サバ缶がアクセント!山形県名産のうどんとは?

今回は山形県の名産うどんを紹介します。その誕生、そして名前の由来を知ると、そこには厳しい環境を耐えた人々の知恵が詰まっています。そして、サバ缶によって大きな進化を遂げたのです。

地域の歴史が詰まったうどん

山形県の名産であるひっぱりうどんには、地域の歴史が詰まっています。ひっぱりうどんが誕生したのは、山形県の内陸部にある村山市戸沢地域でした。この地域は冬になると寒さが厳しく、人々は炭焼きをしながら暮らしていました。作業をする為には、山にこもり、火の側から離れる訳にはいかない状態の時に、乾麺を茹でて塩を振り食べていました。その食べ方は次第に家庭でも食べられるようになり、大根などのおろし汁につけて食べていました。ひっぱりうどんは、厳しい冬を乗り切る為の知恵から誕生したのです。やがて、納豆やサバ缶をつけ汁に入れるようになり、美味しさは更にアップしました。

ひっぱるほどの美味しさ

山形県の名産として知られるひっぱりうどんですが、なぜうどんなのにひっぱるのか、そしてなぜサバ缶をつけ汁に入れるようになったのか、その理由を説明します。まず、ひっぱりうどんの名前の由来ですが、そこには諸説あり、茹で上がったうどんを鍋からひっぱるから、または一緒に食べる納豆の糸を引く姿から、そう呼ばれるようになったと言われています。そして、ひっぱりうどんとの相性が抜群のサバ缶ですが、なぜサバ缶なのかというと、1960年代にマルハニチロの工場が村山市に出来た事と関係があります。缶詰は寒い地域にとっては大切な保存食です。そして、家庭内で同じく保存食だったひっぱりうどんと合わせる事で、最高の食べ方が完成したのです。

ひっぱりうどんというのは、うどんの名前ではなく、うどんの食べ方の名前です。乾麺を使用するという事から、素麺を使う家庭もあります。そして、肝心の食べ方は、茹でた乾麺を、鍋から直接ひっぱり、自分が好きなつけ汁につけて食べます。地元の人々が一般的に食べている食べ方としては、納豆とサバ缶を入れて混ぜておきます。そこに、刻んだ葱を加え、醤油で味を整えます。そして、好みで生卵などを加えて、つけ汁は完成です。この時にサバ缶は水煮を使い、その汁ごと入れるのがポイントです。他にも、つけ汁には自分が好きなアレンジを加える事が可能です。

ご当地グルメとしての誕生

そして、山形県の名産だったひっぱりうどんが、全国的に脚光を浴びる時が来ました。2000年に入り、ご当地グルメブームが始まりました。その地域でしか食べられない名産というのは、多くの人々を魅了しました。ひっぱりうどんも、テレビなどで紹介され、そのサバ缶をつけ汁に入れて食べるという独特な食べ方と、美味しそうに食べる県民の方々の姿に、ひっぱりうどんは次第に山形県以外にも広がっていきました。山形県では、「ひっぱりうどん研究所」も完成しました。

市役所の企画担当部署で、地域活性化の為に、山形県名産のひっぱりうどんで地域おこしをしようというのが始まりでした。ひっぱりうどんのイベントや、うどんに関するイベントなどを通して、多くの人々に、ひっぱりうどんの美味しさを伝える努力をしています。また、山形県には「ひっぱりうどんのテーマソング」も誕生しました。最初は、厳しい寒さを乗り切る知恵だった食べ方が、今や山形県の名産として、広く愛される存在となりました。そこには、山形県の名産を愛し、その美味しさを広めようとする人々の努力が込められているのです。

山形県名産ひっぱりうどんは、サバ缶との相性良し

これほどまでに山形県名産のひっぱりうどんが、広く愛される理由は、サバ缶との最高の出会いです。サバ缶と出会い、ひっぱりうどんは特別なうどんになったのです。サバ缶とうどんがこれほどまでに相性が良い事に気がついたのも、まさに生活の知恵なのです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 次のうち、実在する山形県名産のうどんは?

A.ひっぱりうどん