秋田県と岩手県の一部地域でしか入手できない菓子パンをご紹介します。岩手県花巻市にあるオリオンベーカリーが製造しています。今回は、秋田県と岩手県で人気のご当地パンについて詳しく紹介します。
オリオンベーカリーの人気パン
オリオンベーカリーが製造するコーヒーサンドが誕生したのは40年以上も前のことです。秋田県平鹿郡増田町にあった雄平農業協同組合が最初にコーヒーサンドを製造し始めました。昭和22年ごろから牛乳の販売をしてきた雄平農業は、開業から順調に売上を伸ばしていましたが、それによって原料乳の過不足にも悩まされます。そこで余ってしまった生乳の処分に困った雄平農業は、昭和33年に余った生乳を用いて菓子パンの製造に着手します。すると、昭和40年代には牛乳の売上額を菓子パンやビスケットの売上額が上回るほど、人気を集める結果となったのです。
平成に入ると、少子化や消費低迷・原料の高騰など企業にとって苦しい時代が訪れます。雄平農業もその流れに悩まされ、競争力を高めるため高橋牛乳店や加賀牛乳店と経営統合することになりました。それから平成7年には、県経済連などの出資参画で秋田県農協乳業へと姿を変えます。秋田県農協乳業となり約15年間操業してきましたが、業績悪化のため平成24年には廃業・解散しています。その後、コーヒーサンドを含むパンの商標や販売権はオリオンベーカリーへと受け継がれました。
コーヒーサンドの見た目や味は?
コーヒーサンドはボリュームのある黒糖コッペパンに、コーヒークリームがサンドされた形の菓子パンです。コッペパンを縦に両断するように入れられた切込みに、コーヒー味のクリームが挟まれているといった昔ながらのシンプルな見た目となっています。コーヒークリームはほどよい甘味と、コーヒーの苦味を感じられる味に仕上がっています。飲み物のコーヒーに例えるなら、ミルクは入れずに角砂糖を1個入れただけの味です。苦味があるものの甘い黒糖のコッペパンがそれを緩和させるため、コーヒーが苦手な人でも楽しむことができます。
そのまま食べても美味しいコーヒーサンドですが、オーブンなどで少し温めて食べると美味しさが増すといわれています。温めるとコーヒークリームが少し溶けて、周囲の黒糖コッペパンに馴染みます。ただし、温め過ぎるとコーヒークリームが全部溶け、パンからこぼれ落ちてしまう可能性があるため注意が必要です。また、逆に冷蔵庫で冷やして食べるのも美味しいといわれています。夏には冷凍庫で保存しておいたコーヒーサンドを、数時間前から自然解凍して食べるのも楽しみ方の1つです。
コーヒーサンドの入手方法
コーヒーサンドは秋田県と岩手県にあるスーパーマーケットなどで購入できます。ただし、秋田県ならどこの地域でも売っているという訳ではないことに注意が必要です。コーヒーサンドは主に、秋田県の県南エリアのスーパーなどで売られています。秋田県の県南エリアに属するのは、仙北市や大仙市、横手市などです。ほかにも美郷町や湯沢市、羽後市や東成瀬村が県南エリアに該当します。男鹿市や秋田市など県央エリア、大館市や北秋田市など県北エリアでは売られているところが限られる可能性もあるため、購入の際は注意しましょう。オリオンベーカリーで人気のパンはコーヒーサンドのほか、メロンパン生地のシュークリームパンやウエハースをパンに乗せた形の三角カステラなどがあります。コーヒーサンドを入手するついでに、秋田県南と岩手県でしか入手できない人気のパン2種を探してみるのも1つの方法です。
秋田県・岩手県に立ち寄ったら昭和の味が楽しめるコーヒーサンドを探してみよう
40年以上前から地元民に愛されるコーヒーサンドは、昭和の味を楽しめる菓子パンとしても人気を集めています。秋田県と岩手県に立ち寄った際は、ぜひスーパーマーケットなどでご当地でしか入手できないコーヒーサンドを探してみてください。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 岩手県の『オリオンベーカリー』で生産されているものの、秋田県で人気のパン。何サンド?
A.コーヒーサンド