山梨県の有名な郷土料理としてほうとうがありますが、夏によく食べられている山梨県の郷土料理に「おざら」というものがあります。このおざらとはどのようなものなのか紹介します。
ほうとうの冷やし!?
ほうとうの冷やしバージョンとも呼ばれる山梨県の夏の郷土料理「おざら」ですが、おざらを知る前にほうとうについて知っておかなければなりません。ほうとうは、幅広の麺をかぼちゃなどの野菜を味噌ベースの汁で煮込んだ料理で、農林水産省により「農山漁村の郷土料理百選」に選ばれている全国的にも有名な名物料理です。山梨料理のお店でほうとうを出していないお店はないと言っても過言ではないでしょう。
ほうとうは鍋でグツグツ煮込んで食べる料理なので、夏など気温の高い時期はいくら名物と言ってもなかなか食べるのはツラいものです。そこで、ほうとうの冷やしバージョンとして出てきたのが「おざら」なのです。元々山梨県の家庭ではおざらが食べられていたのですが、店舗で提供が始まったのは1970年代になってからで、夏場に食べやすいと口コミで広まり今では多くのお店で夏限定メニューなどで提供されるようになりました。
ほうとうとの違いは?
おざらはほうとうの冷やしバージョンとも呼ばれていますが、ほうとうをただ単に冷たくするという料理ではありません。ほうとうの麺を使ってはいるものの、おざらならではの特徴が存在しています。まず麺ですが、ほうとうの麺を使用していますが、鍋で煮込むのではなく普通のうどんなどのように大釜で茹でてから水で締めたものを使います。水で締められたほうとう麺は普通のほうとうのように汁に入れることはなく、そのままお皿やざるなどに盛り付けられて提供される形です。
皿やざるに盛り付けられたほうとう麺を、つけ汁に浸けるつけ麺スタイルで食べるのが「おざら」です。ほうとうは味噌ベースのものが多いですが、おざらの場合は鰹だしをきかせた醤油味が基本で、つけ汁は温かくなっています。ほうとう鍋と同じように具だくさんのつけ汁ではありますが、ほうとうはかぼちゃがメイン具材なのに対し、おざらは油揚げがメインの具材で野菜はほうとう同様たっぷりです。
最近ではおざらを提供しているお店が増えているので、お店によって様々な特徴を持ったおざらがあり食べ比べをしている人も多くなっています。おざらはほうとうと同じ麺を使用するのが基本ですが、ほうとう麺と冷麦の中間程度の麺を使用したものを出しているお店もありますし、釜揚げスタイルで麺をお湯の中に入れて提供するスタイルのお店もあります。
おざらはどこで食べられる?
おざらはほうとうと違って、山梨県外ではなかなか提供されているお店がありません。しかし、山梨県にあるほうとうを提供しているお店であれば、おざらを提供しているお店は多いです。ただし、ほとんどのほうとうのお店で、おざらは夏限定のメニューとして提供されており通年メニューとして提供されているお店はおざらの生みのお店など一部のお店だけです。したがって、夏の暑い時期であれば山梨県のいたる所で食べることが出来ますが、夏場以外におざらを食べられるお店はあまり無いので季節によって食べられるお店を見つける難易度は大きく変わります。
ほうとうと比較するとおざらの知名度はまだあまり高くはないですが、ほうとうと同じようにお土産用のおざらも製造・販売されています。山梨県のアンテナショップなどに行くとほうとうと並んでおざらが売られているのを見ることが出来るでしょう。
おざらを食べに山梨県へ!
山梨県の郷土料理と言うとほうとうをイメージする人も多いですが、比較的どこでも食べられるほうとうと違って、おざらは山梨県以外ではなかなか食べることが出来ない郷土料理です。おざらを食べに山梨県に旅行に行ってみてはいかがでしょうか。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 山梨県の料理「ほうとう」の麺に、とある工夫をすると「おざら」という料理になりますが、さて、どんな工夫?
A.冷たくする