鳥取県で開発された「なつひめ」といえば何の品種?

海・山・里の新鮮でうまいものが豊富な鳥取県。県内で開発された食べ物の品種に「なつひめ」というものがあります。一体、何の品種かご存知ですか?

鳥取県で開発されたナシ「なつひめ」!

郷土料理に海の幸、山里の幸も豊富な鳥取県。
中でも、梨といえば鳥取、といわれるほどの梨の産地で「二十世紀梨」の卸売数量においては70%のシェアを占め、全国第1位を誇っています。
そんな鳥取県には、実は鳥取大学や県が開発した新品種やオリジナルブランド梨が存在します。
8月中旬~9月上旬に旬を迎える「なつひめ」は、その「鳥取県オリジナルブランド梨」のひとつ。鳥取県園芸試験場(果樹野菜試験場)で生まれた青梨の早生種で、「筑水」と「おさ二十世紀」を掛け合わせ育成され、品種登録された2007年当時は「夏きらり」という名称でした。県内でしか苗木を流通させないこだわりの品種です。
なつひめの皮は「二十世紀」のようにフレッシュな黄緑色をしています。重さは凡そ350g程度で「二十世紀」よりも少し大玉です。食感はシャリシャリして青梨の良さがあり、味に関しては、甘みの強い赤梨の「筑水」と掛け合わせているため、果肉部分の糖度が高く中心部でも酸味が少ないという特徴がある、まさに双方のいいとこ取りの品種です。

「なつひめ」の先祖は、100年の歴史を持つ「二十世紀」!

「なつひめ」の親である「おさ二十世紀」ですが、その「おさ二十世紀」は「二十世紀」梨から生まれました。
今でこそ「二十世紀」収穫量全国一位の鳥取県ですが、かつては天災や病気などにより栽培の危機に面していました。
1904年に千葉県から導入され、100年以上も県内で栽培されている「二十世紀」。黒斑病や、台風・大雪の被害、戦後の資材不足など、多くの困難を先人の努力によって克服し、土づくり・せん定・人工授粉・摘果・袋かけなどの細やかな栽培技術と栽培管理により、「二十世紀」は長く鳥取県の主要な特産品ブランドとして君臨できているのです。
かつて「新太白」という名前で呼ばれていましたが、鳥取県に導入される同じ時期、質の高さが認められ「二十世紀」という名前が付きました。明治の人々の「二十世紀を代表する品種になるだろう」という希望が込められています。
青梨の「二十世紀」は、口に含んだ際のみずみずしさとフレッシュな甘酸っぱさが特徴です。この甘さだけを求めない絶妙なおいしさも長く人々に愛されているポイントでしょう。
丹精込めて、手間隙もかけ、窮地から復活した「二十世紀」梨には、生きた芸術品と称される理由がありました。

おいしい梨の選び方とは?

おいしい梨を選ぶときは、軸が太く、実の形がふっくらとしているもの、またツヤがよく、持ったときに重みを感じるものを選びましょう。ずっしりと重量感があるのは果汁が豊富な証拠です。
「二十世紀」や「なつひめ」のような青梨は、熟すにつれて青緑色から黄色みがかってきます。シャキシャキとした食感が好きな方は黄緑色のものを、酸味が少ないほうがお好みならば少し黄色がかったものを選びましょう。
赤梨は熟すにつれて皮の色が緑、黄土色、赤茶色に変わり、酸味が少なくなります。そのため皮の赤みが強いほど酸味が抜けて甘味を感じやすいでしょう。酸味が残っているほうがお好みなら、あまり赤みのないものを選びましょう。

鳥取県の梨は種類豊富!

鳥取県オリジナルブランド梨は、「なつひめ」だけではありません。兄弟ともいえる「新甘泉」という赤梨は、同じく鳥取県園芸試験場で育成され、2008年に登録された鳥取県のブランド梨です。
また鳥取県には「二十世紀」「なつひめ」「新甘泉」のほかにも、8月上旬から旬を迎える「早優利」「夏さやか」、10月下旬から出荷される「王秋」「あたご」など様々な品種が栽培されており、夏から秋にかけて続々と旬を迎えます。種類豊富な鳥取のおいしい梨、出荷の時期が少しずつずれることでリレー方式で全国へと出荷できるのです。
また8月下旬~9月下旬ごろには、県内の多数の観光農園で梨狩りを楽しむことができます。ぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか?

ザ・ご当地検定の問題

Q.鳥取県で開発された「なつひめ」といえば何の品種?

A.ナシ