埼玉県比企地域の伝統野菜を知っていますか?クセがなく、おひたしやゴマ和えのほか、さまざまな料理に使えるので知っておくと料理の幅が広がります。その野菜の特徴を始め、選び方や調理法などを紹介します。
比企地域の伝統野菜
のらぼう菜は菜ばなの一種で、茎・葉・花を食べる野菜です。伝統野菜復活の動きなどから特産化し、産地が拡大し、生産量が増えました。関東でよく食べられるようになったのらぼう菜ですが、九州や近畿などでもその美味しさが知られ、農家が栽培を始めるようになってきています。
のらぼう菜は、古くから埼玉県比企郡から栽培されてきました。江戸時代の天明・天保の飢饉の際に多くの農家で栽培され、役立ったとよく知られています。その内容が古文書で発見されたことがきっかけで、特産化に至りました。そんな生命力の強いのらぼう菜ですが、茹でて食べてみると、エグミが少なく茎の部分は甘みがあります。花芽の部分は菜の花特有の風味はありますが、茎はその独特な歯触りがとても美味しいです。ハウス物が2月中下旬くらいから出回り、3月~4月頃までが旬です。
のらぼう菜は、栄養素がとても豊富です。皮膚や粘膜の保護をするビタミンCや、腸をきれいにする食物繊維、カルシウム、鉄分などミネラル分など、毎日採りたい成分を豊富に含んでいます。
のらぼう菜の選び方と保存方法、調理のポイント
のらぼう菜の選び方
のらぼう菜は茎の柔らかさがポイントなので、茎が太すぎないものを選びましょう。また、茎が伸びすぎると硬くなってしまうので、つぼみがあまり伸びておらず葉から飛び出ていないものがいいです。収穫後は萎れやすいので、全体がシャキッとしたものを選びましょう。かき菜と似ていますが、のらぼう菜の方がかき菜より茎が太いです。また、収穫時期が違うので出回る時期も異なり、かき菜は1~2月の冬に収穫され出回り、のらぼう菜は春に出回ります。
のらぼう菜の保存方法
ほかの菜ばなと同じように、濡れた新聞紙などで包み、乾燥しないようにビニール袋などに入れ、冷蔵庫(野菜室)で保存します。そのとき、寝かせずにたてて保存します。寝かせてしまうと傷みやすくなってしまうので気を付けましょう。たくさん買ったときなどは、茹ででから冷凍保存することもできます。ゆで時間を短くし、固めにゆでるのがポイントです。
調理のポイント
茹でる場合は、固さが違うので茎は1分ほど、葉は30秒ほどとゆで時間を分けます。茹でた後に冷水ですぐに冷やすと、色落ちを防ぐことができます。茹でたては一段と歯応えが良く、のらぼう菜の美味しさがひと際感じられるので、ぜひ茹でたてを味わってみましょう。菜ばなのイメージが変わるかもしれません。茹でたものは、おひたしやゴマ和えはもちろん、ナムルや白和えなど、和え物に向いています。マヨネーズに醤油や辛子を加えた和風マヨネーズもよく合います。また、ポン酢ともよく合うので、茹でてかけるだけでも立派な副菜になります。
味噌汁やスープの具にも最適です。茎を短めに切って使うと食べやすく、スープともよくなじんで美味しいです。また、油との相性もよく、和食から中華、洋食まで幅広く炒めものなどに使えます。サラダ油やゴマ油はもちろん、バターやオリーブオイルなどもよく合い、ベーコンと一緒に炒めると子供にも人気な一品に仕上がります。そのほかに、卵や厚揚げなどと炒めても美味しいですし、パスタに入れるのもおすすめです。炒めものも、さまざまなバリエーションが楽しめます。
のらぼう菜を気軽に味わってみましょう
埼玉県特産の伝統野菜であるのらぼう菜。古くから栽培され、クセがなく栄養豊富な菜ばなです。春に出回り、料理に幅広く使えます。のらぼう菜という名前は初めて聞いた方もいるかもしれませんが、スーパーで見かけたらぜひ気軽に味わってみてください。
ザ・ご当地検定の問題
Q. おひたしやゴマ和えにして食べられる、埼玉県の伝統野菜は?
A.のらぼう菜