通常「やきとり」といえば鶏肉をタレや塩で味つけし、焼いたものを想像するでしょう。しかし埼玉県東松山市で愛されるやきとりはちょっと違います。ここではそのルーツなどについて探っていきましょう。
一度食べたら絶対クセになる!?東松山名物のやきとり
埼玉県東松山市では夕方を過ぎる頃になると、ポツポツと「やきとり」ののれんを掲げる店の姿が多くなります。戦後、昭和30年代から見られるこの光景は、ノスタルジックでとても風情のある光景です。
そもそもなぜ埼玉県東松山市では、みそだれで味つけした豚肉を串焼きにしたものをやきとりと呼んでいるのか、そのルーツがとても気になりますよね。
戦後の食糧難の時代、東松山駅周辺は、まだたくさんの桑畑に囲まれた田舎町でした。しかし世の中の経済成長と共に駅の乗降客も増え、次第に乗降客目当てのリヤカー式屋台の姿が見られるようになりました。当時の日本では、肉といえば高級食材でなかなか食べることができませんでした。当然屋台のメニューも、主にホルモンなど食肉としては使われていなかった安価な食材がメインでした。
一方、東松山名物のやきとりで使われている豚肉は、ほほとこめかみの部分の「カシラ肉」と呼ばれるところです。戦後の食糧難の時代、豚のカシラ肉はホルモン同様あまり食肉としては使用されず、主にハムやウインナーなどの加工肉として使われていました。東松山駅近くには食肉センターがあり、そこでは新鮮な豚のカシラ肉を安価な値段で手に入れることができました。この豚のカシラ肉に目をつけたのが、当時屋台を経営していた朝鮮出身の店主です。店主は、豚のカシラ肉にみそだれをつけて焼いたものを自分の屋台で客に提供してみたのです。これが東松山名物のやきとりの始まりだと言われています。
現代ではこの東松山名物のやきとりは、北海道室蘭市や愛媛県今治市と並ぶ「日本三大やきとり」の一つと称され、豚肉の甘味と辛みの強いみそだれが絶妙なハーモニーを醸しだし、人々の舌を虜にしています。
東松山市内では、およそ100軒のやきとり店が軒を連ねています。市内のどの店も豚のカシラ肉を使用することは決まっていますが、肉の切り方やみそだれの調合などはそれぞれの店により異なります。様々な店を訪れ、いろいろな味を楽しむのもまた一興です。
都心からのアクセスも抜群!埼玉のへそ、東松山市
豚肉のやきとりが名物の埼玉県東松山市。そんな東松山市は、埼玉県のほぼ中央に位置していることから「埼玉のへそ宣言」をしており、都心のベッドタウンとして有名な街です。関越自動車道で都心からのアクセスも抜群で、古くからの建造物やのどかな風景が楽しめる観光地としても人々の注目を集めています。
東松山市の花は「ぼたん」です。このぼたんの花の普及活動の一環として、平成2年3月に「東松山ぼたん園」が開園しました。約6500株のぼたんの花が楽しめる日本最大級のぼたん園です。ぼたんの花は4月中旬頃から色鮮やかな花をつけ始め、見ごろに開催される「ぼたんまつり」ではたくさんの観光客が訪れます。
自然豊かな東松山市では、多くの人々に東松山市の自然を体感して欲しいという思いから、「東松山ウォーキングセンター」を開設しています。この施設では、ウォーキングを楽しみながら、自然への理解を深めてもらえるよう様々な工夫を凝らしています。例えば、一年を通して飽きずに楽しめるよう、季節によって様々なウォーキングコースを設定しています。自然を満喫できるコースや市内の名所をまわるコースなどが体験でき、日々の生活から解放されてリフレッシュすることができるでしょう。
埼玉県東松山市に訪れた際には、名物豚肉のやきとりと自然を堪能してみてはいかがでしょうか。
埼玉県東松山市の名物やきとりは一度食べたらやみつきになる!
埼玉県東松山市の豚肉を使ったやきとりは、一度は味わってみたい一品として人気です。この名物やきとりの味は、地域の人々にとっては子供の頃から慣れ親しんできた味です。いろいろなお店をまわって、工夫を凝らした様々な味を楽しむのもまたおすすめです。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 埼玉県東松山市で食べられる「やきとり」は何の肉を焼いたもの?
A.豚肉
Q. 埼玉県のほぼ中央に位置していることから「埼玉のへそ宣言」をしている市は?
A.東松山市