ心まで燃える夏になる

雪解けの季節が近づけば、春の桜が楽しみになります。弘前公園の桜祭りは全国に名を轟かせていますが、それもそのはずで、桜のドクターとも言える桜守が手塩にかけて育てています。しかも、そこにはリンゴの枝の剪定技術が生かされています。リンゴの木は、あまり上に枝を伸ばしてしまうと収穫ができなくなってしまうため、横へ横へと伸びるように枝を切って調整するのです。見ごたえのある桜もまたリンゴの恩恵を受けているということです。
青森の夏は短く、だからこそ津軽衆は心を燃やして祭りに参加します。黒石ねぷた祭り、弘前ねぷた祭り、青森ねぶた祭り、五所川原立佞武多祭り、と様々な種類があり、囃子や太鼓のリズムが違います。山車のかたちが特徴的で、扇型をしたねぷたは絵画的、人形型をしたねぶたは彫刻的です。わずか数日の祭りですが、津軽衆はその囃子の音色が聞こえてくると心が、じゃわめぐ、のです。津軽の方言で、奮えるという意味です。そんな夏の最中に早生種と呼ばれるリンゴの収穫がはじまります。雪がちらつく師走に入るまで、中生種、晩生種と様々な種類のリンゴが収穫されていきます。

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リンゴは健康サポートの王様

多いのは生産量だけではありません。品種も様々あります。フジやジョナゴールド、王林といった主力品種のほかにも、毎年のように新しい仲間が増えています。アップルパイやタルトなどのスイーツをつくる方には、酸味の強い紅玉がお馴染みです。近年は黄色のリンゴが多くなる傾向にありますが、赤いリンゴよりも手間が省けるからです。赤いリンゴは、よく陽が当たるように葉を取り、蔓回しといって陽が当たる角度に実を調性しなければなりません。陽が当たると色づきがよくなるからです。黄色いリンゴのほかにも、葉取らずリンゴといって葉を取らずに収穫するタイプも現れました。葉を取らないため、栄養分が豊富に行き渡り、味も濃く、甘さが増します。
リンゴの魅力は、その美味しさばかりではありません。栄養面でも優れていることは証明済みです。体内の塩分を排出する作用があるカリウム、腸の働きを活発にして消化吸収を助ける食物繊維、整腸作用を促すペクチン、疲労に効果を発揮するリンゴ酸やクエン酸、さらにビタミンCや100種類以上のポリフェノールも含まれています。このポリフェノールのなかのプロシアニジンには、脂肪の蓄積を抑制する働きがあることが明らかになっています。たくさんリンゴを食べたいところですが、カットしたり、皮を剥いたりするのが苦手という人もいるでしょう。そんな方には、カットされたリンゴも販売されています。リンゴはカットしてしまうと色が変わるのですが、この商品は長年の研究結果の賜物で変色しない技術が施され、ホテルのバイキングなどでも活躍しています。