名古屋名物の「名古屋コーチン」といえば、何の品種?

愛知県を代表する食べ物といえば、数ある中でも八丁味噌と名古屋コーチンが有名です。全国でも最高クラスの高級食材として、グルメの舌を魅了しているのが名古屋コーチンです。全国的に広く認知されていますが、いつどの様に現れたか知る人は少ないでしょう。

名古屋コーチンとは

愛知県を代表する名古屋コーチンの歴史は明治初期に始まります。明治維新で禄を失った旧尾張藩の藩士、海部壮平と海部正秀の兄弟が中国のバフコーチンという品種の鶏を入手して、岐阜地鶏との交配を何度も繰り返して生まれた鶏が始まりです。その鶏は、強健、温厚な性質で、肉質も良く産卵能力も高かったので、尾張地方だけでなく京都、大阪を中心に評判になりました。その後一時外国の卵の輸入により名古屋コーチンは激減し、一時は絶滅しかけましたが、愛知県が品種改良を続けた結果もっとも美味しい地鶏の一つと言われる名古屋コーチンになったのです。

その名古屋コーチンの特徴ですが、鶏冠は鮮やかな赤色で単冠の形をしています。目は赤栗色をしており耳朶は鮮赤色、嘴は淡黄褐色で足は灰色です。羽色は基調をバフ色(淡い黄褐色)で、雄はやや赤みの強い羽色をしており、尾羽は緑黒色をしています。雌はほとんどの羽色がバフ色で、一部に尾羽の先端が黒色になっているのもあるそうです。光沢のある羽とひきしまった筋肉が凛とした姿に映ります。もともと卵をよく産み肉質も良いことから、明治38年日本初の実用鶏種に認定され、名古屋コーチンは飼育されてきました。昭和の時代に肉用が、平成の時代には卵用の名古屋コーチンが分けられて飼育されるようになりました。

名古屋コーチンの肉の特徴

名古屋コーチンは明治から昭和30年代まで、養鶏産業の発展に貢献してきました。しかし、昭和37年以降外国産の鶏の輸入が始まってから、名古屋コーチンは激減し、種の絶滅の危機にまで陥りました。そこで、地鶏肉の生産という新たな展開を愛知県は行ったのです。そこには、愛知県の鶏料理に欠かせない昔ながらの「かしわ肉」の味を求める消費者の声がありました。1984年(昭和59年)愛知県が肉用に品種改良を行い、肉用の名古屋コーチンの供給が開始されたのです。供給される名古屋コーチンは2週齢の鶏で、体重が雄で2.7~3.0kg、雌が2.0~2.4kgが基準になっています。

名古屋コーチンの肉質は弾力に富み、よくしまって歯ごたえがあります。味は「コク」と「旨み」がとても強く、その特徴が愛知県の人々が求める昔ながらの「かしわ肉」の味を再現しているのでしょう。有名な名古屋コーチンの鶏料理に、手羽先がありますが、よく締まった身の歯ごたえと口に広がるジュージーな肉汁に魅了され、愛知県だけでなく全国にもファンが大勢います。その他に親子丼や水炊き等、名古屋コーチンのグルメはたくさんあります。名古屋コーチンの味を求めてたくさんの人達が愛知県を訪れます。

名古屋コーチン卵の特徴

2016年(平成12年)愛知県は採卵を目的とした卵用名古屋コーチンの供給を始めました。もともと品種改良以前からよく卵を産む品種でしたが、愛知県の品種改良の結果、採卵用に飼育されている名古屋コーチンが1年で産む卵の数はおよそ250個です。約70%という産卵率をほこっています。名古屋コーチンの卵の卵殻はとても美しい桜色をしているのが特徴です。卵の大きさはやや小ぶりで、卵黄の色は濃い黄色です。卵の中には白い斑点が付いているものも見受けられます。舌触りはとてもなめらかで、その味は「濃厚」で「コク」があり大変美味しいと評判です。愛知県はおおむね味付けが濃いめですが、名古屋コーチンの卵は、どのような味にも負ける事の無い存在感があります。

名古屋コーチンの魅力は品種の凄さにあり

愛知県を代表するブランド名古屋コーチンの魅力は、旨みたっぷりの肉と旨みとコクを併せ持つ卵、どちらも高品質のものだということでしょう。このような今話題の二刀流のような存在感のある品種は、名古屋コーチンをおいて他にはないでしょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 名古屋名物の「名古屋コーチン」といえば、何の品種?

A. 鶏肉

Q. 次のうち、「名古屋コーチン」の特徴として当てはまらないのは?

A. 卵のサイズが大きめ