「第１回九州B−１グランプリ」でゴールドグランプリを受賞した、久留米の名物料理は？

「第１回九州B−１グランプリ」でゴールドグランプリを受賞した、久留米の名物料理は一体なんでしょうか？

B級グルメ日本一!「久留米やきとり」！！

埼玉県東松山市や福島県福島市、愛媛県今治市などなど…。全国に焼き鳥自慢の町は数あれど、福岡県久留米市も負けてはいません。久留米市には美味しさも豊富さもユニークさも誇れる「やきとり」があるんです。
久留米市内には200店舗以上の焼き鳥店があり、一時期は人口比が日本一と言われていました。このことから「日本一焼き鳥屋の多い街」を宣言し、PRと町おこしを行っています。
屋台の数も多い上、店舗となれば一人でもファミリーでも気軽に入れるお店も多く、久留米市は夜だけでなく昼間からやきとりを楽しむ賑わいがあります。
久留米のやきとりの特徴は、なんといっても種類が豊富であること。串に刺せさえすればなんでも「やきとり」と呼ばれる懐の広さで、鶏肉だけではなく、豚肉、牛肉は勿論のこと、馬肉に魚介類も野菜も串刺しで焼いていくスタイルでとにかく串メニューの数が多いのです。
そして、店舗ごとに工夫を凝らしたオリジナル串も多いので、さまざまな店をめぐりたくなってしまうのが久留米のやきとりの魅力とも言えます。

ユニークな名前の久留米の「やきとり」？！

種類豊富な久留米のやきとりですが、全国ではなかなか食べない部位や聞きなれない名前があり美味しい上にユニークです。
豚バラ…福岡県内ではメジャーな串メニュー。四角く厚めに切った豚バラ肉を串で通して焼いた一品。しっかりと火が通りカリカリになった部分が香ばしくジューシーで食べ応えもあり、定番中のド定番の「やきとり」です。
ダルム…久留米ならではの「やきとり」。豚や牛の小腸で、ホルモンだとヒモやシロモツ、マルチョウと呼ばれる部分にあたります。表面はカリッとした食感、じゅわっと旨味が広がりそこからもちもちの噛み応えという合わせ技で、満足度も人気も高い一串です。
センポコ…牛の大動脈です。これも久留米ならではのメニューのひとつで、コリコリとした弾力とクセのない味わいで、ビールやお酒によく合う一串です。ちなみにセンポコは、串だけではなく酢の物やバター炒めとしても人気があります。
ヘルツ…ハツやハーツと表記のあるお店も。ホルモンや焼肉でもおなじみの部位ですが、久留米のやきとりでは鶏の心臓のことを指します。ホクホクとしてしっかりとした噛み応えもあり、クセになる一串です。
サガリ…牛の横隔膜の腰椎付近で焼肉やステーキでも人気の部位です。ジューシーで柔らかさがたまりません。
かしわ…いわゆる鶏串のことです。メニューに「焼き鳥」や「鶏串」の表記が無くて心配になってしまうかもしれませんが、福岡県内全域で「かしわ」と表記されることが多いです。

焼き鳥店の数もお医者さんの数もトップクラス？！

ダルムは、腸の串焼きを出されたとある医大生がドイツ語で「Darm（腸）」と言ったことからそのまま名前が付いたそうです。
このように医療に縁のあるドイツ語が串の名前になったのは、久留米には大きな病院が多く、医大もあるということに由来しています。実は久留米はお医者さんの数も日本でトップクラスに多い町なのです。
そして久留米のやきとりは、医大生にもお医者さんにも愛されていることが伺えます。

野菜も、魚介類もなんでも「やきとり」！？

久留米のやきとり店では、まずザク切りキャベツがお皿で出てきます。
「酢だれ」のかかった生キャベツをバリバリといただいていると、焼きあがった串がそのキャベツの上に置かれていきます。大体のお店がこの無限に出てくる酢だれキャベツを受け皿にするスタイルです。
また、玉ねぎがキーアイテムで、串ものの肉の間には大体玉ねぎが挟んであるという名脇役ぶりです。お肉続きなのにたくさん食べられるのはこの玉ねぎが良い仕事をしているからでしょう。
イカ、エビなど魚介類ももちろん串刺しにして「やきとり」メニューとして並びます。
そしてユニークな巻物の串メニューが人気です。
アスパラ巻、ピーマン巻、トマト巻（プチトマト）、大葉巻、えのき巻…それぞれの具を豚バラ肉で巻き並べて串刺しにして焼いたメニュー。いずれの組み合わせも香ばしさとフレッシュさで食が進みます。
ちなみに巻物メニューにはチーズやプチトマトなど子供にも人気の具材が多く使われています。久留米の焼き鳥屋の中にはファミリーでのお食事処という面を大切にしている店舗もあり、店内は明るく座敷席やテーブル席には家族連れが夕食を楽しんでいる風景も見られます。
日本酒も焼酎も美味しい久留米。ぜひお酒のお供に夕食に、鶏肉だけではない種類豊富な「やきとり」はいかがでしょうか。お気に入りの一串を見つけてみてください。