全国的にも珍しい冷たいラーメン「冷やしラーメン」は、何県の郷土料理?

ラーメンは熱々で食べるから美味しい、という人が多いかもしれません。しかし、郷土料理として冷やしラーメンが食べられている県があります。なぜこのような冷たいラーメンを食べるようになったのでしょうか。

食の宝庫で生まれた個性派ラーメン

山形県は食の宝庫だと言われています。さくらんぼやラフランスなどの果物を筆頭に、後述する芋煮やダシなどジャンルを問わず美味しい食べ物に恵まれているのです。ラーメンも山形県で愛されています。山形県のラーメンは県を構成する4つの地域、つまり庄内、置賜、村山、最上でそれぞれに特徴をもっているのです。まず、庄内のラーメンは魚介系のスープを全面に押し出しているのが特徴で代表的なものに酒田ラーメンがあります。次に、置賜のラーメンは味噌ベースの濃厚なスープに中太のちぢれ麺を使い唐辛子の入った辛味噌を乗せて食べるものと、あっさりとした鶏がらスープに細めのちぢれ麺が特徴的なものがあります。前者で代表的なものは米沢ラーメンで、後者では赤湯ラーメンが代表的です。

次に、村山のラーメンは牛骨でだしをとったまろやかなスープが特徴で甘みも感じられます。最後に、最上のラーメンはとりもつをトッピングするのが特徴で、代表的なものにとりもつラーメンがあります。とりもつは独特な食感であっさりとしているので食べやすいと人気です。

冷やしラーメンの歴史

上述の通り、山形県のラーメンは地域によって様々ありますがここでは冷やしラーメンについて説明します。山形県は東北地方に位置するため、本州の中でも気温が低いと思う人もいるかもしれませんが、過去に40度を超える気温を記録したことがあるほど暑い地域なのです。山形県は盆地であるため暖かい風が吹きおろし気温が上がるとされています。このような暑さを乗りきるために考案されたのが冷やしラーメンです。この冷たいラーメンが誕生したのが1952年で考案したのは山形市内のラーメン店だと言われています。

山形県では澄んだ水を確保できることから蕎麦が広く食べられていました。ある夏の暑い日、このラーメン店の常連の客が夏に蕎麦ばかりでなくラーメンが食べたいと要望したのが始まりです。店主はこの客の要望に応えたいという一心で試行錯誤を繰り返し、冷たいラーメンを完成させることに成功したのです。昆布やかつお節でだしをとり、あっさりとしたスープの上に氷が浮かんでいるのですがスープも体も同時に冷やしながら食べることができ県内はもちろん、県外からも多くの人が食べに来ています。

山形県のグルメ

山形県には上述の通り多くのグルメがあります。そのうち、まず芋煮が挙げられます。芋煮は山形県の郷土料理で牛肉やニンジン、里芋を醤油あるいは味噌で煮込んで作ります。県内の河原では芋煮会というイベントが行われテレビの特集でも取り上げられるなど人気のご当地グルメです。次に、ダシが挙げられます。ダシは村山地方で愛されている郷土料理です。キュウリやナス、ミョウガなどの夏野菜を細かく刻み醤油で味付けしたものです。使われる野菜には体温を下げる効果がありますので、暑い山形県ではピッタリの料理です。

また、納豆汁が挙げられます。これも山形県の郷土料理ですが古くは祭りの時期に食べられていたと言われています。納豆と芋がら、根菜類から作る汁で体を温めることができるだけでなく納豆に含まれる豊富な栄養を摂ることもできるのです。さらに、玉こんにゃくが挙げられます。山形県発祥とされている玉こんにゃくですが、醤油ダレでじっくりと煮込み箸や串に刺してカラシをつけて食べます。県内のドライブインなどで食べることができます。

山形県の郷土料理として人気の冷やしラーメン

このように、山形県の暑い夏を乗りきることを目的に冷やしラーメンは考案されました。この郷土料理は徐々に人気を広げていき、ご当地グルメとなったのです。そして、広く県民に愛されるようになった山形県のラーメン消費量は日本一を誇るまでになったのです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 全国的にも珍しい冷たいラーメン「冷やしラーメン」は、どこの郷土料理?

A.山形県