山口県を代表するお土産といえば、ふわふわの生地にとろけるクリームを包んだ銘菓を思い浮かべる人も多いはずです。実は、誕生のきっかけは意外な事情にありました。老舗菓子店「あさひ製菓」の歴史と、名前が決まるまでの興味深いエピソードを紹介します。
なぜ「月」?あさひ製菓と月でひろった卵の誕生秘話
あさひ製菓は、山口県柳井市にある老舗の菓子店です。看板商品の山口ういろうを作るために、大きなトンネル蒸し器を導入します。ただ、毎日稼働させると、ういろうを作りすぎてしまうという問題がありました。とはいえ、蒸し器をういろうだけに使うのはもったいないと、同じ蒸し器で別の菓子も作れないかと考えるようになりました。試行錯誤を重ねた末に生まれたのが、ふんわりとした生地でクリームを包んだ新しいお菓子です。ういろうの製造の合間に、新しいお菓子が誕生しました。
実は、あさひ製菓は以前から全日空の機内茶菓子を担当する菓子店のひとつでした。新商品の採用を提案したところ、すぐに機内茶菓子として採用されます。商品名は「月の卵」と「月でひろった卵」の二案が候補にあがっていました。男性陣はわかりやすさを理由に「月の卵」でほぼ決まりかけていましたが、女性の意見も聞いてみようとCAに尋ねた結果、全員一致で「月でひろった卵」が選ばれます。1986年(昭和61年)、ついに機内茶菓子として世に出ることになりました。
月でひろった卵が愛される理由に迫る
月でひろった卵に使われている水は「琴名水」と呼ばれる名水です。工場の敷地内から湧き出る清らかな水で、厚生労働省が定める「おいしい水」の要件をほぼ満たしている水として、知られています。毎日、多くの人が水を求めて訪れるほどの評判で、生地作りにも、蒸しあげる工程にも琴名水が使われています。
琴名水で蒸しあげた生地は、ふんわりとやわらかな食感です。中に包まれているのは、口の中でとろけるようになめらかなクリームです。生地とクリームが合わさり、やさしい甘さが広がります。刻んだ栗の食感がアクセントとなり、飽きのこない味わいを生み出しています。
月でひろった卵は、長年にわたり数々の賞を受けてきました。1994年(平成6年)には金沢菓子博で内閣総理大臣賞をはじめ、2008年(平成20年)に姫路菓子博で名誉総裁賞、2017年(平成29年)にはお伊勢さん菓子博で厚生労働大臣賞に輝いています。
進化し続ける月でひろった卵の魅力
月でひろった卵には、プレーンやショコラ、小野茶、岸根栗など、さまざまな味があります。姉妹品である「月でひろぅた卵」は、山口の方言を商品名に取り入れ、県産の夏みかんを使った菓子です。加えて、山口の名所を描いたシリーズや、季節限定フレーバーを味わえるのも魅力です。
他に、人気キャラクター「うさまる」とのコラボ商品も展開しています。作者sakumaruさんが描き下ろしたイラストを使った限定パッケージが登場し、Instagram・Xでも「ツキ(運)を呼ぶお菓子」として話題を集めました。毎年7月14日には「月卵誕生祭」も開催されるほどの盛り上がりです。
さらに2023年(令和5年)12月28日には、10年ぶりにパッケージを一新しました。箱や包装紙には高級紙を採用し、上質感のあるデザインになっています。1500個に1個の割合で、うさぎの焼印が入る仕掛けも、おもしろいポイントです。
月でひろった卵の店舗情報・通販でのお取り寄せ方法
月でひろった卵は、山口県柳井市にある果子乃季総本店で購入可能です。総本店では、作る過程の様子をのぞける工場見学も体験できます。県内には岩国店や新南陽店、遠石店などの直営店があるので、近くの店舗を探して立ち寄ってみるのもおすすめです。
直営店に加えて、山口宇部空港のANA FESTAや新山口駅、県内の主要なサービスエリアでも取り扱われています。下関市の大丸下関店など、百貨店の売り場でも購入が可能です。旅行や出張、ドライブの合間に立ち寄れる場所が多く、便利さが際立ちます。
直営店や取扱店に行けない場合は、通販を利用する方法もあります。公式オンラインショップのほか、Yahoo!ショッピングや楽天市場の公式店舗でも注文が可能です。常温で保存できるため、全国どこへでも安心して届けられます。現地に行けない人でも、変わらない味わいを楽しめます。
誕生の物語や名水へのこだわり、進化を続ける味わいなど、月でひろった卵は魅力にあふれた山口銘菓です。店舗はもちろん、通販でも気軽に手に入るので、山口県を訪れる機会がない人にも安心です。気になった人は、ぜひ一度、月でひろった卵を味わってみてください。
ザ・ご当地検定の問題
Q.山口県の老舗菓子店「あさひ製菓」が販売する「◯でひろった卵」、◯に入る言葉は?
A.月









