煮びたしやフライなど、様々な調理方法で食べられている夏野菜のナス。また、京都の「賀茂なす」など、日本各地に伝統野菜のナスがあります。そんな伝統野菜のナスの中に、長野県の「ていざなす」というナスがありますが、どんなナスなのでしょうか?
長野県の伝統野菜のナス
ナスは、インド原産とされるナス科の野菜。日本には奈良時代に入ってきたといわれており、なすびなどとも呼ばれています。日本では、一般的なナスの色は紫ですが、インドなどの原産地周辺では白や緑色が一般的。形も丸や面長など、様々な形がある野菜です。
そんなナスの中に、長野県の伝統野菜の「ていざなす」があります。この「ていざなす」は、大きなもので30センチ以上にもなる長卵型の巨大ナスです。重さも400グラム以上とずっしりとした重さがあり、光沢のない赤紫色をしています。中を割ると小さな種子が多いですが、アクがほとんどなく、肉質は柔らかく甘みが強いのが特徴で、畑のフォアグラとも呼ばれているそうです。
長野県下伊那郡天龍村の伝統野菜のナス「ていざなす」
「ていざなす」の栽培が始まったのは1887年頃の長野県下伊那郡天龍村。天龍村に住んでいた田井沢久吉氏が、東京の種苗店から取り寄せた巾着型のナスを栽培を始めたのが最初です。そのナスは、村外不出のナスとして守られてきたことで、天龍村の伝統野菜として今に残っています。栽培当初は、生産者の名前から「たいざわなす」と呼ばれていましたが、その後徐々に変化して「ていざなす」と呼ばれるようになりました。
この「ていざなす」の収穫は、7月上旬から11月中旬まで。食べ方は、ナスの柔らかさや甘味を生かした焼きナスが一般的。焼きナスでも、鰹節とおろししょうがをのせたり、肉みそをのせたりと様々な味を楽しめます。天龍村のレストラン龍泉では、味噌田楽の「ていざなす定食」が夏の人気メニューです。
また、ていざなすを使ったジャムも販売されています。ていざなすを甜菜糖で煮詰め、そこに天龍村特産の柚子果汁をしぼったフルーティーなジャムです。食べるとナスとは思えないような、まるで果物を使ったジャムのような甘さと風味が楽しめます。お土産にもおすすめの一品です。
長野県上伊那郡天龍村の観光スポットと伝統的な祭り
自然豊かな長野県下伊那郡天龍村には、浄心の滝という滝があります。この滝は、古くから信仰の滝として地元で崇められてきた滝です。滝の横には不動明王の座像の石像が祭られており、寝たきり封じの不動様として参拝する人が多くいます。
天龍村には、国重要無形民俗文化財や村指定民俗文化財などに指定された、数々の伝統的な祭りがあります。向方お潔め祭りは、国重要無形民俗文化財に指定されている天龍村の霜月神楽の1つ。毎年1月3日に行われ、扇や剣などを手に持ち、「花のようとめの舞」などの湯ばやしの舞が舞われます。1994年にオープンした村営の温泉施設、天龍温泉 おきよめの湯の名前は、この祭りからきているそうです。
向方お潔め祭りから名が付けられた天龍温泉 おきよめの湯は、2015年にリニューアルされた温泉施設です。その際に、館内にはサウナが増設されました。内風呂に加えて露天風呂もあり、天龍村の美しい自然を楽しみながら温泉に入ることが可能。泉質は、アルカリ性単純泉となっており、神経痛などの効能があります。施設内にはレストランもあり、蕎麦などが食べられます。
天龍村には、ニセンジ自然公園パター&マレットゴルフ場があります。ここは、早木戸川と山々に囲まれた人工芝のパターゴルフとマレットゴルフ楽しめるスポット。自然に囲まれた素晴らしい環境で体を動かすのは格別です。
長野県下伊那郡天龍村の「ていざなす」を求めて長野県へ
長野県下伊那郡天龍村の伝統野菜のナスである「ていざなす」。他ではあまり味わうことのできない、大きくて柔らかく甘みの強いナスです。自然豊かで、伝統的な祭りもたくさんある、そんな天龍村へ一度足を運んでみては?
ザ・ご当地検定の問題
Q. 長野県のナス「ていざなす」。この「ていざ」とは何の名前?
A.生産者の名前
Q. 古くから信仰の滝として地元で崇められてきた、長野県下伊那郡天龍村の滝は?
A. 浄心の滝