ある山の名前が付けられた、滋賀県東近江の名物そばとは?

日本最大の湖・琵琶湖がある滋賀県。そんな滋賀県の米原市に名物そばがあります。そのそばとは一体どんなそばなのでしょうか?

日本のそば栽培発祥の地・伊吹山麓

そばの起源は、中国の雲南省といわれています。そんなそばが日本で栽培されたのは縄文時代と考えられており、縄文時代の遺跡からもそば属の花粉がみつかっているなど、大昔からそばは日本人にとって身近な植物でした。そんなそばですが、日本のそば栽培発祥の地とされているのが滋賀県東近江の伊吹山麓です。この伊吹山は山岳信仰の拠点で、修験の霊場としても知られている山です。

そんな伊吹山の中腹には、太平護国寺という平安時代後期から鎌倉時代にかけて開山した寺があり、その寺の僧侶や修験者の食糧確保のためにそば栽培が始まったとされています。伊吹山中腹は、傾斜のある石灰岩の分布地帯であることから排水性がよく、冷涼な気候や昼と夜の寒暖差が激しいことなど、そば栽培にぴったりな条件がそろっていました。そんな太平護国寺周辺のそば畑は、秋口になると長浜や琵琶湖の対岸の高島からもそばの白い花が見えたといわれるほど見事でした。そのため、交通の要所でもあった伊吹山周辺の地域住民や往来の人々に知られることとなり、徐々に伊吹山麓が日本のそば栽培発祥の地と言われるようになったそうです。そんな「いぶきそば」は、江戸時代には彦根藩から幕府に献上されたり、諸侯や藩士の贈り物に用いられました。

「いぶきそば」の特徴

そばの栽培地域である伊吹山の名前がついた「いぶきそば」は、他の地域の在来種に形状は似ているものの、小粒で緑みや香りが強いといった特徴があり、またうまみや甘味にも優れています。そんなそばの実を引いて作ったそば粉と鵜伊吹山麓の上質の湧水を使って打ったそばは、上質な香りと甘味を感じさせ、さらにのど越しもいい絶品のそばとなります。滋賀県の名物そば「いぶきそば」は、ねずみ大根のおろしで食べるのが一般的です。

ねずみ大根は、伊吹山から吹くとても冷たい風・伊吹おろしの中で育てられている滋賀県の伝統野菜で、10月から12月にかけて収穫されます。この大根は、長さ20cm程度のお尻部分が丸い寸胴型をしており、ネズミのようなしっぽがあります。また、葉っぱや茎は赤紫色をしているのが特徴です。地元ではねずみ大根の他、伊吹大根や辛味大根などとも呼ばれています。辛味が強い大根ですが、その中でも胴体にある細かなヒゲが四方八方に向かってばらばらに生えているものが、より辛味が強いです。このねずみ大根は、江戸時代から「いぶきそば」の薬味として評判となっていました。

米原市の観光スポット

滋賀県米原市には、梅花藻という珍しい水中花が見られる観光スポットがあります。そこは醒井に流れている、居醒の清水などから湧き出る清水によってできた地蔵川で、年間を通して14度という水温の川です。この梅花藻は、水温14度前後の清流にしか育たないという特徴があるため、全国的にも生息地が限られている植物です。梅花藻は、その名の通り梅の花に似た淡水植物で、5月中旬から8月下旬まで白い小さな花が見られます。

米原市には醒井木彫美術館があります。ここは、上丹生出身の彫刻家・森大造氏や今日の上丹生を築いた彫刻家の作品を展示した、木彫りに特化した美術館です。上丹生の木彫りは、江戸時代から150年の伝統があり、滋賀県指定の伝統工芸品にもなっています。

米原市には、English Garden ローザンベリー多和田という観光スポットもあります。ここには、13haの敷地内に約300種類、1200株以上のバラが栽培されています。イギリス製の煉瓦などを使用してこだわりぬいて作られた庭では、四季折々の美しい景色を堪能できます。また、料理研究家の関口絢子氏プロデュースしたバイキングレストランなどもあるため、花や庭を見て楽しむだけでなくお腹も満足できるスポットです

滋賀県の名物そば「いぶきそば」を食べに行こう

日本のそば栽培発祥の地である滋賀県東近江の伊吹山麓。そんな伊吹山の名前が付いた「いぶきそば」は、伝統野菜のねずみ大根のおろしと一緒に食べると絶品です。是非、そんな滋賀県の名物そば「いぶきそば」を食べに行ってみてはいかがでしょうか?

ザ・ご当地検定の問題

Q. ある山の名前が付けられた、滋賀県東近江の名物そばは?

A.いぶきそば

Q. 滋賀県の地蔵川で見られる水中花の名前は?

A. 梅花藻